皆さん、こんにちは。大津です。


東京は昼間の日差しに
ほのかな春を感じるようになりました。


3月は春ですものね。


すっかりそういう生活から縁遠くなりましたが
3月は本来別れの季節。

当院でも何人かの有能なスタッフが卒業して
いきます。

季節感が時としてあまりない(365日
忙しい)医療現場でも、感じるものがある
時です。



最近「ありがとう」という言葉がとても
心に響きます。


それで思い立って

「ありがとう」、カチッ

と検索してみました。


そうそう、いきものがかり。

上から3つ目に出てきたのが、
いきものがかりの「ありがとう」でした。


久々に聞いてみると・・

いい歌詞ですね。

皆さんも良かったらYouTubeなどで
カチッとして確認してみてください。

なお、歌詞のリンクはこちらです。
↓↓
http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND92968/index.html

2010年、今から3年前の
言わずもがなの「ゲゲゲの女房」の
歌詞ですね。


いい歌詞は、ふとした瞬間に何かの気付きを
与えてくれる。
「あるある」という頷きを誘ってくれる。

そう思っている私からすると、聴き返した
いきものがかりの「ありがとう」はまた
新しい気付きを与えてくれました。


最終末期になり、言葉をかけても
もう反応がない患者さん。
ご家族は苦しまれます。


いきものがかりの「ありがとう」の
歌い出しの歌詞。

直接の引用ではありませんが、
「つながれた右手」が、既に「ありがとう」
と伝えたい自分の気持ちを受け止めてくれている、
そう歌っているんですよね。


もちろん実際の歌ではそのような
シチュエーションではありませんが、
意識が落ちて、言葉がない患者さんを
見守って、
ありがとうを誰よりも伝えたいけれども
届かないことに苦しまれているご家族にも
これは当てはまることなのではないでしょうか。


つないだ手は、伝え、そして
受け止めている。

肌と肌を通して、大切な人にその気持ちは
必ず伝わっている。

言葉はなくても、ご家族が握った手を
通して、ありがとうは伝わり、受け止められて
いるのです。


そういう視点で試しに一度、いきものがかりの
「ありがとう」、ぜひ聴いてみてください。
歌詞にまた別の響きが宿ります。


愛の始まり(これはいきものがかりの歌の
本来のシチュエーション)ばかりではなく、
その愛の完成にも、
「ありがとう」の気持ちと、つながれた手は
きっと大きな意味を持つのだと思います。


どうか周囲に、重い病気の方を抱えて
無力感を体験されている方がいらっしゃったら
皆さん伝えてあげてください。

気持ちは、必ず、伝わっていると。

手をつないであげてほしいと。

誰よりもやさしく、「ありがとう」の声は
受け止められているということを。



今週末は山梨県北杜市で講演です。
↓↓
http://www.hokuto-kanko.jp/calendar/result.php?id=00996

峡北・南アルプス地域の在宅医療が
進んでいきますように。

そのためのささやかな力になれれば幸いです。



今週末は、岩手県大槌町に
緩和ケア支援の仲間たちが(もっとも仲間といっても
私にとって皆さんは医師の大先輩たちですが)
また赴きます。


あれから2年が近づく日。

私は遠くにあり、自らのできることを
頑張りながら、愛すべき方々と、愛すべき地域
のことを思っています。
どうか皆さんに幸いがありますように。



それでは皆さん、また。
花粉、pm2.5・・やっかいなものどもが
強い春風とともに飛来してきていますが
負けずにやって参りましょう。


失礼します。