交際相手にフェンタニルの貼付剤を貼り、その男性が死亡した件で様々な話が飛び交っています。

この薬(医療用麻薬)をがんの患者さんが痛み止めとして使用する場合は、少量から増やしますし、安全性も一般に高く、同件の様なことは起こさないです。

現在使用中の方も、その点安心して頂いて良いと考えます。

下記のYahoo!の記事にもコメントしています。

「フェンタニルの含有シールをよく処方する医師です。

このシールは医療用麻薬の貼付剤に属し「痛み止め」として使用します。がんの患者さんの痛みに対しては有効な鎮痛薬の一つで、珍しくなく、実際に痛みに関してよく効きます。

重要な点として、使用する場合、正当な方法としては少量から始め徐々に増量します。そのためここを誤解しないで頂きたいのですが、がんの患者さんの痛みに適切に使用する方法で、この事件のように命に関わったりすることは基本ありません。使用中の方は、その点、安心して頂いて良いです。

一方で、痛みがないような人に不適切な(例えば本例のようにいきなり複数枚も貼り付ける等の)方法での使用は呼吸を抑制し、危険です。

医療用麻薬は、当然のごとく、医師の指示のもとに正しく使用する限りにおいて安全な薬剤ですが、本例のような逸脱する方法を行えば、命に関わる場合もあります。不適切な使用は厳に慎むべきと考えます」