がんの高度進行期の痛みはしばしば、内服や貼り薬の医療用麻薬治療に抵抗します。

 
 
痛みも日毎に変化しますので、内服薬や貼り薬での調節だと時間がかかるという場合があります。
 
 
在宅医の先生も、医療用麻薬の持続皮下注射や持続静脈注射を使いこなす先生もいれば、そうではない先生もいるようです。
 
 
ただ内服薬や貼り薬でマネジメントできなくても、持続注射薬ならばマネジメントできるという事例はしばしばあります。
 
 
一般には医療用麻薬の持続注射と聞くと、嫌がられる患者さんやご家族もいらっしゃいますが、必要な事例にはメリットが大きいです。当ブログでも何度かそれを紹介してきました。
 
 
注射薬だから副作用が強くなるわけではありません。
 
 
また注射薬で医療用麻薬の必要量を早く見つけやすく(タイトレーションといいます)、必要量が定まったらまた内服薬や貼り薬に戻すことができます。
 
 
追加投与の効きが、内服や舌下の追加投与よりも早いことも利点です。痛い時間をもっとも少なくできる手段です。
 
 
習熟してくると、痛みに合わせて、一時間の投与量と早送りの量を微調整するなど、決め細やかな量設定が行えます。また薬効が短い時間で評価できることも利点です。
 
 
 
つながれる等々と不人気な持続注射ですが、メリットは多々あり、私もがんの高度進行期の痛みのマネジメントに難渋している例は、持続注射化からのタイトレーションをよく行っています。
 
 
注射薬だと、副作用が強い、まるで最後、つながれ続ける…などのイメージに惑わされないことが大切です。
 
 
在宅緩和によく通じている医師は、医療用麻薬の持続注射を活用されているものです。
 
 
痛みで七転八倒になることを回避すべく、最善の医療を相談して受けることが好適ではありましょう。
 
 
持続注射の方法も専門書ではもちろん網羅しています。
 
 

 

 

 

 

 

痛みが少ない療養が誰にも供与されることを願っています。