※ジェブ・ブッシュ氏が共和党の大統領候補者レースから脱落し、ドナルド・トランプ氏が勝ち抜けることを予測した街頭スピーチ。ここに今日的な日本と世界の政治課題が凝縮されています。

なぜ、米国は日本をアメリカ化しようとするのか?
それは日本には世界有数の教育水準を誇る約1億人の労働力があり、その国民が稼ぎ出す莫大な経済力(担税力と貯蓄)があるからです。本音から言えば、アメリカ合衆国の第51州目として併合してしまいたいくらい魅力的な日本なのですが、そんなことをすれば、日本人の大統領が生まれてしまうかもしれない。その恐れから、日本をアメリカ化して、米国にとって実質的に日本との国境線がシームレスになること。そして、そのアメリカ化された日本を事実上統治し続ける方が米国の国益が最大化されるわけです。マッカーサーの占領政策の永続化を保障する限り、自民党政権は米国にとって最も都合のいい政党ということになります。

日米安全保障条約を締結した(占領政策の継続を決めた)吉田茂元総理の孫が麻生太郎副総理、安保改正を決めた(占領政策の再延長を決めた)岸信介元総理の孫が安倍晋太郎総理。

彼らの賞味期限が過ぎれば、米国は次の親米(追米)政治家を次期総理の座に据えようと考えるでしょうし、米国にすり寄る政治家は後を絶たないでしょう。

私は演説でも述べているとおり、アメリカ合衆国もアメリカ人も大好きです。私は「反米」ではなく、むしろ「親米」です。しかし、「追米」では断固としてありません。

今、問われる日本人政治家のビジョン。

みんなで考えて世論を動かしていきたいものです。

瀬戸健一郎(せとけん)

追伸 私は長いこと日本は追米志向で外交安全保障分野では思考停止に陥っているのだとこの現状を憂いてきました。しかし実は、日本を動かしているのはワシントン(米本国)ではなく、在日米軍なのかもしれないという衝撃的な事実に気づき始めています。
日米地位協定。それは、在日米軍司令官と日本国の外務省、防衛省の幹部で構成されている日米合同委員会で改定され続けているからです。
鳩山由紀夫元総理は「最低でも県外」という発言で、米国の圧力によって政権を追われたと理解するのが一般的だと私も考えてきましたが、実は在日米軍に国外に出ていかれては困る勢力が日本国の外交を動かしていたのかもしれません。
米国を忖度するのではなく、駐留米軍を忖度する日本国内の行政権力が存在しているのだとすれば、私たち国民はしっかりと目を醒ます必要があるのではないでしょうか?
皆さんの議論を喚起し、ご意見が賜れれば幸甚に存ずる次第です。by せとけん


以下、動画公開時に着けられたオリジナル解説------------------------------------------

山川ゆりこ(現・立憲民主党衆議院議員)が掲げる『武力によらない 平和をつくる』という政治信条の原点が、この演説です。安倍内閣が衆議院で強行採決した安保関連法案は、その法案の中身が憲法違反であるだけでなく、国民の憲法対話を無視した拙速な審議過程においても、立憲政治を否定するものであり、私はこれを容認することが出来ません。

しかもこれが、来年のアメリカ大統領選挙の前である今夏までに法制化することを安倍総理が個人的にアメリカ連邦議会で約束してきたものであることから、私は今年、戦後70年の節目の年と言われていますが、今日に至るまで、これは占領70年だと総括せざるを得ない状況です。

また、安保法制と同時に進められた労働法制の改正も、実は日本をアメリカ化する、アメリカ側の都合で進められている日本側の作業であることも演説の中で指摘しています。

アメリカには馴染みのない終身雇用制度や皆保険制度や年金制度が日本にだけ存在していれば、若者の社会不安が小さな日本国で自衛隊に率先して入隊する若者は増えません。アメリカでそれらは、軍隊のみで保障されるものだからです。

今回は、TPPには触れませんでしたが、言うまでもなく、日本の皆保険制度や年金制度は、アメリカの民間保険商品や年金型金融商品が日本では売れない、アメリカにとっての障壁(バリア)になるものです。

アメリカは自国の国益を増進させるために、日本をアメリカ化することが不可欠です。そもそも日本人が歴史的にも文化的にも宗教的にも関係のない、十字軍の歴史に首を突っ込むがごとき対テロ戦争へのアメリカ側の都合とコンテクストによる参戦は、よくよく日本国民も理解しなければなりませんが、安倍政権は日本国民よりもアメリカを見ているように思えてなりません。

ちなみに、来年のアメリカ大統領選挙の本命馬は、共和党のジェブ・ブッシュ氏です。前ブッシュ大統領の弟です。

是非、皆様もそれぞれの声を上げて頂くために、この演説を叩き台にして頂けたら幸いです。

日本の平和主義と民主主義と立憲政治を守るために!

by せとけん

(追記)
この演説の後、本命馬だったはずのジェブ・ブッシュ氏は大統領選挙の戦線を離脱しました。そして、トランプ氏が大統領になりました。

いわゆるエスタブリッシュメントという既存勢力が、メインストリームメディアを通じて統治体制を維持する。アメリカの建国には、ピューリタンとフリーメイスンが同時に関わっていましたが、神の国の平和(積極的平和)と抑止力による平和(消極的平和)が共存してきたアメリカ史を私たち日本人も意識する時代に入ったのだと思います。

平和をつくるものは幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるから。(マタイ5:9)

「武力によらない平和をつくる」理念と「等身大の日米関係」というビジョンに、皆様の共感が賜れたら幸いです。

by せとけん