「海外旅行を考えている際は教えて下さいね」
患者さんは目を見開かれます。
「え? 何か問題でも?」
「医療用麻薬を使っていますからね。事前に申請が必要です」
患者さんは驚き、そして頭をかかれます。
「え? 知らなかった! 実は少し前、海外には・・・」
他医にかかっていた患者さんは特に何も言われなかったとのこと。
無事で良かったと患者さん共々喜びました。旅行先がハワイであったことも幸いしたかもしれません。
医療用であっても、麻薬に関する厳しさは国ごとにそれぞれです。
知らずに無許可で持ち込むと大変な目に合うことがあり得ます。特にアジア~中東諸国は十分な注意が必要です。
人生における大事な時間に、もし捕えられでもしてしまったら、ダメージは計り知れません。
医療用麻薬や鎮痛薬を常用している方は、くれぐれも渡航前にしっかりと処方医に相談してください。
日本では医療用麻薬扱いではないからと言って、油断してはいけません。
例えば本邦では医療用麻薬指定ではないけれども、医療用麻薬と作用点が同じで、医療用麻薬と同様の注意が必要な薬剤があります。
熱心なブログ読者の皆さんや医療関係者の皆さんはわかりますね?
そうです。
トラマドールです。商品名としては、トラマール、ワントラム、トラムセットなどがあります。
先日、怖いニュースが飛び込んできました。
リンク先のものです。
https://netallica.yahoo.co.jp/news/20180103-39811530-techinq
エジプト人の恋人のために、それが危険なことと知らずにトラマドールを持ち込んだイギリス人女性が、なんと懲役3年の刑を言い渡されてしまいました・・・。
トラマドール290錠というとすごく多く感じますが、1日4回投与の製剤もあるので、それならば70日分くらいですね。
日本ではトラマドールは麻薬の指定にはなっていませんが、このようなことが起こりうるので、鎮痛薬等を常用している方が海外を渡航される場合には、事前に、ある程度期間の余裕を持って、医療者に相談することが重要です。
日本の出入国の許可だけではなく、旅行先国の出入国での許可も必要なので、当該国の日本における大使館などに問い合わせをして諸手続きを行う必要があります。
場合によっては、旅行先国があまりに厳格な場合には、旅行中だけ規制されていない鎮痛薬に切り替えて無事旅行を完遂できたというケースもありました。
「痛み止めを使いながら、やりたいことをする」その深まりと、それを円滑にする諸配慮の広まりを願う次第です。
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