こんばんは。セト/赤髪です。昨年夏頃に公開した「Battle of Sodor」を最後までお読みになってくださった方ありがとうございます。今回は「Battle of Sodor」の裏話を投稿させて頂きます。
今回は「制作経緯」「キャラクターについて」の順で、二項目に分けてご紹介します。項目が少ないので内容も短くなると思うので、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
 
◎制作経緯
「Battle of Sodor」を書こうと思ったきっかけは単純なものです。誰もが思いつくであろう「蒸気機関車vsディーゼル機関車」「蒸気とディーゼルの争いに第三勢力の登場」と言う話を書きたかったからです。ただ電気機関車やら蒸気やディーゼル以外の燃料で動く機関車が第三勢力として登場する作品は他の方の作品でも見る事ができるので、それは避けようと「メインランドのキャラクター」つまり過去にソドー島に来島して、何らかの理由で追い返されたキャラクターを登場させました。
また「蒸気機関車とディーゼル機関車が共同する」と言うのは公式でも他の方の二次創作でも存在しますが、それについても自分もやってみたくて書きました。トーマスがディーゼル10を騒動の黒幕として疑うシーンでフィリップが庇うのはYou Tubeで公開されている海外の二次創作「Thomas Creator Collective」のカップリングを参考にさせていただいています。
今回オリキャラは一切出さないと公言していましたが「Part 1」のみオリキャラ「ロジャー」「クリンク」「エンドロールで登場する謎のディーゼル」が登場しています。「ロジャー」を出した理由はディーゼル10の登場シーンとそれにインパクトを持たせるためにはどうすれば良いかと考えた結果、没案となったオリキャラを引用する形で登場させました。「クリンク」「謎のディーゼル機関車」は今後の伏線として登場させています。
個人的には昨年書いた「The Legend of the Eerie Engine」より今回の出来の方が遥かに良いと思います。様々な没案のお気に入りの部分を繋ぎ合わせて書いたようなものですからね。
 
◎キャラクターについて
当初の予定では第三勢力のボスとしてオリキャラを登場させる予定でした。任天堂の有名な悪名なゲームキャラ「クッパ大王」の英語名を元ネタにした「バウザー」と言うオリキャラをはじめとした様々なオリキャラを構想しました。
が、どれも既存のキャラクターや他の方のオリキャラと被る気がしたのと、オリキャラが多すぎると読者の方が混乱するという理由から既存のキャラクターにオリジナルの設定を加えるという手段に出ました。既存とはいえ原作にしか出てこないキャラクターもいますので、彼らにオリジナル設定を加えても特に違和感を覚えることも無いと思いますからね。ではそんな彼らがどんなオリジナル設定を加えられたのか、その設定や裏話を紹介していこうと思います。
 
・スタン
 
第三勢力のボス「スタン」はD199を指しています。スタンの名前の由来は原作でD199が信号手につけられた「Spam Can(スパム缶)」の「スパム」の部分を捩ったもの。原作通り「D199」で登場させた方が良かったのかもしれませんが、番号だけだとあまり華が無いかと思って「スタン」と言うあだ名を付けました。
読み返してみて「スタン」はキャラクターが少し曖昧な感じがしていると自分でも思います。自分的には暴力的なディーゼル10とは対照的に「知的・冷酷さ」を持ったキャラクターとして書きたかったのですが、思ったような感じになってませんでした……。
「スタン」を登場させた理由は先ほども述べた通り「オリキャラを多数登場させることで読者の方の混乱を避ける」為でもありますが、ディーゼル10に救いがあるオチを与えたかったというのもあります。ディーゼル10がお気に入りであるのと同時にいつも悪役として嫌われてる彼を不憫に感じ、彼よりさらに極悪非道なキャラクターを出せばディーゼル10にも救いの手が差し伸べられるのではないかと思い、登場させました。いつも黒幕がディーゼル10かディーゼルと言うのもつまりませんしね(笑)
 
・スプラッターとドッヂ
 
数少ないテレビ版未登場の長編限定のキャラクターとして有名なスプラッターとドッヂのその後を気になる方は沢山いられると思います。自分もその一人で「魔法の線路」のその後の彼らを書きたくて登場させてみました。
ディーゼル10から離れた後、彼の取り巻きだったことやディーゼル機関車に対する偏見など、冷たい境遇を受けた事ですっかり捻くれ、昔の面影が無くなった双子の復讐劇と言うのも考えましたが、この二人は間抜けな手下訳が1番だと思い、オリジナルの設定を活かしました。「魔法の線路」以降、ブリドリントンの操車場でウーリ達と働き、そこで出会ったスタンに唆され、ウーリや他の仲間達ともどもスタンの手下に入る設定もありましたが、登場人物が多すぎると配役が大変だと思って彼らだけを部下として登場させました。
 
