次々と医学部での入試の不正が明らかになっていますね。

 

医学部不正、3大学で同時会見…福大副学長「びっくり」

 

岩手医科大、金沢医科大、福岡大の3私立大が8日、一斉に各大学で会見を開き、医学部入試で「文部科学省から不適切な点があると指摘された」と公表した。

 

私も10月に一度背景を分析した記事をあげました。

 

医学部入試不正問題の深層

 

医学部は、女性などを差別するしょうもないところなのでしょうか?

 

私は誰かをかばう立場ではありませんが、状況からはひとえに今の病院としては欲しい「若い男性」を取りたかったということから、この問題の根は生じていると考えます。

 

そしてなぜ若い男性が欲しいかというと、長時間労働・人海戦術に不可欠になっているからです。

 

実はそうやって考えてくると、

 

◯診療報酬が病院経営上ぎりぎりなので、大学病院等は安価な若手医師に頼っている

 

◯病院に患者さんが溢れかえるくらいでないと経営が成り立たないことが、過重労働等の弊害をもたらしている

 

など、制度・構造的な問題も多いのです。

 

差別したくてたまらないからやったというよりは、そのような背景から生じていることが考えられます。

 

なお病院に患者さんが集中していることは、患者さん側にも不利益があります。

 

入試不正に関しては文科省の管轄する事案でしょうが、問題の根は厚生労働省の管轄にあります。

 

それなので、今回も文科省どまりの対策で終わってしまうかもしれませんね。医療現場の環境が受験生の選別に影響したことは間違いないと思いますが。

 

 

入試で不正を行って、現場が回せるような人を採る、というのではなく、公正に採っても回せる現場をまず作らねばならないと考えます。

 

そのためには患者さんの協力も必要です。

 

大学病院のある科に受診した際に、カーテンの向こうからこんな声が聞こえてきました。

 

「◯◯さんは、もう病気も良くなったので、街の先生に診てもらったほうが良いと思います。紹介しますね」

 

絶対イヤです!」

 

「えっ……?」

 

「ここが信頼できるので、ここにずっとかかりたいんです。私は嫌です。かかりません」

 

「……わかりました。でもこれからもお勧めすると思います。それはご承知おきください」

 

病院外にも熟練の医師はいるだろうに、と感じました。

 

 

日本は自由にどの病院でもかかれます。

 

それがゆえに患者さんの偏在が起き、特に病院は過重労働の温床にもなります。

 

そしてまた社会保障費の増大のために厳しく抑えている診療報酬も、過重労働の背景となっており、入試の担当者だけを責めて解決する問題ではないでしょう。

 

不正入試の根は深く、本気で改善するには全体に手を入れることが大切なのではないかと感じます。

 

医学部入試不正問題の深層

 

制度、病院の働き方改革、患者側からの意識の改革など、複合的な対策が、公正な入試とそれでも歪まない現場を構築するのに重要だと思います。

 

 

 

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