先日、日本が誇る世界のトヨタが終身雇用を止めると記者会見した。日本企業で初めて売り上げが30兆円を超えたと決算発表してから数日後にだ。GDPに換算すると世界40位前後、フィリピン、パキスタン、チリに匹敵する企業である。

 

 今まで終身雇用してたのって驚かされた。そう言えば、リーマンショックでもリストラしなかった気がする。確か、世界恐慌でもしてないのかな?そのトヨタが人員削減を発表したのである。直接は言ってないが、間接的に。

 

 そして、昨日、日産自動車も大幅な減益で世界で4800人のリストラを発表した。日本の自動車産業は資本主義の最後の砦であると思う。東芝を筆頭とする家電はもう崩壊してる。その最後の砦がいよいよ壊れるのだ。それにとどめを刺すのは電気自動車という新しい技術である。

 

 これまでの自動車メーカーの命はエンジンである。低燃費高性能エンジンが日本車の強みであった。しかし、電気自動車になれば、そのエンジンが要らないのである。カギはモーターと電池となる。これまでの自動車メーカーの優位性は完全になるくなる。

 

 モーターのメーカーからモーターを買って、電池のメーカーから電池を買って、後は車体を作って載せれば出来上がりとなる。従って、自動車メーカーにはノウハウは要らないくなる。全ての部品を買って組み立てるだけ。それはプラモデルと同じでワシにだって出来ることだ^^;

 

 いつかは個人が好きな部品を買って自動車を好きなように組み立てる時代が来るだろう。そうなると、トヨタも日産もホンダも要らなくなる。という未来があるのだ。

 

 資本主義というのの怖いところは、全てを無くすということである。今あるモノを無くして新しいモノを作る。そして、それに人間たちは翻弄されるわけだ。しかし、全てを無くすという事は、資本主義そのものを無くすことにもなるのだ。

 

 資本とはお金のことである。人々は欲しいモノをお金で買うから資本主義が維持される。しかし、資本主義は良いモノを安く作ろうとする。何故ならば、そうしないと誰も買わなくなるからである。それがどんどん進んでいくと、死ぬまで壊れない良いモノが出来るのである。

 

 死ぬまではというのは大げさだが、相当な時間使えるモノが出来る。車だってそうだ。日本には車検制度というものがあり、買い替えさせようという仕組みになっているが、それでも、車の性能が上がった今日、一度買ったら10年は楽に乗れるようになった。

 

 日産が販売不振に喘いでいるのはそのせいなのだ。日産の経営が悪いのではない。資本主義が日産を苦しめているのである。こうしたことが全ての企業で起こる。良いモノを安く作ろうとする資本主義がそうさせるのである。

 

 その結果、人々はモノを買わなくても良くなる。それが今日世界中が苦しんでいるデフレ現象の実態なのである。つまり、何かが悪いわけではないのだ。何かを失敗しているからではないのである。資本主義というお金を使った社会システムの根本的なバグなのである。

 

 これを自滅の資本主義という^^;

 

 みんな学校で勉強してバカになっているから、こんな当たり前のことが分からない。そして、デフレだから大変だ。景気が悪くなると大変だと騒いでいるのである。

 

 何も大変なことはない。資本主義が終わるから次なる社会システムを構築すれば良いだけである。そんな当たり前のことすら東大出には分からないのである。