早期緩和ケア大津秀一クリニックを開設し、まる2ヶ月が過ぎました。
私が予想していたよりも多くの方々に足をお運び頂き、深く感謝申し上げる次第です。
ありがとうございます。
「保険診療で完結する安い緩和ケアを知りたい」
そのようなお気持ちも理解できます。
そのため、これまでも「こうすれば保険診療の緩和ケアにかかれます」という方法は紹介してきました。
「外来で痛みや不安に真摯に向き合ってもらえない」どうするか? 3つの方法
緩和ケアを受けたい場合はこの5つの病院・医師 早期緩和ケア度と費用も掲載
安く済むならばそれに越したことはない、それは入院歴も複数回の手術歴もある、私はよく理解しています。
ただ一方で、相対的に安価である保険診療には、限界もあります。
かかりたい保険医療機関を自由に選べることも相まって、患者さんが集中する病・医院の待ち時間の長さや診察時間の短さは典型的な課題でしょう。
そのため、限られた時間で、基本的なことから十分に質問する時間はまずありません。
それなので、事前に情報収集しておかないと、医師の話していることがよくわからず診療が終わってしまうということも稀ではありません。
また、保険診療は、運に委ねられる部分があります。病院においてはどのような医療者に当たるかは運に左右されます。
それなので、当たり次第では早期から緩和ケアを受けられますが、そうではないこともままあります。
「全例緩和ケアを早期から受けられる仕組みを作ってほしい」「国全体で何とかしてほしい」と思うのが患者さんとしては当然だと思いますが、国は5年以上「早期から緩和ケアが適応だ」と訴え続け、しかし専門家は未だ少なく、また専門家でないと対処が難しいケースも多く、さらに慢性心不全が緩和ケアの対象に加わり、仕組みを作るための行政からの指示で業務量が増え続けるなど、「あまねく緩和ケアを」の取り組みが必ずしもうまくいっているわけではなく、行政に委ねれば100%解決する問題でもありません。
だからこそ、それを埋める受け皿が必要となります。そのために自院を設立したという経緯があります。
下の記事で、それについて記しました。
お一人お一人に十分な時間をかけることで、緩和ケアの力を最大限に引き出し、症状緩和に関しての最良の方針をともにお決めすることはもちろん、生活の質の向上や抑うつの予防、根治や長期生存という結果を目指していきます。
それを5~10分の外来で提供することは困難であるために、そうしているのです。
引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。