【医>般】


先週日曜の朝日新聞で近藤誠さんと勝俣範之先生の記事が掲載されていました。
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勝俣先生はツイッター
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こちらです

で下記のように述べられています。


『近藤先生のこのハーセプチンねつ造(と主張していること<ブログ主注>)に対しては、国や、承認申請をした企業、各学会もきちんと反論、声明をすべきと思います。反論しないなら、国民は、「近藤先生が正しかったので、反論しないのではないか?と思ってしまいます。」』


私も同意見です。


以前メディカル・インサイトの社長日記を取り上げました。
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近藤誠医師の”抗がん剤は効かない”への処方箋


ここでも次のような提案がされています(以下引用します)。


2つのプレーヤーが反応してしかるべきと考える。1つは慶應大学医学部、もう1つは日本臨床腫瘍学会だ。


近藤医師の発言に関しては、多分に「慶應大学医学部」のブランドが信憑性を増している。「その辺の怪しげなクリニックの先生が言っているのではなく、慶應の先生が言っているんだから、間違いないだろう」とちょっと訳知り顔の人なら考える。


慶應大学はアカデミズムの本山としてそれで良いのか、という話だ。良くないのであれば、それを表に出すべきだ。


また、日本臨床腫瘍学会も「腫瘍内科医になるのだけはやめなさい」まで公開で言われているのだから、きちんと週刊文春や近藤医師本人に抗議すべきだし、本件に関する公式見解を速やかにプレスリリースすべきだろう。


(以上引用。なお週刊文春での誌上討論をうけてのブログ記事だったので、文春さんと近藤さんに、となっています)


これも同感です。

私も慶應大学さんは主張したほうがよいのではないかと思います。


例えば『日本の秘密』という本で副島隆彦さんはこう書かれています。

(以下引用。註も含めて本文のままです)

近藤誠医師が、癌医療の現場から整然とした内部告発を行った。(二〇一〇年の新しい註:遂に最後まで近藤医師を慶応大学病院放射線科の助手の身分のままに放置して、日本の医学界は彼を憎み続けた)近藤医師は、現在のガン医療の欺瞞に対して三つの点を指摘している。(1)効きもしない抗ガン剤開発と、(2)意味のないガン早期発見検査運動と、(3)患者の苦痛だけが大きいのに、末期老人にまで手術したがる医者たちの商売としての医道の内幕、この三つを見事に暴いた。(略)医師たちの団体は、自分たちの壮大な組織的悪事が露見することに心底おびえて、危機感をつのらせて、近藤いじめに奔走しているが、国民は既に事実に気づいてしまった。(p337~338)

(以上引用)

残念なことに、この陰謀論を目にしたのは副島さんの文章だけではありません。

ここまでの話が市井に流れているのです。反論しないといつしかこのような話が一般の方には事実だと思われてしまうのではないでしょうか? 慶應大学さんはこのささやかれている話に対して主張する、重要な役割を担っているのではないかと考えます。


また「科学的根拠に基づくがん検診」を推進している独立行政法人国立がん研究センターのがん予防・検診研究センターが「がんの早期発見が無意味」とされていることに対して主張したほうが良いのではないかと思います。


100万部の本というのは大変な影響力があるものだと思います。

すぐには現場で大きな影響がなくても、それぞれの専門性の立場から誤っているところを指摘せねば、それが時間を経る中で事実と受け止められてしまいかねません。

最終的に不利益を被るのは未来の患者さんということになってしまいます。


100万部の本と影響力、及びそれを堅く信じていらっしゃる方がいる中で、それに対して現在の最新の情報を伝えるということはけして楽ではないことです。

もう少し公平な情報を伝えようと実名で文章を出している先生方はネットで名前をあげられて中傷に近いような表現もされています。

勝俣先生やメディカル・インサイトの社長さんが示しているように、関係プレーヤー、特に団体がきちんとアクションしなくてはいけないと思います。本当の医療の情報を一般の方に知ってもらうためにと一生懸命声をあげている方々が多勢に無勢となって(個人攻撃されて)しまうことは避けなければいけないと思います。


主張すべきことは主張しなければ、誤ったことも真実になってしまいます。

正統な医療を行っている群及び団体からの、一般の方にもわかりやすい情報が提供されてほしいと願ってやみません。



昨日、当院から現在他院に出向している若手の先生から、患者さんの緩和について質問が来ました。

詳細な病歴報告によると、見事に症状マネジメントを為し、在宅移行後の最良の治療のためにメールして来たのです。

このように垣根低く他の科の医師と相談できる若手医師が増えてきていることはすばらしいことです。

最初から最後まで患者さんを苦痛緩和と傾聴で支えてゆく緩和ケアが広がることを願ってやみません。

そしてまた未来の患者さんや、未来を担う医師が手を取り合って進めるように、医師や医療に対する誤解をといてゆくのが上の世代の医師や、属する団体の仕事だと思うのです。私はもう若手ではありませんが、そのように若手医師を守ってくれることが未来を担う存在を支えることになるのではないかと思いますし、日本の医療を支え、そして未来の患者さんを支えることになるのだと思います。


それでは皆さん、また。
いつも読んでくださってありがとうございます。
失礼します。