外科医の中山祐次郎先生が、小説『泣くな研修医』を発表されました。

 

 

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中山先生といえば、多分野で活躍されています。

 

中山祐次郎医師が踏み込む「医者の本音」から考える

 

Yahoo!のオーサーを務めておられ、

 

Yahoo!オーサーの中山先生のご紹介

 

様々なインターネットメディアに寄稿されています。

 

医師+まっとうな書き手であり、来週刊行される新刊『1分でも長生きする健康術』でも先生のことを紹介しています。

 

さて、先生といえばノンフィクションの本を出して来られましたが、今回は小説です。

 

拝読しましたが、270ページがあっという間に感じるくらい、飽きさせない本でした。

 

外科医なので、手術シーンはやはり真骨頂。

 

それも主人公の研修医目線であるのがまた面白い。

 

腹部(実際には腰部)の激痛に翻弄される研修医(私も経験があります!)や、

 

10代前半の女性だからといって重要な可能性を鑑別に挙げなかったことなど、

 

あるある話がふんだんに盛り込まれています。

 

それにしても感嘆したのは、研修医の感性の瑞々しさが、とうに研修医を修了した中山先生の筆致から立ち上ることです。

 

「そうだったなあ、確かにこんなふうに思った時期もあったなあ……」

 

と私も主人公・雨野隆治の感性にシンクロしました。

 

医師も、誰も、いつしか一人前になり、ベテランになっていきます。

 

昔の感性はどうしても薄れてしまうものですし、それが普通で、ベテランになるためには大切なことです。

 

けれども、見事に研修医らしさをすくい取ったところが、物書き中山祐次郎医師の感性だと思いました。

 

25歳大腸がんのイレウス症例には「オクトレオチドとステロイドを使ってあげて!」と緩和ケア医としてカンファレンスで言いたくなるほど(←職業病)一例一例の臨場感は、実際に診療に参加しているような気になりました

 

この感性と、そして現場をすくい取った筆致が同書の魅力だと感じました。

 

病院外来の待ち時間で読めば、いつもより早く呼ばれる(気がする)のが必至です。

 

よかったらぜひご一読を!

 

 

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