自分のトレーニングはスケジュールの合間に行うため、
毎日色んな場所で行う。
おかげで、同時に様々なトレーナーの指導が視界に入る事になり…
もちろん、私が何か余計な口を挟むはずもなく、
自分のメニューを淡々とこなす事になるのだが。
よく目にするのが、
定番のトレーニング種目の指導になり、
機会が多いのが
「スクワット」。
これは以前にも書いた事があるのだが、
改めて。
ほとんどの指導者が、
立った姿勢から、
「どのようにしゃがむか」
を指導しようとする。
だが、
実はこれは、かなり難しい。
スクワットで最も重要なポイントは、
股関節の屈曲であり
(強い出っ尻)
しゃがみながら、この動作を行うのは、
素人にはかなり難しい。
自分がトレーニングに慣れている指導者は、そういう事に気付かない。
筋肉が伸びながら力を発揮するのを「エキセントリック筋活動」と呼ぶが、
素人には感覚的に掴みづらい。
だから、スクワットは、
「しゃがんだ状態から、立たせる」
方が、感覚的に分かりやすい。
つまり、筋肉が縮みながら力を出す
「コンセントリック筋活動」
を意識させた方が、
多くの場合は分かりやすい。
言わば、「逆転の発想」
である。
スクワットは、
しゃがむ動作、より、
立たせる動作から教える。
こういう考え方は、
実は色々な場面に於いて、共通する部分である。
言わば、
「行いたい動きの、その一つ前の動きが重要」
ということ。
先日、クロスカントリースキー選手の指導を行っていた際、
走り方のフォームの調整をしていた中で、
「腸腰筋」への刺激を重視したメソッドを行ってから、
ランニングトレーニングに移った。
すると本人が、
「脚の送りが軽い」
と。
つまり、
後ろに脚を蹴り出す動作をスムースにするには、
前に戻す動作がスムースでないと、次の動作がぎこちなくなる…
のである。
本来、やりたい動きのその前に、
「本質」
がある。
動きとは、まさに
「連鎖」
「連動」
である。
単独で動きが形成されている訳ではない。
顕著なのが、アマチュアゴルファーである。
ゴルフ雑誌に、一流選手のスイング連続写真などが頻繁に掲載されている。
一般のアマチュアゴルファーはそれを見て、
「トッププロはインパクトの瞬間はこーなっている」
とか、
「テークバックでは、腕の動きがこーなっている」
などと研究し、
同じになるように努力する。
無意味、とまでは云わないが、
その動きを実践するには、その直前の動きが出来ていなければそのようにはならず、
またその動きをするにはその前がこーなっている必要があり…
と、なり、
とどのつまりは、
「スタンス」
と
「グリップ」
が大事。
と、なるのである。
動きを、切り取って考えると、
本質を見失う。
連動した動きとは、
「最終的に、こーなっているのが理想型」
な事は確かなのだが、
そーなる為には、その前がどのようになっている必要があるのか…
連続写真の切り出しのようには、
人間の動作は出来ないのである。
毎日色んな場所で行う。
おかげで、同時に様々なトレーナーの指導が視界に入る事になり…
もちろん、私が何か余計な口を挟むはずもなく、
自分のメニューを淡々とこなす事になるのだが。
よく目にするのが、
定番のトレーニング種目の指導になり、
機会が多いのが
「スクワット」。
これは以前にも書いた事があるのだが、
改めて。
ほとんどの指導者が、
立った姿勢から、
「どのようにしゃがむか」
を指導しようとする。
だが、
実はこれは、かなり難しい。
スクワットで最も重要なポイントは、
股関節の屈曲であり
(強い出っ尻)
しゃがみながら、この動作を行うのは、
素人にはかなり難しい。
自分がトレーニングに慣れている指導者は、そういう事に気付かない。
筋肉が伸びながら力を発揮するのを「エキセントリック筋活動」と呼ぶが、
素人には感覚的に掴みづらい。
だから、スクワットは、
「しゃがんだ状態から、立たせる」
方が、感覚的に分かりやすい。
つまり、筋肉が縮みながら力を出す
「コンセントリック筋活動」
を意識させた方が、
多くの場合は分かりやすい。
言わば、「逆転の発想」
である。
スクワットは、
しゃがむ動作、より、
立たせる動作から教える。
こういう考え方は、
実は色々な場面に於いて、共通する部分である。
言わば、
「行いたい動きの、その一つ前の動きが重要」
ということ。
先日、クロスカントリースキー選手の指導を行っていた際、
走り方のフォームの調整をしていた中で、
「腸腰筋」への刺激を重視したメソッドを行ってから、
ランニングトレーニングに移った。
すると本人が、
「脚の送りが軽い」
と。
つまり、
後ろに脚を蹴り出す動作をスムースにするには、
前に戻す動作がスムースでないと、次の動作がぎこちなくなる…
のである。
本来、やりたい動きのその前に、
「本質」
がある。
動きとは、まさに
「連鎖」
「連動」
である。
単独で動きが形成されている訳ではない。
顕著なのが、アマチュアゴルファーである。
ゴルフ雑誌に、一流選手のスイング連続写真などが頻繁に掲載されている。
一般のアマチュアゴルファーはそれを見て、
「トッププロはインパクトの瞬間はこーなっている」
とか、
「テークバックでは、腕の動きがこーなっている」
などと研究し、
同じになるように努力する。
無意味、とまでは云わないが、
その動きを実践するには、その直前の動きが出来ていなければそのようにはならず、
またその動きをするにはその前がこーなっている必要があり…
と、なり、
とどのつまりは、
「スタンス」
と
「グリップ」
が大事。
と、なるのである。
動きを、切り取って考えると、
本質を見失う。
連動した動きとは、
「最終的に、こーなっているのが理想型」
な事は確かなのだが、
そーなる為には、その前がどのようになっている必要があるのか…
連続写真の切り出しのようには、
人間の動作は出来ないのである。
日本ハムファイターズのルーキー、
捕手の大野奨太選手。
東洋大学卒の一年目から、試合の半分がスタメンマスク。
経験が重視されるポジションにおいて、
かなり珍しい現象である。
まして監督は名キャッチャーとして名を馳せた梨田監督。
どこが評価されての起用か?
