早期からの緩和ケアについてコメント欄でご質問頂きました。

 

ありがとうございます。

 

お答えしたいと思います。

 

白ねこ1413さまよりです。

 

「はじめまして


早期からの緩和ケアに大変興味があり
先生のブログをフォローさていただきました。


医療保険制度上治療している病院と、緩和ケア病院と2つの病院にかかるのは大丈夫なのですか?


また、早期の緩和ケア治療の内容を具体的に教えて欲しいです。私の『病院』という印象は対処療法で、お薬を処方する所という感じなのです。


また、自宅で看取りになる場合、入院になる場合と緩和ケア病院が異なってしまう事があるようですが、スムーズに病院を変える事が出来るのか?


早期から今後の自分の生き方を医師と話し合う事が出来て、途中で自分気持ちが変わった時はどう対応して頂けるのでしょうか?


わかりにくい文章ですみません
宜しくお願いします。」

 

コメント&ご質問ありがとうございます。

 

回答していきます。

 

 

★医療保険制度上治療している病院と、緩和ケア病院と2つの病院にかかるのは大丈夫なのですか?

 

→これは全く問題ないです。実際かけ持ちされている方も少なくありません。

 

さらに言えば、私が院長をしている医療機関はクリニックなので、治療「病院」と緩和ケアの「診療所」という場合もあります。

 

 

 

★早期の緩和ケア治療の内容を具体的に教えて欲しいです。私の『病院』という印象は対処療法で、お薬を処方する所という感じなのです。

 

→緩和ケアの外来では何を行っているのか、これについては研究論文があります【J Clin Oncol. 2018 Feb 23;36(11):1096–1102】。

 

 

つらい症状等があるならば緩和することが重要です。これが上の図の「症状マネジメント」

 

しかしそれだけではないことがわかると思います。

 

それぞれを簡単に説明すると

 

・コーピング支援        →病気とより良く付き合うための支援

・疾病理解支援         →病気や治療をより良く知る支援

・アドバンス・ケア・プランニング→今後の方向性や方針などを話し合う

・治療意思決定支援       →治療を意思決定することを支援する

・療養場所の調整        →ふさわしく希望に合った療養場所の情報提供と支援

 

要するに、患者さんをサポートする広範な手段を提供する場所が「緩和ケア外来」ということになります。

 

もちろん治療に関連した副作用がある場合には、その緩和策を情報提供したり、実際に緩和したりすることもあります。

 

そして、以前のブログでも触れましたように、様々な問題は突発して起こることもしばしばあるため、それに対して速やかに対処・支援を行うという特徴もあります。

 

過去の外来を振り返っても、これらの支援を通して、より良い治療にたどり着いたという場合もあります。つまりがん治療の良い結果に関係する支援を行ったということになります。

 

 

★自宅で看取りになる場合、入院になる場合と緩和ケア病院が異なってしまう事があるようですが、スムーズに病院を変える事が出来るのか?

 

→これが円滑に進むようにサポートするのが緩和ケアの医療者でもあります。

 

看取りというと終末期を想定されていると思いますが、そのような場合は特に緩和ケアに通じた医療者が関わることが大切です。

 

そのため、どのような方向性であっても、理想的には、緩和ケアに通じた医療者が関わってくれるように療養場所等を選択してプランを組み上げていくことが必要となります。

 

それは緩和ケアをよく知り、また誰が緩和ケアに通じているのかを知っている医療者だからこそできることでもあります。

 

 

 

★早期から今後の自分の生き方を医師と話し合う事が出来て、途中で自分気持ちが変わった時はどう対応して頂けるのでしょうか?

 

→決めたことが変わるというのは誰しもよくあることです。その時の希望に合わせて適切な支援・調整をするようにしています。

 

ただ、明らかに希望と裏腹な選択をしてしまっている場合(例;苦痛少なく生きたいと思っているのに、選んでいるのは怪しい治療のみ)は、専門家として、その選択が希望と異なる結果も招きうることはお伝えします。

 

 

このような形となります。

 

早期からの緩和ケアに関しては、以前時事通信の「緩和ケアが延ばす命」という特集に寄稿してこれがかなりまとまっていますので、興味がある方はぜひご覧いただけたらと思います。

 

緩和ケアが延ばす命

 

☓緩和ケアは末期だけ

☓症状がないから緩和ケアは必要ない

☓対症療法だから緩和ケア自体は生命・がん治療の結果には影響しない

☓緩和ケアは困った時だけかかるので良い

 

という過去の認識が変わると良いと思っています。

 

またご質問等ある方はぜひコメントお寄せ頂ければと思います(お答えできない場合はごめんなさい)。

 

それではまた!