皆さん、こんにちは。大津です。


いつも読んでくださって
ありがとうございます。

この数日、なぜか皆さんの
アクセスが多いです。

いつもお読みくださっている
読者の皆さん(ありがとうございます!)
の数は一定ですから、急にはね上がる時
はいつもの読者さん以外が見ていると
いうことになります。

何か拙著が紹介されるなど
したのでしょうか?

それにしても「グルっぽ」というところ
に、最近怪しいメッセージを書かれるのには
参ります。
私は自分でページを管理していますから
怪しいメッセージを書かれると自分で
消すしかありません。勘弁してもらいたい
ものです。


さて、毎日寒いですね。

それにしても「積雪予報」が
ややピーターと狼となりつつ
あるのを感じます。

積雪予報も、医師からの情報提供も
「悪く言っておけば良い」と
勘違いされないように、できるだけ
過不足なくなるように努力したい
ものです。

ただ天気予報も、先日の大雪の際に
「なぜ予想できなかったのか」と
詰問のニュアンスがこもった
インタビューを受けていましたから、
そうなればある種「厳しく予想して言って
おけば良いか」となってしまうのでは
ないでしょうか。

100%がないものを、100%を
求めて、責めてしまえば、
「悪く言っておけば良い」となる
のは道理です。けして片側ばかり
責められません。

予報側・予測側ばかりも責められません。

双方に良識が求められています。



表題についてです。

非精神科系の医療者は、せん妄や抑うつを
見つけるのが一般にあまり得意ではありません。

未だに、入院してから通常の人が
せん妄状態になってしまった場合に、その方が
高齢者だと
「認知症が進んでしまった」という極めて
誤った判断がなされることが多いです。

通常人が入院後に意識状態に変化が生じるのは
「認知症の発症・増悪」とは言いません。
それが「せん妄」です。

高齢の方だと、往々にしてそう勘違いされる
ことがあります。注意しなければいけません。

かくして、残念ながら、
せん妄や抑うつは見逃され、悪化してゆきます。
早く見つけることで、しっかりと対応できるのに、
です。

その対応法は、近刊予定である、
新しい緩和医療の本でしっかりご説明しますから
どうかご覧になって頂ければと思います。
どうか楽しみにしていてください。


さて最近感じる、よく見逃されているせん妄の原因。

2つです。

高カルシウム血症。

感染症。

この2つです。

高カルシウム血症、多いですよ。
まずカルシウム値を測ってみてください。
血液検査で得られた値+(4-アルブミン値)で
補正するのを忘れないでください。
血液検査で正常値ー例えば10ーと出ていても、
アルブミンが2だったら、高カルシウム血症です。

高カルシウム血症は増悪すると精神症状が出ます。

過去何人「昏睡状態」と言われていた人を
救援したかわかりません。
「昏睡状態」が、きちんと治療することで
完全に元に戻ります。
絶対に見逃してはいけません。

もう一つは感染症です。

かなり進んだがんの患者さんは白血球やCRPと
いう値が上昇することが多いので、
それらが上昇していても「がんのせい」と
判断されてしまっていることがあります。

よーく血液検査値の「推移」をみてください。

最近上昇しているのならば、それはおかしいです。
がんだけではなくプラスαの要因があるのです。
しばしばそれは「感染症」です。

尿所見は? 胸部X線は?
必ずそれをチェックしなければなりません。
終末期には全身状態の低下から易感染性が生じ、
尿路感染症や誤嚥性肺炎もしばしば起こります。
しかし、
体力が低下していたり、ステロイドや非ステロイド
性抗炎症薬を使用していると、発熱もしばしば
認められず、感染症の発見・判断が遅れます。

その感染症がせん妄や意識レベルの低下につながっている
こともあるのです。
感染症治療で、これも回復可能性があります。

せん妄などの精神症状をしっかり見つけ、
その原因を鑑別し、
すぐに対応すること。

それでQOLが大幅に改善する事例はたくさんあります。

医療現場の皆さんはどうか十分ご留意ください。


最近、「実はブログを時折見ています」と
言われることがあって、とても喜んでいます。

医療従事者の方はもちろん、一般の方にも
役に立つ内容を発信できるよう、引き続き
努力して参ります。

それでは皆さん、また。
失礼します。