皆さん、こんにちは。大津です。


桜が満開ですね。





『がんワクチン治療革命』 
中村祐輔教授著を読みました。

私は必ずしも希望は
治療継続にのみあるとは思い
ません(正確に言うと、希望を治療
継続に持ち続ける方もいるし、そう
ではない方もいると思います)が、
学びとなる情報が複数ありました。



ペプチドワクチン療法などの
特異的な(がんめがけて作用する)
治療以外の免疫治療の効果は期待し
得ないこと。

活性化リンパ球療法
NK細胞療法
樹状細胞療法
<これらは「非」特異的治療>
の効果は疑問符であり、ペプチド
ワクチン療法とは違うということ
が述べられています。

確かに(何回も行うことで)
数十万や数百万という
値段が付けられている
上記三者の効かない例はそれこそ
多数見聞きして来ましたので
「それとは違う」とはっきり
仰ってくださるので、少し期待が
芽生えます。

前掲書では
上記三者のような科学的根拠の
少ない治療など含めて、快刀乱麻
にばっさばっさと今の日本のがん
医療の諸問題を切って下さっているので、
さすがだと思います。

ただ現実には
ペプチドワクチンを受けられる
医療機関も少ないようで、かつ代金を
自費で払わねばならないところもある
ようで、まだまだ状況は厳しそうですね。

いずれにせよ、医療者の皆さんにも
最新の免疫治療について知る佳書だと
思います。興味があれば読んでみては
いかがでしょうか?

それにしても
巻末に、中村先生が仕事場の壁に
貼ってらっしゃるという「逆説の10カ条」
ーこれはマザー・テレサも貼っていたそうですー
がまさしくその通りと痛感しました。


1.人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
それでもなお、人を愛しなさい。

2.何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

3.成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
それでもなお、成功しなさい。

4.今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
それでもなお、良いことをしなさい。

5.正直で率直なあり方は、あなたを無防備にするだろう。
それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

6.もっとも大きな考えをもったもっとも大きな男女は、もっとも小さな心をもったもっとも小さな男女によって撃ち落とされるかもしれない。
それでもなお、大きな考えをもちなさい。

7.人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていかない。
それでもなお、弱者のために戦いなさい。

8.何年もかけて築いたものが、一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築きなさい。

9.人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
それでもなお、人を助けなさい。

10.世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。

ケント・M・キース


箴言です。

中村先生が掲げるお気持ちの一端が
理解されようものです。


また一週間、頑張って参りましょう!
失礼します。