皆さん、こんにちは。大津です。



「私もそう思う」というブログを見つけたので紹介します。


がんを体験された方のブログです(直接の面識はございません)。


今日はいい日、明日はもっといい日 本当のことと、そうでないこと


全文引用させて頂きますので、もし問題があればご連絡ください。



(以下引用)



大津秀一先生のブログで、気になるものを見つけたので、よかったら読んでください


近藤誠さんの、がんは「がんもどき」と「本物のがん」だから放置で良いという「がん放置療法」の弱点

アメブロ: http://ameblo.jp/setakan/entry-11950871521.html


近藤誠先生の本は、がん体験者なら誰もが気になったことがある1冊なのではないでしょうか?

特に「抗がん剤治療は受けるな」とか「がんは消える」とか何だか患者には嬉しいことも書いてます

でも、果たしてそうなのかな?って思う

厳しいステージの人でも抗がん剤で、がんが消えた話はよく聞きます

それを果たして、「そもそも、その人はがんではなく『がんもどき』だった」とはちょっと思えないことがある
第一、ほっとて亡くなったら元も子もないし

ただ、以前、ある雑誌で有名な先生と対談をしているのを読んだ時には、もっともらしいことを言われていたりしました

ちょっと難しいのは「抗がん剤でがんは消える」の定義がそもそも正しいのか?ってところがある

手術の後の追加治療においてそれは、あると思うけれど、そこそこ進行してからであれば
医師も「根治を目指すのではなく、延命のため」の抗がん剤だと思っている

そしたら、そこには消えることを目指してない訳だから、抗がん剤治療を受ける・受けないは患者の選択でもいいように思う

でも、手術後すぐの追加治療は別じゃないの?ってことになる


私がいつも感じる近藤先生の問題点は「正しいこと」と「正しいかもしれないこと」と「もしかしたら正しくないかもしれないこと」を
同じことのように書いていることじゃないのかな?って思う

最初の治療の方が受ける抗がん剤治療と、末期がんの人が受ける抗がん剤治療では同じ抗がん剤治療でも
意味合いがまったく違う。それをきちんと書いてないっというか、あやふやにしているのが「ずるい」って思う

患者は、がん専門医ではないし、がん患者であっても自分のがんがどういうものか理解していない人が多い

それなのに、がんをひとくくりのように思うようなタイトルだったり、内容を理解してなければわからないようなことを
わかりやすい言葉で書いてある←でも、そもそも「がんは個別医療である」ということは、なんかわからなくなっている

近藤先生の難しいところは、先生が日本でも有名な大学病院で、しかもがん専門医だった(現在は違う)ということだと思う

先生の経歴や勤務先などは、すべて正しい。

ところが、先生が本当の意味でがんをきちんと本に書いてあるかは、専門医にしかわからないということだと思います
あと、がんの専門医であっても婦人科や乳腺・肺など細分化されてあるので全てはわからない

私たちは、人を判断する時に知らない人であれば、その人の経歴を見て判断します

つまり、近藤先生に対しては「こんな立派な経歴を持っている、しかも現在も患者を診ている方が嘘をいう訳がない」ということです

しかも「正しいこと」や「正しいかもしれないこと」も一緒に書かれているので、それを専門医でもない患者が区別するのはとても難しいということです

私が講演会などで話を聞いてことがある、がん専門医(がんセンターの医師もいました)の悩みの中ではっきりと患者さんに
「正しい知識を持ってください。せっかく治る見込みがあるのに抗がん剤治療をやめないで」と言われた方もいます

名前を言われた方もいるし、濁した方もいました

でも、たぶん、今本当に患者さんと一緒に戦っている、最前線でいる医師はそう思っているように思います

たった1冊の本、たった1人の医師を信じるのではなく、今、実際に自分の目の前にいる先生を信じて欲しいと思います

それで、どうしても信じられなかったら「私は、あなたが信じられないから、治療を受けたくない」と言って
別の病院に行ってもいいと思います

もしかしたら、その先生が自分と合わないだけかもしれないし・・・

私は顔をみてもいない先生を信じるよりは、きちんと話をしてくれる先生の方が絶対に信頼できる気がします

生きるか死ぬかを考える病気なのに、いいことばっかり書いてる本なんて信用しないで欲しいと思っています


そして、何よりもその莫大な印税はがん患者のために生かされているんでしょうか?


(以上引用)


「私は顔をみてもいない先生を信じるよりは、きちんと話をしてくれる先生の方が絶対に信頼できる気がします」


まさにその通りです。


近藤さんよりも私よりも、かかっている先生とまず十分話をされてください。そして真摯に対応してくれた時は、その言葉を信頼してください。



これからのがん医療や慢性期医療は、患者さんと医師がよく話し合ってつくり上げてゆくものとなるでしょう。


医療界における希少性とは裏腹に、一般社会ではもはや近藤さんの主張は少数派ではなく、このブログの方が


「近藤誠先生の本は、がん体験者なら誰もが気になったことがある1冊なのではないでしょうか?」


「誰もが」と形容詞を使われるほどのものとなっています。


そして街の本屋に行けば、いかに正当な医療を行っている側の情報本が少ないか容易に理解できるものです。


医療界では少数派でも、一般社会ではむしろそれは少数派ではなく、そして100万部の本やテレビの影響力は強く、それは擁護が必要なものとは言えないでしょう。


むしろ正当な情報を実名で提供している先生がネットで中傷される時代です。擁護されるべきはそちらでありましょう。


そして過度に不信をあおる言説は、今、及びこれから、患者さんやご家族と医師が信頼関係を構築してゆくことが求められている時代に、障害となり得ることかもしれません。


またこれから医療界を担う若手や、現在の中堅のほうが(現場にいる時間が長いので。あるいは病院のがん医療を担う時間が長いので)、円熟期の先生方より、患者さんと医師の関係を過度に裂こうとする言説による困難な状況を経験しうる可能性が高いと言えましょう。


それを知っているからこそ、一般に向けて発信し続けている医師がいます。


『白い巨塔』財前五郎のモデル・94歳外科医である神前五郎先生があえて反論なさったのは、未来のことをお考えになってだと思います。
↓↓
がんもどき理論を撤回せよ 近藤誠医師×神前五郎医師の白熱大論争


旗幟を明らかにし、実名で主張を述べられ、何よりそれは未来の患者さんや医療者のことを思ってということが伝わり、私は感動しました。



医療には良い点と悪い点があります。


「これでがんが治る」という本も、「手術も検診も抗がん剤も悪」という本も、極端な一般化をしているに過ぎません。


「私は顔をみてもいない先生を信じるよりは、きちんと話をしてくれる先生の方が絶対に信頼できる気がします」


このようなお考えをお持ちの方が増えれば、きっと現場も変わってゆくと思いますし、ますます医師と相談して自分の望みに合致する方向を選ぶことができる方が増えるのではないでしょうか。


それでは皆さん、また。
いつもありがとうございます。
失礼します。