新聞記事に、その秘密が出ていた。
日ハムのGMが云うには、
「決して突出した能力を持つ選手では無かったが、
よく勉強するし、監督の指示をよく守る。
例えばブルペンで、捕手は座ったまま投手へ返球する事が多いが、
梨田監督は、一球ごとに立って返球しろと云う持論。
それが基本であるし、足腰を鍛える事にもなる、というわけだ。
彼はそれを忠実に守っている。
こういう選手は、実は意外に少ないんです。」
とのこと。
その他、
「投手がいい球を投げたら、ミットを動かすな。
すぐに返球するな。
ミットの位置をそのままにして、審判にしっかり見せた方が印象が良い。」
と指導を受け、それを忠実に守っているそうだ。
また、大学時代、
他大学である中央大学の高橋善正監督(ジャイアンツで中継ぎエースとして大車輪の活躍)に、
いち早く評価されていた。
評価のポイントは、
「レガース(すねの防具)の着脱が格段に早かった」
らしい。
投手を長く待たせない為に、
間の準備をテキパキと行うことは、
味方チームのリズムを崩さない為に、大変重要である、と。
それを肌で分かっている捕手は、
何が大切か?という基本が分かっている、
というわけだ。
もちろん、ヒットは打てなくとも外野フライはきっちり打つ、
肩は強くないがスローイングのスピードとコントロールでカバーするなど、
、
忠実なプレーがあっての事でプロにまで登りつめたのではあるが、
やはり、
「素直さ」
というのは、大変重要な「才能」である。
また、やはり最後は「基本」。
目立たなくとも、しっかりした「基本」は、
ちゃんとした人は、しっかり見ている。
いろいろ時代は変わり、
新たな情報が入り乱れようが、
歳は喰っても、
「基本に忠実に」
「素直に」
在りたいものだ。
捕手の大野奨太選手。
東洋大学卒の一年目から、試合の半分がスタメンマスク。
経験が重視されるポジションにおいて、
かなり珍しい現象である。
まして監督は名キャッチャーとして名を馳せた梨田監督。
どこが評価されての起用か?
新聞記事に、その秘密が出ていた。
日ハムのGMが云うには、
「決して突出した能力を持つ選手では無かったが、
よく勉強するし、監督の指示をよく守る。
例えばブルペンで、捕手は座ったまま投手へ返球する事が多いが、
梨田監督は、一球ごとに立って返球しろと云う持論。
それが基本であるし、足腰を鍛える事にもなる、というわけだ。
彼はそれを忠実に守っている。
こういう選手は、実は意外に少ないんです。」
とのこと。
その他、
「投手がいい球を投げたら、ミットを動かすな。
すぐに返球するな。
ミットの位置をそのままにして、審判にしっかり見せた方が印象が良い。」
と指導を受け、それを忠実に守っているそうだ。
また、大学時代、
他大学である中央大学の高橋善正監督(ジャイアンツで中継ぎエースとして大車輪の活躍)に、
いち早く評価されていた。
評価のポイントは、
「レガース(すねの防具)の着脱が格段に早かった」
らしい。
投手を長く待たせない為に、
間の準備をテキパキと行うことは、
味方チームのリズムを崩さない為に、大変重要である、と。
それを肌で分かっている捕手は、
何が大切か?という基本が分かっている、
というわけだ。
もちろん、ヒットは打てなくとも外野フライはきっちり打つ、
肩は強くないがスローイングのスピードとコントロールでカバーするなど、
、
忠実なプレーがあっての事でプロにまで登りつめたのではあるが、
やはり、
「素直さ」
というのは、大変重要な「才能」である。
また、やはり最後は「基本」。
目立たなくとも、しっかりした「基本」は、
ちゃんとした人は、しっかり見ている。
いろいろ時代は変わり、
新たな情報が入り乱れようが、
歳は喰っても、
「基本に忠実に」
「素直に」
在りたいものだ。
「最後の指先ですね。
そこんところに力を入れるだけです。
どうでも良いや、って、いい加減に投げるようにして、
ボールを切る瞬間の指先に力を集中させるんです。」
福岡ソフトバンクホークスの杉内俊哉投手の、
自分の投球を分析した言葉である。
どんなスポーツの動作でも、
実際の動きと云うのは、非常に複雑な動きの集合体である。
投球動作で云えば、上腕だけでも内旋、外旋、内旋…
と交互に訪れ、変化球によっては人差し指で切るか中指で切るか…
それに下半身の動きが加味されるので、
