せとけん公式ブログ「だれもが幸せなまちをつくろ!」from 瀬戸健一郎 Powered by Ameba

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※『等身大の日米関係』とは何か~日本をアメリカ化するアメリカの戦略(演説)

■沖縄県民を覚醒させた鳩山発言

沖縄県にある普天間基地移転問題の根底に、民主党鳩山政権時代に鳩山総理ご自身が述べられた「最低でも県外」というご発言が大きな分水嶺となっているようです。

時の総理大臣が、沖縄の基地負担問題に関して、ここまで踏み込んだ発言を行ったことが、「沖縄県だけが在日米軍を受け入れなくてもいいのだ」と沖縄県民に悟らせ、沖縄県民の「どうせ基地はなくならない。」という固定観念を打ち破る効果が絶大であったことも事実でしょう。

だからと言って、鳩山総理さえ「余計なことを言わなければよかった」と総括し、鳩山発言が沖縄県民の寝た子を起こしてしまったのは罪なことだと断じることは、問題の本質から目を反らす議論になりかねません。

鳩山総理は恐らく、真摯に沖縄県民と向き合い、1995年に起きた沖縄米兵少女暴行事件で主権を著しく傷つけられた沖縄県民の感情に寄り添い、真実な心で「最低でも県外」に米軍普天間基地を移転させると発言されたのだと思います。

しかも当時、米軍は沖縄のみならず、広く太平洋地域全域の基地再編計画を検討していましたから、普天間基地のグアム移転はその枠組みの中で俎上に載せられ、それが鳩山発言の根拠だったのではないでしょうか。

■アメリカも警戒する沖縄県民の感情

沖縄県民の在日米軍基地負担が重すぎることと、度重なる沖縄米兵による婦女暴行事件や頻発する事故等が沖縄県民の感情を高ぶらせ、結果的に在日米軍全体の日本への駐留継続のアキレス腱になりかねないことは、米国も十分に認識していたはずです。

ですから沖縄県民の感情に配慮して、普天間基地のグアム移転を考慮することをワシントン(米国政府)は選択肢のひとつとして検討していたことは事実のようです。実際に、鳩山総理とオバマ大統領、もしくはクリントン国務長官らとの会談の中で、「辺野古移転」を再確認した記録は見当たりません。橋本クリントン会談で「名護市の海上」というあいまいな合意が示されはしたものの、稲嶺沖縄県知事と岸本名護市長は期限付きもしくは条件付きで辺野古受け入れを容認しましたが、これら地元からの付帯条件を日米両政府は了承していませんでした。

辺野古移転問題は当時、受け入れ側の自治体トップの了解が明確でない状態が続いていたので、宙に浮いたかたちになっていました。

■日米地位協定を決める日米合同委員会

日米地位協定を協議し、決定しているのは、日米合同委員会であることは皆様もご承知かと思います。そして、この日米合同委員会の構成メンバーは、日本側が外務省北米局や自衛官でない防衛省のキャリアを中心とする中央政府のエリート集団であり、米国側は在日米軍の司令官たちです。つまり、日本政府の「背広組」が交渉している相手は、在日駐留米軍の「制服組」だということです。

いわゆる軍属の交渉ならば、日米共に制服組が対応するのが自然であり、国家主権や外交交渉ならば、日米共に背広組が対応するのが自然なことだと思います。日米地位協定を決定するために日本政府が対応しているのは、ワシントンの米国政府ではなくて、在日駐留米軍の軍人だという現実に注目すべきです。

しかも、他国の地位協定の場合、国家主権という大前提の中で、駐留部隊の「例外的権利」を特例的に認める協定であるのに対して、日本国における日米地位協定の場合は、駐留米軍の排他的管轄権の中で、日本国の主権を特例的に認める協定内容になっている側面が問題だと指摘する声があります。

■国際比較における日米地位協定の特異性~横田空域

例えば、横田空域。米軍横田基地から発着する米軍機の航行が他の航空機に対して排他的に占用する空域のことで、この空域は1都8県に跨る巨大な空域です。ほぼ首都圏の上空はこの横田空域で覆われていると言っても過言ではありません。どんな軍事基地の上にも排他的管制空域はあるものですが、横田空域はその範囲が膨大です。


