数年前。
40代女性の卵巣がんの患者さんに、緩和ケア医として長く関わりました。
ある時、彼女がおっしゃいました。
「卵巣がんって、新しい種類の抗がん剤はあまりないんですってね……」
そうなのです。
当時はアバスチンくらいしか、普通の抗がん剤に足す薬剤がなかったのでした。
彼女の場合はアバスチンが使えませんでした。
すると、分子標的薬の選択はありませんでした。
難治性の腹水もあったので、そのマネジメントには難渋しました。
2018年、新たな分子標的薬が選択肢に加わりました。
ハッシュタグに入れようとすると、すでに数多くのブログ主が話題に取り上げていることがうかがわれます。
その名はオラパリブこと商品名リムパーザ。
卵巣がんに使用可能となり、続いてがん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳がんにも承認されました。
医学的にその実力のほどは?
下記で解説しました。
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オラパリブ・ルカパリブ・ニラパリブ! リムパーザとBRCA、PARP
緩和ケアの専門家としては、無増悪生存期間中央値も気になりますが、症状緩和にどれくらい寄与するのかがより気になります。
これから後に続くルカパリブやニラパリブ、そして新薬同士の組み合わせで、腹膜播種に伴う諸症である難治性腹水や腸閉塞の緩和にも働くことを期待したいところです。
あの方たちが生存されている時に、これらの薬剤があれば。
そう何年経っても思うものです。
これからの方々に良い治療を提供すること。
それができることです。
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