緩和ケアについて一般の方にわかりやすく基本的な情報をお伝えする
今回は、進行した膵臓がんで
◯ 患者さんの希望時に緩和ケアを受診(★現在の日本での一般的なやり方に近いですね)
◯ 希望するしないにかかわらず定期的に受診
で比較した研究を紹介しました。
膵臓癌 早期からの緩和ケア外来介入・定期受診で余命の延長もある?
緩和ケア外来をしていて思ったこととして、
問題が大きくなってから、まず緩和ケア受診を「考える」(が、まだ早いなどと考えてすぐには受診しないことがよくあるケースです)、
あるいは、抵抗感がありつつも困っているので受診する、というやり方では、患者さんが苦痛を自覚する時間が長くなってしまうということです。
例えば痛みも著しくなると、脳等に大きな影響を及ぼしますから、症状緩和治療が一筋縄ではいかない……となることもあり、早め早めの対処が重要で、「予防」も緩和ケアの定義に含まれています。
不安も増えるだけ増え、自分やご家族にとって相当なストレスになってから受診するのと、早めに解消するのとでは、大きく異なると思われます。
海外の研究では、ある種強制的に患者さんに緩和ケア外来を定期的に利用してもらっているものが複数ありますが、内容は異なれどそれぞれに良い効果が示されていることを考えると、「困ったら緩和ケア外来を受診」というやり方から発想を転換していくことが大切かもしれません。
問題が起きたら緩和ケアに受診……というより、問題が起こらないように、あるいは問題が大きくならないように、転ばぬ先の杖としての緩和、それが良いと言えるのではないでしょうか。
問題が起きないようにするに越したことはないと思うのです。