ひまわり先生の、残念なご報告。

 

国の政策が「診断された時からの緩和ケア」となり、緩和ケアの普及自体は多くの場所で語られています。

 

緩和ケア病棟・ホスピスも増えました。

 

しかしひまわり先生のご報告のように、問題ある緩和ケア病棟も存在することを漏れ聞きます。

 

緩和ケアは、人の力に負うところが大きいです。

 

医師が変わると、緩和ケア病棟は担当医師数が少ないこともあり、様相が大きく変わります。

 

資格というよりも、医師個人の想像性や発想力、共感力、協調力などで変化するのが緩和ケアと感じています。

 

もちろんそれに足る緩和知識や技術があるのは当然で、それは基本で、その上に仕事人としての総合力が求められます。

 

建前上は、医療者ならば誰でも緩和ケアを行うべし、となり、医師向け緩和ケア研修も拠点病院では強制的に多くの医師が受けることになり、

 

全体的には緩和ケアの普及は進んでいることにはなってはいます。

 

今回全国の医療者と連携するにあたり調べていますが、

 

「緩和ケア」を標榜している医療者の数は非常に多いです。

 

では全員が、正当な緩和ケアを施行できるのか、というとそれはないでしょう。

 

緩和ケアは元々専門家が少ない領域だったのですが、「初期的緩和ケアは誰でもできる」ことを目指した結果、緩和ができると表示している医療者自体は多く、その実そうなのか……? と思うケースも増えています。

 

緩和ケアの要素は実に幅広く、その全方位に力を有している本当の専門家はけして多くありません。

 

「緩和ケアができる」と一口に言ってもぜんぜんその程度は違うのです、と声を大にして言いたいところです。

 

 

確かに、緩和ケア資源(緩和ケア病棟・ホスピス、緩和ケア外来、在宅緩和ケア)が増えることは、それ自体は良いことです。

 

しかし、大学でも緩和ケアの講座が少なく、緩和ケア医が毎年相当数かつ安定数増えていくことがない状況で、緩和ケアを拡充させる方向に動いたため、相当な質のばらつきが生じました。

 

したがって、率直に言うと、とてもちゃんとした緩和ケアを実践していると言えないレベルの医療者でも、「緩和ケアをしている」と呼称することが増えています。

 

 

併診が前提の緩和ケアにおいては、本来少数の専門家に早い段階からコンタクトできるという解が有効なのではないかと考えたことも、クリニック開設の思いとつながりました。

 

ファーストコンタクトが専門家ならば、本当の緩和ケア医がどういうものなのかもわかってもらいやすいとも思います

 

皆様も、良き緩和ケアの実践医師の情報があれば、ぜひお声をお寄せください。

 

その声が、当該地域の後進の方を助けることになります。

 

(なお、直接声をお寄せくださった緩和ケアの専門家もいらっしゃいました。素晴らしい力量とすぐにわかったので、患者さんが当該地域ならばぜひ紹介したいと思います)

 

引き続きどうぞよろしくお願いいたします!

 

RESERVA予約システムから予約する