向日葵さん、つらいご記憶の中、お母様のエピソードのご紹介ありがとうございました。
まずは皆さん、リプログ記事に目を通して頂きたいと思います。
向日葵さんのお母様は、自己免疫性肝炎を患われ、胸水や息苦しさ、痛みに悩まれたそうです。
”母も 総合診療医に かかっていれば、痛みに苦しむことは 減っていたのかもしれません。”
と書いてくださっています。
総合診療医と書いてくださっています。手前味噌で申し訳ありません、こここそまさしく「緩和ケア医」です。
症状のプロフェッショナルの力がここで活かされます。
「肝硬変に進んでいるので 腹水なら分かるけど、何故胸水なのかと 主治医から言われたそうです」とのこと。
肝性胸水はけして珍しくなく、5~10%の肝硬変の患者さんに認めるとの見解もあります。
参考; Hepatic hydrothorax: An update and review of the literature(英文)
痛みも肝臓がんがなくても生じることは指摘されています。
とはいえ、私も10数年前の消化器内科医時代があるので、胸水や痛みに関して積極的にアセスメントし対処することの容易ではなさも存じています。
このようなケースこそ、緩和ケア医に(併診して)任せてほしいと思います。
合併する肝臓がんがない慢性肝炎や肝硬変の場合、緩和ケアチームは診療報酬が取れず、チームによっては介入が難しいかもしれません。
もちろんおかかりの病院の緩和ケア部門(緩和ケアチームや緩和ケア外来)で対応されるならば一番良いですが、
それが難しい場合は、早期緩和ケア相談も使えます。
多くの薬は、肝機能が低下している肝硬変症例では慎重な調節が必要となり、痛みや呼吸困難に効く医療用麻薬も例外ではありません。
メリットとデメリットのバランスを取って行う症状緩和にも知識と経験が必要です。
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