2日間の緩和ケア研修会が終わりました。



講師の先生方や、参加者の先生方、そして自院のスタッフの皆の協力のおかげで、今年も良い会となりました。



私の講義の担当部分は、今年改訂になった新しい部分で、患者さんの声を紹介し、全人的苦痛を把握するための基本的な事柄を紹介するものでした。



その中で、緩和ケアとは単に全人的苦痛の観点から苦痛を把握してそれらを緩和することだけではなくて、心の重荷やスピリチュアルペインを軽くし得る夢や希望を見つけられるように支援することに、簡単に触れました。



また問題解決型のアプローチだけでなく、ともに目標を見つけるアプローチを併用してゆくことについても述べさせて頂きました。



研修会を終え、家に帰ってきてTVをつけるとバンキシャ!が放映されており、そこで車いすのランナーである小島将平さんのことが紹介されていました。



昨日付の記事でそれとは別個にネットでも配信されているので、リンクを付しておきます。



「走り続けること」とは ~車いすランナー小島将平~



(以下同記事より引用)


社会人3年目の2010年秋、小島は骨肉腫という骨のガンを患い、翌年にガンの進行を防ぐために左脚を股関節から切断。退院後は、車いすで生活することになっていた。無論、ショックでないわけがなかっただろう。だが、彼にはある思いがあった。

「車いす生活になっても、やれることはあるはずだ。左脚がないなら、ないなりにできることをやっていこう」

この答えにたどり着くまでには、経験したことのない者には測り知ることのできない葛藤もあったに違いない。だが、いずれにしても、この時の小島は何か目標を見つけようとしていたことは間違いなかった。一度目標を立てると、それに向かって突き進む性格である小島にとって、車いす生活という新しい人生を自分らしく生きるために、新たな目標を見つけることは不可欠だった。


(以上引用)


まさしく目標が小島さんの走る新たな道を用意したのでした。


夢と希望が明日へ向かう力を与えたのだと思います。


2016年のリオ、2020年の東京を目指して努力を重ね、2014年は4種目で自己ベストを更新しました。


けれども同年末、肺転移でがんが再発しました。


今は抗がん剤治療を受けながらのレースです。


自己ベストからすると厳しい状況も余儀なくされているようです。



映像の後半、道を駆け抜けてゆく小島さんの姿を映し出していました。


疾走していました。


夢や目標というものが、どれだけ人を動かし、疾駆させるのか、そんな力を改めて感じました。