Yahoo!のトップページ、しかもニューストップに数日前、受動喫煙防止の法案で「敷地内全面禁煙」になるところ、ホスピス・緩和ケア病棟では例外となることが検討されているとのニュースが取り上げられ、「それがトップニュースになるのだ」と驚きが少々ありました。

 

 

受動喫煙対策「ホスピス」例外を検討

 

 

それほど大きなニュースになるのだ、という驚きです。

 

 

日本ホスピス緩和ケア協会が昨年要望書を出しているので、それが受け入れられたとのことなのですね。

 

 

要望は3点ありますが、1と2は資料によると下記です

 

 

 

1.生命予後の短いがん患者が多数入院する病棟の現状から「原則建物内禁煙(喫煙室設置可)」として頂きたい。

 

2.患者が喫煙する場合は、看護師等の病棟スタッフは付き添わないことを原則とするように推奨して頂きたい。

 

 

www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou.../0000110201_2.pdf

 

 

上記資料によると、喫煙時の病棟スタッフの付き添いは「状況によって付き添う」が38 施設(42%)、「付き添わない」31 施設(34%)、「付き添う」22 施設(24%)ですから、付き添う施設が66%です。

 

 

すると今後も完全に付き添わないというのは難しそうな印象があります。

 

 

私はこれは本当に難しい問題だと捉えています。

 

 

残り時間が限られている患者さんの思いは叶えてあげたい。

 

 

けれども受動喫煙を厭う程度も人によってはそれぞれだと思いますので、付き添いが苦痛なスタッフもいることでしょう。

 

 

ゆえに要望の2は正しい要望だと個人的には思います。

 

 

インターネット上では、「そんなに元気ならば家に帰ったら」というような感想も目にしましたが、それは終末期の方への誤解があります。

 

 

日常生活の動作は次第に障害されますから、ベッド上の生活が中心となり、動くことがだんだんできなくなります。

 

 

残された「実行可能な」楽しみが喫煙だ、という場合もあります。

 

 

誰かの立場を一方的に擁護するわけではなく、この問題も世の中の様々な問題と同様に、一面的な見方では切り取れないものなのです。

 

 

ただ、Yahoo!のトップページのような目立つ場所で(なぜか?)取り上げられたことが影響したのか、あるいはその前から企図していたのか、日本禁煙学会が「緩和ケア病棟は、例外とすべきでない」とする要望書を厚生労働省などに提出したのだそうです。

 

 

受動喫煙防止「緩和ケア病棟を例外にしないで」「感情論排すべき」日本禁煙学会が要望

 

日本ホスピス緩和ケア協会の要望書で出しているように、付き添いがないのならばそれは良いような気がしますが、この立場からするとある種そうなのでしょうね。

 

 

記事の短いコメントからだけでは全文がわかりませんが、医学的・科学的な観点に立脚しつつも、(できる範囲で)感情に沿うことを多くの患者さんやご家族は求め、そして良心的な臨床医の多くはそうしているのではないかと思うのではあります。

 

 

医学的・科学的な観点にのみ立脚して、感情を排する姿勢は、むしろ時として、医師への批判の文脈で語られることであり、それは良いことなのかと。

 

 

皆さんはこのホスピス・緩和ケア病棟の喫煙の件、どう思われますか?

 

 

ご意見などあれば教えて頂ければ幸いです。