先日、多発性骨髄腫の緩和ケアについて記載しました。
ある地域の方からメッセージを頂戴しました。
「知っている骨髄腫の方が亡くなりました。
入院中は痛みにひたすら苦しんだ生活だったようです。
痛み止めを使うと “習慣になる、意識がなくなる”と言われ、痛みと苦しみに耐えていたようです。
亡くなった後のお顔は、痛みから解放された安堵の表情を浮かべておられました。
生きている間に見たかった表情です」
……本当に、生きている間に見たかった表情です。
私は幸いにして、緩和ケアに理解がある血液内科医と仕事をして来たことは何度も述べている通りです。
正直な話、基本的な緩和ケア技術がある血液内科医+緩和ケア医でコラボすれば、上記のようなケースは非常に少ないです。
あるいは完全緩和はできなくても、痛みはそれなりに和らげることができます。
もちろん伝聞情報で断言することはできませんが、私の勤務先環境のように「緩和ケア医が併診していれば」、違ったのではないかと拝察します。
地方部等では(一概には言えないことは強調しておきます)、緩和ケア医がいないか、いても紹介に結びついていないこともあり、そのようなケースは特に、8月から開始する緩和ケアの提供場所を使ってもらいたいと思います。
2018年現在は、地域ごとにまだまだ緩和ケアの普及に著しい濃淡があります。
濃い場所においては、私の提供するものの必要性は相対的に下がります(ただし適切な緩和ケア提供場所を紹介することも重要な業務です。”緩和”を表示している医療機関は増えていますが、一般の方にはどれが本当に良い機関か等の判断が難しいだろうからです)が、そうではない地域においてはまだまだ緩和の名さえ知らない方もおられたり、あるいは知っていても終末期または縁遠いもの(近くにない等)で選択肢に挙がらないという現状があったりしますので、緩和ケアの並行支援が特に(潜在的に)必要となっているでしょう。
少しでも、頂いたメッセージのような現状を変えたいですね。