皆さん、こんにちは。大津です。
新刊の
『間違いだらけの緩和薬選び ~世界一簡単な緩和薬の本~』
![$大津秀一 オフィシャルブログ 「医療の一隅と、人の生を照らす」 Powered by Ameba](https://stat.ameba.jp/user_images/20130613/19/setakan/c8/04/j/t02200313_0382054412574522842.jpg?caw=800)
について引き続き説明をします。
まずこの本は最近一部で流行っている、虚偽の内容の医療暴露本ではありません。
「緩和医療の世界では、こういう間違った処方が為されている」とあおるような本ではありません。
ではどういう内容か。
ご存知のかたはご存知だと思うのですが、『間違いだらけのクルマ選び』という本にヒントを得た本です。
なお、『間違いだらけのクルマ選び』の著者は徳大寺有恒さんで、私の出身高校(茨城県立水戸第一高等学校)の大先輩です。
以前も記しましたように、『間違いだらけのクルマ選び』は客観性と、それに裏打ちされた著者の意見のバランスに特徴があります。
例えば多くの車雑誌は、新商品には褒め言葉が多いです。しかし『間違いだらけのクルマ選び』では、良くない点は率直にそれを指摘しています。
その精神を活かして、拙著に盛り込みたいと考え、名付けた本です。
告発本でも、非難本でもなく、過激な本でもありません。
一方で、緩和医療の初学者や中級者が、実践でしばしばはまりやすい陥穽があります。
緩和医療の分野も日進月歩です。
前著『世界イチ簡単な緩和医療の本』の数年前から薬剤はさらに進化し、また使い方も少しずつ変わっています。
例えば本の帯に記してあるように
「医療用麻薬をどんどん増やせばたいていの痛みは必ず取れる」
「予後数日でも、苦痛緩和の中心は医療用麻薬である」
「鎮静は必ず持続的鎮静で開始する」
などは、新しい治療では正確とは言えません。
ところが、やはり緩和分野は専門家が少なく、一般臨床医の先輩や上司の先生から教わったことが身に付いていることがしばしばでしょうから、そして緩和分野に詳しい医師ばかりではありませんから、上記のような考えを基盤にした処方がまだまだ認められているのが実情です。説明内容がちょっと前に流布していたものである場合もしばしばあります。
おかげさまで、私が勤務している病院では、若手を中心に私の処方をみて、どんどん真似してくれて、病院全体として処方の傾向が最新のものに変化してきています。
けれども、正直まだまだです。専門外のことだとなかなか新しい知識を手に入れて、実践に供するのは難しいのです。
ゆえに、きっと専門家がいない病院はもっとそうだと思います。
だからこそ、実践で使える、現場で役立つ本が必要と思い、この本を書きました。
「医療用麻薬をどんどん増やせばたいていの痛みは必ず取れる」
「予後数日でも、苦痛緩和の中心は医療用麻薬である」
「鎮静は必ず持続的鎮静で開始する」
の他にも間違いはたくさんあります。誤解もあります。
これらを数多く挙げました。
読んでくださった方がそれらの陥穽にはまらないようになることを約束したいと思います。ぜひとも一般臨床医の先生に読んで頂きたいと願っておりますし、土に水がしみ込むような吸収力を持つ若手医師にはご一読願いたいと思います。
そして専門家の一意見の域ではありますが、臨床上に緩和医療が必要な時期を3つに分けました。
①症状の中心が疼痛の時期(推定余命月単位以上)
②疼痛以外の苦痛が出現する時期(推定余命月単位~週単位)
③推定余命が数日の時期
それぞれの時期にふさわしい薬剤を指摘しています。また在宅で使用可能かどうか、皮下注射が可能かどうかなども網羅しています。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆さん、また。
いつもありがとうございます。
失礼します。
新刊の
『間違いだらけの緩和薬選び ~世界一簡単な緩和薬の本~』
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について引き続き説明をします。
まずこの本は最近一部で流行っている、虚偽の内容の医療暴露本ではありません。
「緩和医療の世界では、こういう間違った処方が為されている」とあおるような本ではありません。
ではどういう内容か。
ご存知のかたはご存知だと思うのですが、『間違いだらけのクルマ選び』という本にヒントを得た本です。
なお、『間違いだらけのクルマ選び』の著者は徳大寺有恒さんで、私の出身高校(茨城県立水戸第一高等学校)の大先輩です。
以前も記しましたように、『間違いだらけのクルマ選び』は客観性と、それに裏打ちされた著者の意見のバランスに特徴があります。
例えば多くの車雑誌は、新商品には褒め言葉が多いです。しかし『間違いだらけのクルマ選び』では、良くない点は率直にそれを指摘しています。
その精神を活かして、拙著に盛り込みたいと考え、名付けた本です。
告発本でも、非難本でもなく、過激な本でもありません。
一方で、緩和医療の初学者や中級者が、実践でしばしばはまりやすい陥穽があります。
緩和医療の分野も日進月歩です。
前著『世界イチ簡単な緩和医療の本』の数年前から薬剤はさらに進化し、また使い方も少しずつ変わっています。
例えば本の帯に記してあるように
「医療用麻薬をどんどん増やせばたいていの痛みは必ず取れる」
「予後数日でも、苦痛緩和の中心は医療用麻薬である」
「鎮静は必ず持続的鎮静で開始する」
などは、新しい治療では正確とは言えません。
ところが、やはり緩和分野は専門家が少なく、一般臨床医の先輩や上司の先生から教わったことが身に付いていることがしばしばでしょうから、そして緩和分野に詳しい医師ばかりではありませんから、上記のような考えを基盤にした処方がまだまだ認められているのが実情です。説明内容がちょっと前に流布していたものである場合もしばしばあります。
おかげさまで、私が勤務している病院では、若手を中心に私の処方をみて、どんどん真似してくれて、病院全体として処方の傾向が最新のものに変化してきています。
けれども、正直まだまだです。専門外のことだとなかなか新しい知識を手に入れて、実践に供するのは難しいのです。
ゆえに、きっと専門家がいない病院はもっとそうだと思います。
だからこそ、実践で使える、現場で役立つ本が必要と思い、この本を書きました。
「医療用麻薬をどんどん増やせばたいていの痛みは必ず取れる」
「予後数日でも、苦痛緩和の中心は医療用麻薬である」
「鎮静は必ず持続的鎮静で開始する」
の他にも間違いはたくさんあります。誤解もあります。
これらを数多く挙げました。
読んでくださった方がそれらの陥穽にはまらないようになることを約束したいと思います。ぜひとも一般臨床医の先生に読んで頂きたいと願っておりますし、土に水がしみ込むような吸収力を持つ若手医師にはご一読願いたいと思います。
そして専門家の一意見の域ではありますが、臨床上に緩和医療が必要な時期を3つに分けました。
①症状の中心が疼痛の時期(推定余命月単位以上)
②疼痛以外の苦痛が出現する時期(推定余命月単位~週単位)
③推定余命が数日の時期
それぞれの時期にふさわしい薬剤を指摘しています。また在宅で使用可能かどうか、皮下注射が可能かどうかなども網羅しています。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆さん、また。
いつもありがとうございます。
失礼します。