皆さん、こんにちは。大津です。



テレビでよく拝見していた
流通評論家の金子哲雄さんが
お亡くなりになりました。
41歳でした。

「ホンマでっか!?TV」
などでの
在りし日のお元気な姿が
目に浮かびます。


肺カルチノイド。

医師国家試験で勉強はしましたが、
終末期のカルチノイドの患者さんを
私は拝見したことがありません。
1000例を超える終末期のケース
を経験しても、です。
(ほとんどの病気の終末期のケース
を拝見しています)
言われているように稀な病気だから
だと思います。


医療者になり、世の中には
40代でも亡くなる人がいることを
知りました。
30代でも、20代でも、10代でも、
それ以下でも・・。

彼らが、彼女らが、しかし
一生懸命生きようとしていた姿が
焼き付いています。

彼らは、彼女らは濃厚な日々を過ごしていました。

だから年齢を見て「早かった」と言うのはたやすい
ですが、私はあまりそうは言いたくありません。

たとえ数字は短くとも
普通の人の何倍も生き切った一生もあるからです。

だから私は「お疲れさま」と思います。
「しっかりと生きましたね」と言います。

時にご家族も言われて苦しむ可能性がある
「若かったですね」「早すぎましたね」という
言葉はあまり使いたくないのです。

それはきっとご本人が判断されることなのだと
思うのです。


金子さんは病気を広くは明かさなかった
そうです。

私は「明かすのもよし」「明かさぬのも
よし」と思います。その方の生き方や
何を大切にするかが現れるようなものと
も感じます。どちらの選択も貴重で、
支持されるものです。

周囲に伝えてともに闘おうとする生き方も
あれば、周囲に負担をかけたくない静かに
過ごそうという方もいるでしょう。

どちらも「素敵な選択」です。
私はどちらを選ばれる方も、大好きです。


医師のおおたわ史絵さんに
9月下旬、金子さんはこのようなメールを
送ったそうです。


「そろそろ人生のカウントダウンが始まっているような気がします。今やっていることを一生懸命やって立派な千秋楽を迎えようと思います」



―(限られた時間に)今やっていることを一生懸命やる―

これこそ緩和ケアの考え方そのものです。

在宅で最期を迎えるというはっきりとした
ご希望がおありになったようです。最期を見据えて
今やっていることを一生懸命やって、望む場所で
立派な千秋楽を迎えようと思った。

「素敵な選択」です。

誰でもできることではありません。
(しかし私は、誰もができる力を本来持っている
とも信じています)
本当に立派だったと言えるのではないでしょうか。


深く哀悼の意を表します。
お茶の間の私たちを元気づけてくださって
ありがとうございました。


台風一過、また再来。
天候不順が続きますが、皆さんもどうかお身体には
お気をつけください。

まだ南京虫の残光(アレルギー)と闘う私です。
痒いのもつらいものです。


それでは皆さん、また。
失礼します。