皆さん、こんにちは。大津です。

$大津秀一 オフィシャルブログ 「医療の一隅と、人の生を照らす」 Powered by Ameba

写真は完全に満開ではないですが、
満開宣言が出ましたね。

もう満開です。早い。早すぎます。


3月末で、職場を辞める方の報も
相次いでいます。

お疲れさまでした。そして新たな
場所で、諸事うまくいきますように。


近くのレストランに、挨拶がとても
良い若手職員が一人いました。

声かけ、笑顔、機転、群を抜いて
いました。

いい模倣が伝播して、彼のやり方が
店全体の雰囲気に影響していました。

いつの間にか彼がリーダー的な存在に
なり、店には様々な飾り付けの工夫
まで随所に感じ取られました。

数年前の春、彼は独立していきました。

するとレストランの雰囲気も、
「普通」あるいはそれ以下になって
しまいました。

どんどんスタッフたちの
気持ちのいい挨拶、気持ちの
いい発声、笑顔、機転が減っていって
しまったのです。

今や飾り付けもありません。

彼の遺産は使い果たしてしまったのです。
'たった一人'の彼が去った影響はあまりに
大きかったのです。


逆もあります。

ある職場は、ある一人の職員のために
ぼろぼろになりました。

ある職員は不和のタネを撒き散らし、
お互いを疑心暗鬼にさせ、
内部崩壊に導きました。本人は
辞めていきましたが、残されたのは
ぐちゃぐちゃになった人間関係でした。
それでもその職員が去った後は、
少しずつ改善の兆しが見えました。

人の関係は、こんなに簡単に壊れて
しまうという厳しい現実を目の当たり
にしました。


ただ言えることは、
良き習慣の伝播は時間がかかり、
悪いそれはすぐに広まる、という
ことです。


最近、あるラーメン屋に行くと、
雰囲気が明らかに良くなっていました。
その雰囲気の中心に、笑顔の職員が
いました。

「いらっしゃいませ!」
気持ちいい挨拶と笑顔、てきぱきと
仕事をしつつ、小さな子供にも気さくに
声をかける職員が一人新しく増えていたのです。
既に彼の良い影響が周囲に及んでいるようでした。

あるいは私が普段よくみている医療現場。

ある病棟が、一人の看護師の影響で変わる
ことはあります。ましてや看護師長が
素晴らしい師長だと激変することもあります。
最近も、素晴らしい師長の着任後に徐々に
病棟の雰囲気が変わり、若手がとても
素晴らしいケアを為すようになったさまを
目の当たりにして驚きました。

面白いのは、看護師長など管理者の場合、
看護師としての技能が極めて優れていたり、
管理しようとする意思がとりわけ強いという
場合だったりに必ずしも後進の成長につながる
わけではないことです。

人格的に優れていて、また現場を気持ち良く
動かすのに優れ、かつ締めすぎないバランス型の
管理者のもとで、優れた後進が育つことがよく経験
されます。

なお、医師の管理者にも当てはまります。

様々な職場を経験すると、そんな組織のあれこれ
が見て取られて興味深いものです。


この季節、多くの方が、新天地に旅立たれること
でしょう。
それぞれの地で、立派に花を咲かせる、そして
周囲に良い影響をどんどん与えてくれる
素晴らしい”たった一人”であってください。
旅立たれる皆さんが、新たに根付く土地で
どうか一隅を照らしてください。


満開を迎えるということは、散るのを待つということ。
つかの間、それができるだけ長くあるよう。


それでは皆さん、また。
いつも読んでくださってありがとうございます。
失礼します。