※1都8県にまたがる「横田空域」~首都圏全体の空域を米軍が占用している。

日本国の首都上空は日本国の排他的空域で、その管轄権は日本国の主権に存する排他的な管制空域のはずです。そしてその一部を部分的かつ例外的に在日米軍が利用するのを許可するのならば、他国の地位協定と同様に国家主権の範囲の中で、一部の例外規定を認める議論になります。しかし横田空域は違うのです。


※横田空域=ここに定められた範囲と高さの空間は米軍の占用空域のため、民間航空機や自衛隊機はここを避けて飛ばなければなりません。行先によって、旅客機が不自然に迂回したり急上昇しなければならないのは、このためです。

他にも同様の米軍による排他的占用空域には、岩国空域があります。また、管轄権が返還されたはずの嘉手納空域(嘉手納ラプコン)では、今も管制規制は米軍が占用空域として定めたルールがそのまま適用されているのが実態です。

このように日米地位協定によって定められた様々なガイドラインは、日本国の領土、領空、領海に対する在日米軍の排他的管轄権を定めるものであることから、ワシントンの米国政府は直接関知しない事件であり、日米合同委員会に日本側が文民である政府担当者(背広組)が出席し、米国側は軍人である在日米軍司令官(制服組)が出席する構成メンバーで協議すれば、米国側の要求は十分反映される仕組みとなっているわけです。

■「最低でも県外」鳩山発言の真実を考察する

さて、いよいよここから本題に入ります。なぜ鳩山総理は大胆にも「最低でも県外」などと発言したのでしょうか。以上の事実を踏まえて、ここからは私の私的な理解の範囲で論じてみたいと思います。

鳩山総理が直接対峙したのは、オバマ大統領やクリントン国務長官であり、鳩山政権の閣僚レベルが交渉した相手もワシントンであったことが重要だと私は考えています。日米地位協定の交渉に参加しているのは、米国側は在日駐留米軍の司令官や在日米国大使館の公使などの一部の外交官でした。つまり、鳩山内閣の交渉相手はワシントンの中央政府の閣僚や官僚であったために、これら一連の在日駐留米軍基地問題などというローカルな事情について、十分な認識がなかったのではないかというのが私がここで強調したい論点です。

私は長年、日本はまだまだアメリカ支配が強いなと感じてきました。18歳の頃出会ったビル・アーチャー米下院歳入委員長が比喩的に諭してくれた「世界中がアメリカを望遠鏡で見ている。我々はそれらの望遠鏡をアメリカ側から覗き返している。それがアメリカを取り巻く世界情勢だ。」という言葉に触発されて、せめて日米関係は片側からは大きく見えるが、反対側からは小さく見える望遠鏡でなく、ただの筒で結ばれた「等身大の日米関係」を実現しようと決意した日のことを今でも忘れません。

ところが在日米軍基地の問題以外にも、日米地位協定によって定められた様々な米軍の特権的地位の存在に目を向けてみると、これは必ずしもアメリカ支配ではなく、アメリカ軍支配であると言える程の影響が日本に今も根深く残されていることに、私は今更ながら愕然とする思いです。

■議員外交の重要性~首脳外交と地域外交のギャップ

鳩山総理は、首脳会談で、東京とワシントンの間で繰り広げられた政府間交渉の中で、冷戦終結後の米軍再編の大きなうねりを体感していたはずです。だからこそ、普天間基地を辺野古に移転させるといった超ローカルな視点ではなく、グアム移転を含めたもっと大きな視野に立つ中央政府間交渉の中で、普天間基地の「最低でも県外」移設は可能だと判断したのではないでしょうか。

ところが、霞が関のキャリアの内、日頃から日米合同委員会のメンバーとして在日米軍と交渉してきた日本国内の政府チームは、常に目先がワシントンではなく、在日駐留米軍に向いているため、忖度する相手が必ずしもワシントンの米国政府ではなくて、在日米軍司令官たちであったとしたら、彼らに辺野古を差し出すことは自然な発想であったかもしれません。なぜなら、在日米軍の勢力が削減されれば、その交渉相手となっている外務省や防衛省の文民(背広組)たちの権力基盤も弱くなることが危惧され、普天間基地の国外移転が日米同盟を弱体化しかねないと考えたかもしれません。

