頂いたメッセージからのご紹介です。

 

(以下引用)

 

緩和ケア病棟が、非常に少ないことを当事者の家族になって初めて知りました。

患者本人も家族も、大変つらい思いを抱えているのに、病院に面接に行き、順番待ちを余儀なくされ、、、精神的に辛くなりました。病院単位ではなく、日本国として、どうにかしてほしいと思いました。

自宅で出来ればよかったのでしょうが、マンションに住んでいて、寝たまま主人を部屋に入れることも難しく、子供達も小さいので断念し、緩和ケア病棟の選択肢に頼るしかありませんでした。

緩和ケア病棟が増えるのを望んでいるのではなく、患者さんが減ることが一番いいのですが、、。

 

(以上引用)

 

がん患者さんのご遺族からの生のお声です。

 

緩和ケア病棟は以前より増えていますが、確かに潤沢というほどではありません。

 

私の勤務先の周囲でも、緩和ケア病棟ではなく、緩和ケア病棟を運営している病院自体(あるいは親会社等)の経営不振から、老舗の緩和ケア病棟が改組を余儀なくされる例が数件ありました。そんな問題すらあります。

 

私は治療病院で働いているので、他にも難しい要因を感じています。

 

それは、ぎりぎりまで治療を受けている方も相当いることです。

 

ぎりぎりまで治療を受けて、それから緩和ケア病棟を探すと、まず間に合いません。

 

一方で緩和ケア病棟は多くが、治療終了しなければ、面談してもらうことが難しいです。

 

治療が終了すると、短い月単位の余命の可能性がある。

 

しかし緩和ケア病棟の入院には月単位の時間がかかる。

 

これが間に合わない原因の1つです。

 

 

国も今年から、緩和ケア病棟の待ち時間の短縮を、診療報酬が高くなる要件の1つに加えています。

 

平均入院日数が少ないと診療報酬が高くなる仕組みも加わっており、全般的に緩和ケア病棟の回転をはやくする狙いのようですね。

 

また、在宅移行率が高いと、やはり診療報酬が高くなります。

 

ここから見える国の施策としては、緩和ケア病棟の入院を短くし、在宅移行を推進し、回転をはやくする、ということになっています。

 

これをどう思われるかは、それぞれのお立場から異なると思います。

 

私自身は比較的長い関わりも重要だと感じていることや、在宅移行がどうやってもでき難い方もいることから、一律に短期間入院を促進するこの施策にはあまり賛成ではない立場です(一方で待ち時間は短縮することにはなるでしょうから、良い点も悪い点もあります)。

 

このブログをご覧の方は一般の方も多いでしょうから、国がそういう施策を推し進めていることを知らない方もおられるのではないでしょうか?

 

それゆえ、緩和ケア病棟やホスピスでも、「長い入院は難しいです」としばしば言われるのは、そのような背景があるわけですね。

 

医療者がそういう信念だからそうなるのではなく、施策の影響を受けるのです。

 

 

様々な家庭状況がありますから、緩和ケア病棟で時間を過ごすことはけして悪いことではないと思います。

 

むしろそれが合っている方、ご家族も多々いらっしゃいます。

 

家だから最高、というわけではありません。

 

一方で、在宅医歴がある自分としては、在宅がとても向いている方がいることもまた感じています。

 

優劣はなく、どちらが適しているか、希望や過ごし方のイメージに近いか、それで判断されるべきところだと思います。

 

だからこそ、一律な「回転がはやいから良し」と施策で押し付けるやり方はあまり好きではありません。

 

ただ私は今、緩和ケア病棟勤務ではありませんから、緩和ケア病棟で働いている医師や看護師の皆さんのご意見も聞きたいところです。

 

 

メッセージを頂いたPさん、ありがとうございました。

 

順番待ち、本当に大変ですよね・・・。

 

現場も相当努力はしていると思いますが、それでも待つ側からすればそう思われるのも当然だと思います。

 

試行錯誤が各所で続いていると思います。良い方向に向かっていけばと願う次第です。