メッセージを頂戴しました。

 

 

(以下メッセージ)

 

先生の本を読み共感した○歳の主婦です。看取りの本で勇気付けられました。大学生の娘も共感し分かり易いと言ってました。


今、膵臓癌末期の主人と自宅に居ます。私も仕事を休み傍に居ますが、何も出来ず無力を感じ、ただ仕事を休みたいだけじゃないの?!みたいな落ち込みです。。。


主人は、居てくれるだけでいいんだよ、と言ってくれ私の方が有り難さを感じます。


常時痛みがあり横にもなれず本当に辛そうです。寝顔も苦顔です。さいご位思いきり寝かせてあげたい、心からの願いです。


容態急変も考えられるので自分は何をしたら良いか本当に苦しいです。

届くか分からないけど、吐き出すところが無くメールしました。

 

○県○市  

 

(一部改変しています)

 

大変な状況ですね・・・。

 

お気持ち深くお察し申し上げます。

 

 

膵臓がんの高度進行期の痛みはしばしば難治性です。

 

鍵は、医療用麻薬の使い方と、状況が許すならば熟達の麻酔科医による神経ブロックです。

 

当該の地域のものも載っている、緩和ケアを提供してくれる病院一覧のリンクを貼ります。

 

https://www.hpcj.org/list/relist.php

 

近くのホスピス・緩和ケアがある病院に連絡し、あるいは近くで在宅緩和ケアをしてくれる医師に介入をお願いすることも有効でしょう。

 

重いがんを患う患者さんのご家族はしばしば無力感にさいなまれます。

 

けれども、ご主人がおっしゃっているように、孤独に病や死と直面する人間にとっては「居てくれるだけでいいんだよ」の通りだと思います。

 

私は十分、ご主人がおっしゃるように、してほしいことをしていらっしゃると拝察します。

 

ご家族としてはおつらい時間だと存じますが、そばにいることは、重要な支えだと存じます。

 

私もよく、私たちの前では苦しそうでも、ご家族がそばにいると違う、というケースを拝見します。

 

先日も、長い時間痛みに苦しんでいた60代男性の患者さんが、これまでたくさん面倒を見て来た5歳のお孫さんの声の中で、穏やかに最後の時間を過ごされるさまを拝見しました。

 

しばしば最終末期の苦痛は取ってあげることは難しいです。しかしそれでも、大切な人がそばにあることで、間違いなく、いくばくか、いやそれ以上の緩和がもたらされているのです。

 

 

ただ”そばにいること”も一人だと大変でしょうから、すでにされていらっしゃるとは存じますが、他のご家族とも時間を分担し、事にあたるのが良いのではないかと思います。

 

ご主人や皆様の苦しみが少しでも和らぐことを願っております。