皆さん、こんにちは。大津です。
週刊ダイヤモンド誌の最新号特集『頼れる病院』ランキング
↓↓
http://dw.diamond.ne.jp/category/special/2013-10-26
私の勤務する東邦大学医療センター大森病院は
東京1位
全国5位
という素晴らしい評価を頂きました。
私は東邦大学卒業ではないですし、キャリアを一般病院から開始するなど、勤務するまでとりわけご縁があったわけではありません。
しかしその比較的アウトサイドからの目で見ても、もちろん色々と至らぬ点はあるとは思いますが、中でも2つ大きく評価している点があります。
1つは看護スタッフが総じて熱心で、良いケアを行っている(私のこれまでの勤務歴の中での相対評価です)ということ。
もう1つは大病院でしばしば聞く、「ここは治療する病院なのでもう終末期ですから転院してください」という無理な退院勧奨が少ないこと。
もちろん先生方も優秀で親切ですが、とりわけ私は先の2点を自院ながら高く評価しています。
最後まで患者さんを支えようとする意思をしばしば感じ、嬉しくなります。
勤務する医療者の日々の努力の積み重ねが、今回の素晴らしい大きな結果につながったのだと感じています。
病院もブランド化が進み、名前や立地で良し悪しを判断されることが増えました。
しかし、名前に比べると実が伴っていない場合、名前をあまり知られていない割にいい場合など様々な状況があると思います。
私自身は東邦大学医療センター大森病院は(今回東京1位という素晴らしい評価を頂きましたけれども)もっと正当に評価されて良い病院だと思います。
もちろんこれから益々努力する点があることを皆自認しております。
いずれにせよ、良かったと思いました。
評価項目には「がん疼痛治療」と「外来緩和ケア」の項目があり、◯と×の評価があり、双方◯の評価を頂きました。
私たちの責任分野ですので、評価にホッとしました。
現在外来の緩和ケアも院内他科に既におかかりの患者さんのみ拝見しております。
大きい病院ですので、助けを求めていらっしゃる患者さんが多数おり、現状のスタッフでは外部の患者さんまで受け入れる余裕がないというのが一つの理由です。
それと、私は緩和ケアユニットはもっとどの病院も育たねばいけないと感じています。当ブログのメッセージボードの「緩和ケアのかかり方」に記したように、おかかりの病院で治療と並行して緩和ケアを受けることをまず第一とするのが良いでしょう。
緩和ケアユニットは紹介が増え、経験を積み重ねることで育ちます。
そのためには、もちろん医療者の努力が必要なことは論を俟たないですが、患者さんやご家族の声も必要です。
またヨミドクターの連載で取り上げますが、緩和ケアにかかりたい、という声が、おかかりの病院の緩和ケアユニットを育て、また緩和ケアにかけようとする医療者が増える原動力となります。
個人的な意見ですが、私は全ての病院に当てはまる緩和ケアユニットの育て方のゴールデンスタンダードはないと思います。
それぞれの病院で、それぞれの緩和ケアユニットの担い手が、病院の上層部を巻き込んで、あるいはがん治療のキーパーソンに協力してもらって、それぞれの病院にふさわしい形を作り上げるべきだと思います。
私の病院は主治医と私たちチームが協働して、治療に当たります。
以前某学会に参加した時に、がん治療医が非常に緩和ケアに長けている、しかも緩和ケアチームも腫瘍内科が運営しているという病院の発表があり、極めて高い評価を得ていました。
ただそういう事例は私は少ないと思います。
一人の医師が優れた腫瘍治療と緩和医療を両方できるというのはスーパーマンで素晴らしいと思いますが、そういう恵まれた環境はなかなか難しいでしょう。
私はそれと同じくらい、異なった価値観を持つ主治医と緩和医療チームが協働して、患者さんにとっての最良を探してゆく姿は素晴らしいと感じます。
緩和医療医は時に「上から目線だ」などと言われますが、違う視点を持って、時に患者さんの思いやご家族の思いからすると、よりこうしたほうが良いのではないかと伝えると、場合によってはそのように言われてしまうこともあります。
けれども私はその考えは間違いだと思います。見ているところが違うのですから意見が異なって当然です。それを患者さんにとっての最良は何かということをそれぞれが考え、相談を深め、良い選択をしてゆくところに素晴らしさがあるのではないかと思います。
アドバイスを「上から目線だ」などと厭う習慣をやめて、手を携えて歩んでゆくべきです。そしてそういった事例こそ、スーパーマンの腫瘍内科医+緩和医療医が行う医療と同等に素晴らしことなのではないかと私は考えています。
全国でもっと素晴らしい病院が増え、素晴らしい緩和ケアがなされることを願ってやみません。
それでは皆さん、また。
台風が迫っていますね。どうかお気をつけて。
