皆さん、こんにちは。大津です。



大垣日大が大逆転



という記事が出て、おっ岐阜が大逆転か(夏の甲子園です)



と喜んでいたら、相手はなんと故郷茨城の藤代高校でした。



初回8点も取り、10点までいったのにもかかわらず、8回裏に逆転されて、12対10で敗れたのです。
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藤代まさか…初回8点も逆転負け 菊地監督「平常心保てなかった」


本当に最後までわからないのが高校野球ですね。


6年間を過ごした岐阜の高校が勝ったというのはとても嬉しいことですし、素晴らしい逆転劇であったと思います。


一方で、逆転を喫して夏を終える故郷の球児の心も察せられます。


しばらくは悔しくてつらいと思いますが、どうか頑張ってもらいたいと思います。




ふと思ったのは、人生はプロ野球というよりも高校野球なのではないかということです。


気持ちが崩れれば、何点差があっても負けてしまいます。


それと同時に、最後まで自分を支える何かがあれば、何点差があっても負けることはないのです。


いや、一つの大切な試合に負けることだってあるかもしれません。


でも人生は試合の連続でしょう。気持ちが負けなければ、最後は勝てるかもしれません。


あるいは最後まで勝てなくても、一生懸命頑張ったことに、安易に勝てた時よりも深い満足を知ることができるかもしれません。負けたことに勝ったよりも感謝して、球場を去るかもしれません。


9回裏までわからないのが、人の生だと思います。



かくいう私も、ダルビッシュ投手や田中投手並みに勝つ(苦痛緩和で様々な手段を用いて圧倒的な力を発揮する)ことができれば良いのですが、手強い相手に力を発揮できないこともあります。


患者さんには申し訳ないと頭を垂れるしかないこともあります。


使える球種をすべて使っても、抑えきれないことがあるのが厳しい勝負の現実です。


しかしそこから何かをつかみ、より勝率をあげられればと試行錯誤しています。



おかげさまで、拙著『世界イチ簡単な緩和医療の本―がん患者を苦痛から救う10ステップ』が5000冊完売となり、新版を出せることになりました。





確かに医師から「読んでいますよ」と声をかけられることも増えていました。


ありがたいと同時に、責任を感じています。より純度を上げ、有効な治療法を提示するものに磨き上げる必要を感じました。


そこで新たに出た、優れた緩和医療の実践家や研究者、あるいは日本緩和医療学会の先生方が多忙な業務の間に力を注がれた素晴らしい緩和の本を複数改めて読み直し、今一度自らの治療を振り返りました。そしてこのたび無事に脱稿に至りました。


近い将来に皆さんにお届けできると思います。



軽くない病気の方々を支えるのは、けして楽ではないことであり、失敗すれば当然厳しく指摘され、成功しても当たり前で褒められることがないのがプロの世界であり、それは医療界も同じです(それでも患者さんやご家族はやさしいですが。しかしそれに甘えてはいけません)。


医療やケアのプロたちは皆そんな中で、様々な手段を次から次へと講じながら、厳しい状況を少しでも打開しようと努力していると思います。


そんな皆さんのもとに、ぜひとも届いてくれて、緩和の成功率が上がってくれればと願っています。



そしてまた夏に魂を燃やした球児たちも、一敗地にまみれたことにどうかくじけずに、それぞれの球を投げ続けて、あるいは打ち続けてほしいと思います。

今病に苦しまれている方やそれを支えるご家族の皆さんにも、そう願っています。


それでは皆さん、また。
失礼します。