日米外交を深化させるためには、日米双方の中央政府間協議と共に、日米両国の国会議員同士が直接議員外交を通じて気脈を通じさせることが重要です。
日本の現状を国会議員がきちんと自分の言葉で、在日駐留米軍ではなく、直接ワシントンに伝えていく努力が不可欠であり、国会議員レベルで等身大の日米関係を構築していく不断の努力が必要です。

■恐れるな!~アメリカ建国の理念は今も変わらない

アメリカ人は自由と民主主義を尊ぶ国民性を今も強く持ち続けています。米国は高度に発達したアメリカ型世界戦略と国際的な統治機構によって今も世界に覇権を広げていますが、同盟国の民衆の声を無視するような国ではありません。伝えれば、響く。響けば、応える。それが世界における、本来のアメリカ合衆国という国家の姿だと私は信じています。

アメリカを怒らせてはいけないという恐怖から、私たちは卑屈になる必要はないと思います。正々堂々とアメリカにも発言していくべきです。日米地位協定の見直しが日本人の自由と民主主義の今日的発展のためには不可欠な議論になってきていることを、真摯に率直に伝えていくべきなのではないでしょうか。

■独立自尊のニッポンを創ろう~果敢だった2人の総理

しかし米国に日本国の主権について議論することは、政権交代(担当)の妨げになるというトラウマが与野党に広く深く静かに浸透していると私は痛感しています。その原因は、田中角栄総理が遭遇したロッキード事件にあると思います。GHQ民生局の反発を押し切って、道路三法を議員立法で成立させたり、日本列島改造論で日本全国を東京と日帰り圏内で結ぶ国土維新を断行したり、さらにはアメリカより早く日中国交正常化を実現したりした不世出の国民宰相 田中角栄先生がご存命であれば、きっと私たちに「もっとしっかりしろ。正々堂々と自主独立の気風を高らかに掲げて、恐れずにアメリカ合衆国に対しても積極果敢に交渉するべきだ。」とおっしゃるのではないでしょうか。

「最低でも県外」という鳩山由紀夫元総理の言葉は、確かにその発言で鳩山政権は崩壊してしまった側面はあるものの、その一言で沖縄県民の独立自尊の精神に火が付き、これが熱源となって、国家主権を考える熱伝導が今や全国に広がりつつあります。これは鳩山政権の功績だと言えるかもしれません。
在日米軍と日常的に交渉してきた日本国外務省の一部のキャリアたちにとっては「最低でも県外」という総理の発言は唐突で、受け入れ難いものであったかもしれませんが、自由と民主主義というアメリカ合衆国建国の理念や理想は普遍的な価値であり、対米交渉においては希望の光となるはずです。

毎年7月4日に独立記念日を大々的に祝うアメリカ合衆国。世界の国々を解放し、自由と民主主義の理想を世界中に拡大してきた歴史と伝統を誇るアメリカ合衆国が、彼らの戦略的論理だけで駐留米軍の派遣先国の主権や民族自決権を脅かし、自由と民主主義を制限していいわけがありません。
戦後70年以上も経過した日本には今も、10万人規模の在日米軍が駐留を継続しています。しかも主権国家の首都上空を今も在日米軍が占用する大きな空域が存在しているのが日本の現実です。
一日も早く、日本国の国土、領空、領海の管轄権と航行の自由を回復し、同時に日本国憲法の平和主義を毅然と主張し、堅持する。安保法制や対外有償軍事援助(FMS)等にも関わる日本国の主権に関する議論をタブー視するのではなく、自由と民主主義の国・アメリカ合衆国を相手に交渉を始める。
等身大の日米関係を始める前に日本人は、過去のトラウマを払しょくし、日本国に対する健全なセルフイメージを回復するところから始める必要があるのではないでしょうか。

「最低でも県外」鳩山発言をきっかけとして、日米地位協定の現実を複眼的な視点から見つめ直し、日米関係を再認識する。憲法改正論議と辺野古基地移転問題が国会の論争となり、新しい元号が日本に新しい時代の幕開けを告げようする今こそ、私たち日本人は全国民的な議論を始めるべきだと思います。

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