ひまわり先生のご指摘はまさしく「病院あるある」
待っている時間はとても長く感じるもの。
そんなときに、医療者の嬌声が聞こえてくれば・・・。
待っている側の気持ちを考えれば、聞こえ、見えるようなところで自分たちの私的内容での談笑はありえないです。
しかし、これがしばしばあるのですよね……特に病院全体の雰囲気がゆるんでいると。
そのようなところで病院も評価されますし、医療者一人一人の意識が重要ですね。
医療者の想像力と創意工夫で、できるだけ患者さんの負担を減らすことが大切です。
病院勤務時代の緩和ケア外来では、
待ち時間が長い外来を複数受診して、2時間オーバーで来られた患者さん(お顔もつらそうです)には、
ご意向を聞いて外来をさっと切り上げて(もちろん必要なことはすべて対応・説明し)早く帰れるようにしたり。
疲れ果てたお顔がパッと明るくなり、「ここではホッとするから長くても良いんですよ」と。
逆に、厳しい話を伝えられた後の緩和ケア外来は、それを事前に把握しておいて、病棟の仕事は早めから開始・終了して、その時刻には外来でたっぷり時間を取れるようにしたり。
感情を遮るものなく出せる場というものは大切です。特に重い現実と対峙する時には。
思いを吐き出せる場は、いずれの受け止めと、乗り越えてゆく力の源泉になります。
医師や医療者が忙しそうと患者さんが感じれば、思いはしばしば飲み込まれてしまいます。
その時間は、何があっても傍にいるという態度が、自由な表出を助けてくれます。
それが患者さんにとっての良い将来につながります。
暑い日は、昼過ぎの最も暑い時間になる前に帰れるように、緩和ケア外来では診察以外の時間は限りなく短縮したり。
一緒に働いていた緩和ケアの看護師たちの機転もさすがというところで、それら対応ができていたと思います。
医師にとってのパートナーたる医療者の機転次第で、医師も気持ちよく仕事ができたり、非常にストレスを感じたりもします。
打てば響くように言葉が伝わり、患者さんの状況に合わせた良い医療が提供できたときは、充実感があります。
1+1がマイナスになったり、1+1なのに5になったり。
それがチーム医療の大変さであり、醍醐味でもあります。
医師も良い医療者に恵まれてナンボで、その時には力をさらに発揮することができるものです。
意図がすぐに伝わり、チーム全体が有機的に動く、そのようなチームで働くことは、医師にとっても幸せがあります。
それを通して、患者さんに良い臨床を提供できることは医師にとってとても嬉しいことです。