とても自分の意識で全て制御出来るレベルのものではない。
それを最初は、
意識下において反復し、
脳ー神経レベルで刷り込み作業(プリンティング)をし、
無意識下レベルまで昇華させたものが、
パフォーマンスとして発揮される。
つまり、全てを意識下でコントロールするなど、
不可能なのである。
だが、
そのインプットされた(プリンティングされた)情報を引き出す
「きっかけ」。
あるいは
「スイッチ」。
と言い換えても良いが、
そういう感覚が存在する。
人間が、感覚的に意識出来るのは、
最大で二カ所、基本的には一カ所であると思われる。
つまり、
訓練・鍛錬によって刷り込まれた動きのパターンが、
あたかもオートマチックの如く、自動的に引き出される「スイッチ」のような「呼び水」的な動作や感覚…
が、選手それぞれ、存在する。
つまり、
「それさえ意識すれば、
あとは特別に意識せずとも、勝手にオートマチック的に動いてくれるツボ」
があるのである。
これは、恐らく全てのスポーツに当てはまる。
本番に於いて、
意識する場所が多くなければならない選手は、
残念ながら一流にはなれない。
その、
「ツボ」。
「スイッチ」。
を見つけるのは、もちろ本人の鍛錬、
また、コーチの仕事である。
また、杉内投手の言葉で印象深いのは、
「いい加減に投げるように」
と云う表現である。
これを聞くと、一般の方は「?」と感ずるかも知れないが、
推察するに、これは
「脱力」
を意味する。
身体レベル、脳・意識レベル、に於いて。
ある意味、
「指先の感覚さえ意識すれば、
自分は良いパフォーマンスが出せる」
と云う、ある種の確信があるのであろう。
云ってみれば、
その感覚に従って、
あとは、
「余計なコトをしないだけ」
それを、「いい加減」と表現したに違いない。
杉内投手の、長きに渡る安定感の秘密が分かる、
大変貴重なエピソードである。
そこんところに力を入れるだけです。
どうでも良いや、って、いい加減に投げるようにして、
ボールを切る瞬間の指先に力を集中させるんです。」
福岡ソフトバンクホークスの杉内俊哉投手の、
自分の投球を分析した言葉である。
どんなスポーツの動作でも、
実際の動きと云うのは、非常に複雑な動きの集合体である。
投球動作で云えば、上腕だけでも内旋、外旋、内旋…
と交互に訪れ、変化球によっては人差し指で切るか中指で切るか…
それに下半身の動きが加味されるので、
とても自分の意識で全て制御出来るレベルのものではない。
それを最初は、
意識下において反復し、
脳ー神経レベルで刷り込み作業(プリンティング)をし、
無意識下レベルまで昇華させたものが、
パフォーマンスとして発揮される。
つまり、全てを意識下でコントロールするなど、
不可能なのである。
だが、
そのインプットされた(プリンティングされた)情報を引き出す
「きっかけ」。
あるいは
「スイッチ」。
と言い換えても良いが、
そういう感覚が存在する。
人間が、感覚的に意識出来るのは、
最大で二カ所、基本的には一カ所であると思われる。
つまり、
訓練・鍛錬によって刷り込まれた動きのパターンが、
あたかもオートマチックの如く、自動的に引き出される「スイッチ」のような「呼び水」的な動作や感覚…
が、選手それぞれ、存在する。
つまり、
「それさえ意識すれば、
あとは特別に意識せずとも、勝手にオートマチック的に動いてくれるツボ」
があるのである。
これは、恐らく全てのスポーツに当てはまる。
本番に於いて、
意識する場所が多くなければならない選手は、
残念ながら一流にはなれない。
その、
「ツボ」。
「スイッチ」。
を見つけるのは、もちろ本人の鍛錬、
また、コーチの仕事である。
また、杉内投手の言葉で印象深いのは、
「いい加減に投げるように」
と云う表現である。
これを聞くと、一般の方は「?」と感ずるかも知れないが、
推察するに、これは
「脱力」
を意味する。
身体レベル、脳・意識レベル、に於いて。
ある意味、
「指先の感覚さえ意識すれば、
自分は良いパフォーマンスが出せる」
と云う、ある種の確信があるのであろう。
云ってみれば、
その感覚に従って、
あとは、
「余計なコトをしないだけ」
それを、「いい加減」と表現したに違いない。
杉内投手の、長きに渡る安定感の秘密が分かる、
大変貴重なエピソードである。