雨

今日の天気とはあまり関係ないんですが。人って、ある音楽を聴いたときや、ある場所をみたときなんかになにかおもいだしますよね。僕は雨の時たまに思い出すことがあります。小学校５年の時、岡山県勝田郡にすんでました。学校まで徒歩で片道１時間かかる田舎の学校でした。でもみんなあたたかくて、おもいやりがあって楽しい田舎生活でした。当時その小学校の野球部に所属していたんですが、ある大会の決勝戦まで勝ち進んでいたんですよ。田舎としては一大ニュースです。町中もりあがっちゃって、その決勝戦前夜、瀬戸熊少年にはひとつだけ気がかりなことがありました。それは明日の天気。実は瀬戸熊家は、おやじさんの仕事の都合で二日後千葉に引越しが決まってました。しかもその試合にあわせて、引越しを伸ばしています。明日が瀬戸熊少年にとってラストチャンスです。祈りながら彼は床につきました。そして翌朝。かれは激しい雨音で目を覚ましました。というより、そのことが現実なのか夢なのかはっきり認識することさえ怖くて布団からでれません。そこへ、電話の激しい呼び出し音。野球部の先生が中止をわざわざ知らせてくれました。電話ごしに僕のすすり泣きがきこえたのか、先生はうちで来週まで住んで、

試合が終わってからいけばいい。みたいな事をおっしゃってくれたのですが、いろいろとまわりに迷惑がかかるとおもい断りました。そして一週間後試合に負けたことを友達に聞きました。だから雨の日は、きっとどこかで悲しんでる子供がいるのかなと思ってしまいます。

実は僕小学校４回、中学校３回転校してるんですよね。だから幼友達がいる人はうらやましいです。

瀬戸熊少年はそれから６年後、高校生になります。そこでは野球部のきつい練習が嫌で毎日雨を願ってましたとさ。