明日から僕の十段戦がスタートします。

一発勝負のトーナメント戦ですから、明日で終わる可能性も秘めてるので、初戦の前夜は独特の緊張感に包まれます。

たまには、少しほろ苦い思い出話でもしようかなと思います。


僕の十段戦初決勝は、2004年でした。


左から順位になります。

初のビッグタイトル決勝戦で卓内最年少。

下馬評ももちろん最下位予想が並びました。

しかしそんな予想に反して、終盤まで首位に立ち、残り半荘3回で2着の河野さんとは70ポイントほど離したリードをしてました。

ここから、トップラスを2回決められ、微差ながら逆転されます。

最終戦も頭真っ白のままで終戦し、失意のまま帰路に着きました。

本当に若さでぶつかって、勢いでリードして、でも優勝がちらついて、経験の浅さでリードを生かせず負けました。

もちろん、優勝の河野さんの素晴らしい闘牌が光った試合だったのが一番の理由ですが。

僕がよく最初のビッグタイトル戦で負け試合の方が、得るものも多いと思うようになった一因は、この試合と第22期鳳凰戦にあります。


これも左から順位になります。

どちらも優勝目前での自滅。
そして、それは勝ち方を知っている、タイトルホルダーたちが作り上げていくプレス。これにやられていきました。

鳳凰戦のことは、鳳凰の部屋などで触れてますので割愛させて頂きますが



十段戦のこの負けで一番僕が得たなと思う出来事がありました。当時の若手の戯れ言と思って聞いてください。

打ち上げの席で、勝者の笑顔をまるで映画でもボッーと見るように1人離れた席から眺めてました。

ある程度の時間が過ぎ、ふと会話が聞こえてきてしまいました。


「史上稀に見る接戦でしたね」

「いや、内容的には河野さんの圧勝だったよ」

当時僕の目標としている先輩の内容的には圧勝だったよの一言。

今の僕なら確かにそうだったよなと笑って、当時の僕の頭を小突くとこでしょうけど、あの時の僕には強烈に突き刺さりました。

報告を待つ親友に電話するのを思い出したのですが、笑って頑張ったけどダメでしたと言おうと思っていたのが涙声になりました。

僕の麻雀はこんなものなのか。

どうやったら、強くなれるんだろう。

ここから、僕は少し変われたような気がします。

そして数日が過ぎ、がむしゃらに麻雀に没頭していました。

この頃毎日思っていたのは、

「次に決勝に乗れる日はくるんだろうか?
最大のチャンスを逃してしまったのではないだろうか?」

頑張ると決めたのに、なかなか目標の定まらない日の繰り返しでした。

そして、2005年、念願の初ビッグタイトル發王位を獲得し、すぐ後の鳳凰位決定戦で、十段戦よりキツイ負けをするのでした。

毎年この季節、何年たっても勝った思い出よりも、負けたシーンが思い出されます。

これからもいっぱい負けて、たまに勝つと思います。

だから明日は勝ちにこだわるけれど、いい麻雀を打って、皆さんに笑顔で報告できるようにしたいと思ってます。


久しぶりにセンチな文章になってしまいました汗。

頑張ります!


追伸
実はこのブログかなり最後まで書いて全て消えてしまって、書くのやめようかと思いましたが、頑張って2回目書きました汗。

さらに負けられなくなりました笑。