皆さん、こんにちは。大津です。



寒くなって来ましたね。
インフルエンザも出始めているとか。
皆さんもお気をつけくださいね。

今年もあと5/6!
街にはイルミネーションが点灯しました。
早いですね・・。時が過ぎるのは。


さて、アセトアミノフェン。

医療者の皆さん、使用していますか?

一般の皆さん、同薬は子供にも使える
安全な鎮痛薬の一つです。


医療者の皆さんの鎮痛薬の使用もどんどん
上手になってらっしゃいます。

最近は依頼を受ければ
だいたいロキソプロフェンなどの
NSAIDsは既に使用されておりますし、
ペンタゾシン等の基本的にがんには使用しない
薬剤が使用されていることも減りましたし
(まだ使っている皆さん! 止めましょうね。
依存を作りやすいです)、
オキシコドン等の適切な医療用麻薬が
開始されていることも増えました。


けれども使用されていないことがしばしば
あるのが、
アセトアミノフェンです。

いい薬ですよ。

しかも安全です。
腎不全や消化管出血疑い例でも使用可能です。

NSAIDsと併用しても良いんです。
実際併用して効果がある場合もしばしば
あります。

なぜか。
実は作用機序が異なるんですね。
同じWHOの3段階ラダーの第1段階の
薬剤なのに、NSAIDsは末梢性作用ですが、
アセトアミノフェンは「中枢性作用」なのです。
(さらに、両薬は鎮痛・解熱作用は双方等も
ありますが、アセトアミノフェンには抗炎症効果
がありません)

どうりで、私も昔から
ロキソプロフェンを飲んでも全く変化ないのに
アセトアミノフェンを飲むとどうも
「頭がぼーっとする」
ことを不思議に思っていました。
そのことがわかって、なるほどと得心しました。
(もちろん個人差がありますから、誰もが
ぼーっとなるわけではありませんからご安心
ください。私も体調によって出る時と出ない時
があります)


けれども昨年の初頭に
「高用量投与」が保険収載される前の
1.5g/日最上限時代は確かに効果が
顕著ではなかったのも事実です。

私もその時のイメージがあり、
あまり効かないなあ・・としばしば
感じておりましたが、3~4g/日
の高用量投与だとあら不思議、
結構効くのですよね。

ポイントは1g3回の3g/日で
高用量投与をすること! ぜひ
覚えてください。効かない効かない
と仰っている皆さんの処方、
だいたいこれまでの用量ですよ。


当院でも少しずつ流行ってきた
NSAIDsとアセトアミノフェンの併用。
こういう点はやはり
「緩和医療の専門家」が病院にいる
ことの効用と言えると思います。
私の処方がどんどん広がってゆく
わけですから。
いつの間にかそれがスタンダードな
処方になってゆくさまを見る時、
文化は伝播すると感じます。

けれどもまだ併用していない病院も
たくさんあることでしょう。

試しに併用してみてください。
ぜひやってみて、効果を確かめて下さい。

ただし!
肝機能障害のモニター(採血検査)
は忘れずに。肝機能障害が起こり得る
ことは注意が必要です。


それでは皆さん、また。
失礼します。