失礼いたします。
週刊ダイヤモンド誌の最新号特集『頼れる病院』ランキング
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私の勤務する東邦大学医療センター大森病院は
東京1位
全国5位
という素晴らしい評価を頂きました。
私は東邦大学卒業ではないですし、キャリアを一般病院から開始するなど、勤務するまでとりわけご縁があったわけではありません。
しかしその比較的アウトサイドからの目で見ても、もちろん色々と至らぬ点はあるとは思いますが、中でも2つ大きく評価している点があります。
1つは看護スタッフが総じて熱心で、良いケアを行っている(私のこれまでの勤務歴の中での相対評価です)ということ。
もう1つは大病院でしばしば聞く、「ここは治療する病院なのでもう終末期ですから転院してください」という無理な退院勧奨が少ないこと。
もちろん先生方も優秀で親切ですが、とりわけ私は先の2点を自院ながら高く評価しています。
最後まで患者さんを支えようとする意思をしばしば感じ、嬉しくなります。
勤務する医療者の日々の努力の積み重ねが、今回の素晴らしい大きな結果につながったのだと感じています。
病院もブランド化が進み、名前や立地で良し悪しを判断されることが増えました。
しかし、名前に比べると実が伴っていない場合、名前をあまり知られていない割にいい場合など様々な状況があると思います。
私自身は東邦大学医療センター大森病院は(今回東京1位という素晴らしい評価を頂きましたけれども)もっと正当に評価されて良い病院だと思います。
もちろんこれから益々努力する点があることを皆自認しております。
いずれにせよ、良かったと思いました。
評価項目には「がん疼痛治療」と「外来緩和ケア」の項目があり、◯と×の評価があり、双方◯の評価を頂きました。
私たちの責任分野ですので、評価にホッとしました。
現在外来の緩和ケアも院内他科に既におかかりの患者さんのみ拝見しております。
大きい病院ですので、助けを求めていらっしゃる患者さんが多数おり、現状のスタッフでは外部の患者さんまで受け入れる余裕がないというのが一つの理由です。
それと、私は緩和ケアユニットはもっとどの病院も育たねばいけないと感じています。当ブログのメッセージボードの「緩和ケアのかかり方」に記したように、おかかりの病院で治療と並行して緩和ケアを受けることをまず第一とするのが良いでしょう。
緩和ケアユニットは紹介が増え、経験を積み重ねることで育ちます。
そのためには、もちろん医療者の努力が必要なことは論を俟たないですが、患者さんやご家族の声も必要です。
またヨミドクターの連載で取り上げますが、緩和ケアにかかりたい、という声が、おかかりの病院の緩和ケアユニットを育て、また緩和ケアにかけようとする医療者が増える原動力となります。
個人的な意見ですが、私は全ての病院に当てはまる緩和ケアユニットの育て方のゴールデンスタンダードはないと思います。
それぞれの病院で、それぞれの緩和ケアユニットの担い手が、病院の上層部を巻き込んで、あるいはがん治療のキーパーソンに協力してもらって、それぞれの病院にふさわしい形を作り上げるべきだと思います。
私の病院は主治医と私たちチームが協働して、治療に当たります。
以前某学会に参加した時に、がん治療医が非常に緩和ケアに長けている、しかも緩和ケアチームも腫瘍内科が運営しているという病院の発表があり、極めて高い評価を得ていました。
ただそういう事例は私は少ないと思います。
一人の医師が優れた腫瘍治療と緩和医療を両方できるというのはスーパーマンで素晴らしいと思いますが、そういう恵まれた環境はなかなか難しいでしょう。
私はそれと同じくらい、異なった価値観を持つ主治医と緩和医療チームが協働して、患者さんにとっての最良を探してゆく姿は素晴らしいと感じます。
緩和医療医は時に「上から目線だ」などと言われますが、違う視点を持って、時に患者さんの思いやご家族の思いからすると、よりこうしたほうが良いのではないかと伝えると、場合によってはそのように言われてしまうこともあります。
けれども私はその考えは間違いだと思います。見ているところが違うのですから意見が異なって当然です。それを患者さんにとっての最良は何かということをそれぞれが考え、相談を深め、良い選択をしてゆくところに素晴らしさがあるのではないかと思います。
アドバイスを「上から目線だ」などと厭う習慣をやめて、手を携えて歩んでゆくべきです。そしてそういった事例こそ、スーパーマンの腫瘍内科医+緩和医療医が行う医療と同等に素晴らしことなのではないかと私は考えています。
全国でもっと素晴らしい病院が増え、素晴らしい緩和ケアがなされることを願ってやみません。
それでは皆さん、また。
台風が迫っていますね。どうかお気をつけて。
失礼いたします。