・アンディ
 
D261に関しても「スタン」と同じ理由で「アンディ」と言う名前をつけさせてもらっています。「アンディ」の由来は海外の方が制作した二次創作(?)「Mad Boomer」と言う今から10年程前にouTubeにて投稿された動画でD261に付けられた名前が元ネタです。
D261には最初にして最後の登場回で「山高帽を通気口に吸い込んで故障してしまう」と言うエピソードがある事から海外のトーマスファンに山高帽を意味する「Bowler(ボーラー)」と言うニックネームが付けられているので、そちらを名前にするつもりでしたが、個人的にインパクトに欠ける気がしたので没に。
物語の中盤から登場した為あまり目立った活躍がありませんが、彼を第三勢力のボスにする予定や原作のみに登場した「オールド・スタックアップ」と言うディーゼル機関車と双子の兄弟と言う設定にする予定がありました。オールド・スタックアップとの双子設定は「スタンの手下の双子」と言う設定はスプラッターとドッヂに被るし、オールド・スタックアップのキャラクターの活かし方が分からなかったので没に。
 
・ハンフリー、ヴィンス
 
ハンフリーとヴィンスは原作ではモブキャラとして18巻「がんばりやの機関車」の1ページだけ登場し、テレビ版では未登場と言うキャラクターです。ハンフリー、ヴィンス共に名前はスタンの名前の候補からきています。
ハンフリーのモデルはイギリス国鉄クラス31ディーゼル機関車。ヴィンスのモデルはイギリス国鉄クラス52ディーゼル機関車『ウェスタン』です。
ヴィンスは名前をモデル機から拝借しようと考えていましたが「ウェスタン・チャンピオン」「ウェスタン・エンペラー」と言ったいかつい名前ばかりなのでスタンより強そうに見えるし、世界観が崩壊しそうだったので不採用にしました。
ハンフリーはモデルをLNER W1形蒸気機関車にして「ディーゼル機関車に寝返った蒸気機関車」と言う設定で登場させるつもりでしたが、ストーリーから脱線する為断念。彼らはソドー島に来島した事が無いのでトーマス達との接点もないのでストーリーに出しにくかったのですが、原作のモブキャラの為オリジナル設定を付けくわえても違和感が無い事と、トーマスシリーズのディーゼル機関車は大型が少ないので大型の彼らをどうしても登場させたいとソドー島に来島した事も無かったため「D261の紹介でD199と知り合い、未だに蒸気機関車が走り回っているソドー島を快く思っていない事からソドー島をディーゼル機関車の島にしようとする」少し強引な形で登場させました。
 
・ヒューイ、デューイ、ルーイ
 
ローリー3兄弟にも名前が無い為、オリジナルの名前をつけさせてもらいました。長男のローリー1が「ヒューイ」、次男のローリー2が「デューイ」、三男のローリー3が「ルーイ」となっています。3台の名前の由来はドナルド・ダックの甥っ子「ヒューイ」「デューイ」「ルーイ」から取っていますが、考えてみれば彼らもD261同様に海外のトーマスファンから「Smush(ぺちゃんこ)」「Broken(エンコ)」「Sunk(ドンブラコ)と呼ばれているので、投稿後にそっちで呼んでおけば良かったかと少し後悔しています。
彼らは「ジョージ、バルジーとアンチ鉄道同盟を組んでソドー鉄道を廃止に追い込もうとする」長編を考えていた時点から登場させていたので、その長編を没にした後でスタンやアンディ同様にメインランドへ送り返されたと言う共通を見つけたのでゲスト感覚で出しました。
あまり出番のない彼らですが、性格は次男の「デューイ」がしっかり者で間の抜けた兄の「ヒューイ」と弟「ルーイ」を引っ張る苦労人と言う設定にしています。
 
◎最後に
本作は没設定が非常に多かったので、いつかその没設定を使って新たな作品を書くつもりです。因みに少し告知しておくと今年の夏にメインランドを舞台にした長編を書く予定があります(タイトル未定)。
次回更新は来月以降になります。2月から現在休止中の短編シリーズを10本載せて4月から新シリーズを投稿していくつもりですので、長編と一緒に楽しみに待っててくださると嬉し限りです。
では、今回はこの辺りで(@^^)/~~~
 
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