1CTP

 

 

何やら暗号のようですね。

 

 

1CTPとは1型コラーゲンCテロペプチドのことです。

 

 

・・・正式名称でも暗号みたいですね。

 

 

血液検査でわかるこの数値は、骨転移の診断補助や治療の経過観察で使われています。

 

 

乳がんや肺がん、前立腺がんで使われるのですが、最近乳がんの患者さんで興味深い事例をいくつか経験しました。

 

 

それは一般的な乳がんの腫瘍マーカーが、治療とともに下がっているのに、1CTPだけは漸増しているケースがあったのです。

 

 

そして患者さんは次第に強い骨痛を訴えられました。当該部位の骨病変の増悪が、画像上でも確認されました。

 

 

すると、骨以外の場所はがんに対する治療で抑えられている(効いている)が、骨病変にはあまり効いていないということが推測されます。

 

 

実際骨の痛みが増悪したため、疼痛緩和治療もより強化する必要が出て来て、最終的にはおおもとの治療も変更になっています。

 

 

いずれにせよ、患者さんが骨の痛みのような疼痛を訴え、この1CTPが高くなってきていれば、骨転移痛だとある程度の確度を持って言えるのではないかと思いました。もちろん画像での確認は不可欠ですが。

 

 

なお治療に関してですが、基本的なこととして、骨痛は炎症が強いので、併用できるならばNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、つまりロキソニンやボルタレンを併用したほうが良いです。

 

 

しばしばトラムセットやオキシコドンなどの単独で加療されていますが、これらのオピオイド薬だけにしてしまうと、力不足の場合があります。

 

 

先日も、オキシコドン60mg/日でもかなり痛かった患者さんが、ボルタレンSRを足すだけで劇的に症状緩和されました。

 

 

骨痛は、炎症を抑えることが重要になります。

 

 

ぜひ何らかの参考になればと思います。