皆さん、こんにちは。大津です。



本当に情報をきちんと吟味しない
と命がなくなりかねない時代です。


本日の朝日新聞beの特集。





無駄な医療をやめよう


これは本当にその通り。


しかし……。





病院の勤務医は、検査等をたくさん
しても、一切給料は増えず、
逆に検査をしなくても給料は減らず、
「クビを締めかねない」ことは
全くありません。


もちろん私もできるだけ検査は
少なく、かかる医療費は最低限に
最大の効果に到達できるように
心がけています。


検査をする→医者のお金儲け
という誤解こそ、払拭されねば
ならない誤解なのに、「素朴な疑問」
とそれを流す。


少し表現が気になってしまいますね。



さて、問題はここから。


近藤さんをコメンテーターに起用。






「医者が自分の得にならないことを
するはずがない」


と近藤さん。


すると近藤さんもそうなんでしょうね……。


という指摘はさておき、
まず医師に対する負の感情がにじみ
出てくる文章にやや肌寒い印象です。


もう一度確認しておきますが、
近藤さんも医師なんですが。


まず、ちょっと偏向してるんじゃ
ないの?   と注意深い読者は
気がつくところです。とりあえず
朝日新聞さんはそのまま載せています。


そして後半のこの部分。


「子宮がん検診で寿命が延びたという
データはないのです」


皆さん、この文章はどう思われますか?


以前のブログでの「余談」(フォントが
小さい中ごろの部分)

http://s.ameblo.jp/setakan/entry-11950871521.html

をお読みくださった皆さんはきっと
お分かりでしょう。

                 
「子宮がん検診で寿命が延びたという
データはないのです」

にはあるテクニックが使用されています。


「子宮がん検診で子宮がん死が減った
というデータはないのです」

という文章ではないのです。


例えば


「交通事故死が減ったため寿命が
延びたというデータはないのです」


と書けば、そりゃそうだよね、
と直感的にわかると思います。


人は交通事故死だけで亡くなる
わけではないですから、1つの
死因が減っただけで、世の中の
人の寿命が統計的に意味がある
レベルで増えることはないわけ
です。


子宮頸がん検診の効果は
子宮頸がん死亡の低下で
見るものです。

しかしここでは寿命が
延びるデータはないと
書かれ、まるで検診の
効果がないかのように
印象づけるテクニック
が用いられているのです。

このように誤読を招く
文章をそのまま載せてしまう。

つくづくメディアも操られて
いますし、良質な情報を求める
読者もまた、嘲笑われているように
思えます。

こうしたテクニックを、メディアは
見抜かないといけないのでは
ないでしょうか?

当該の記事自体は良い内容だったので
とても残念です。


皆さんもどうかお気をつけください。

これに限らず、これで健康に
なる系の流行りの番組も眉唾物が
少なくありません。

情報氾濫社会は副産物をもたらしています。

大切なことは一人ひとりが、
詭弁や偏向した情報を見抜く
本当の賢さ(それは学力とは
関係ありません)を身につける
ことだと思います。


どうかお気をつけください。

それではまた。
失礼します。