皆さん、こんにちは。大津です。


本日は秋葉原で講演会でした。
熱心に聴講くださった皆さん、
スタッフの皆さん、ありがとうございました!


さて・・。

読むべき本が出ました。

真剣にオススメです。

『戦後史の正体』(孫崎享著)



上記が難しそうな方は

『アメリカに潰された政治家たち』(孫崎享著)



下のほうが簡単ですが、できれば
『戦後史の正体』は読んだほうが良いと存じます。

私の意見では、「必読」です。

もちろん医療者も読んだほうが良いと思います。

有権者は今後の判断材料にぜひとも読むべきで
ありましょう。
若い世代も多くが現代史を苦手なのは間違いないですから
(私もそうでした)、現代日本史理解の初歩の一冊
としてお勧めです。


日本人は、私が思うに、総じてとても人が良いです。

島国なこともあるのだと思います。
自分の民族が滅亡してしまうようなひしひしとした
恐怖が、陸続きの国家と比べて、幸運にも少なく来た
ということもありましょう。

けれども世界は「謀略だらけ」です。

ある国が強く、そして覇権を保つには、
「他国に弱ってもらうのが一番」です。
相手をやらなければ、こちらがやられる式です。
(その最たる例がイスラエルでしょうね)

そのために、ある国は他の国の内部で争ってもらうよう
に仕向けます。それが都合が良いからです。
そのために諜報機関をフル活用します。

「この世には根っからの友好国はないし不倶戴天の敵国もない。あるのは自国の利益のみだ」
(英首相パーマストンの言葉:高山正之『変見自在 サダム・フセインは偉かった』より)

「まともな隣国ほど危険なものはない。いつも内輪揉めしているか、自国の意のままに操れるか、それが望ましい隣国だ」
(高山正之『変見自在 サダム・フセインは偉かった』より)

日本は首脳部が、「他国を謀略で弱めることなく」
世界平和を達成することを本気で考えている数少ない国
であると私は思います。それは素晴らしいことではありますが、
しかし相手はどんどん工作してきます。

工作はどうやって行うか、それはありもしない犯罪を
でっち上げて政治家の命脈を絶ち、あるいはメディアで
繰り返し繰り返し攻撃を行う。それによってです。

あるいはメディアを利用し、あるいは敵対勢力に様々な
力を与え、政権を転覆させます。

それら謀略によって、貶めたい政治家の逆の勢力がどん
どん育ちます。そして引きずり下ろすのです。
(もっともこれは国家間に限らず、日常の狭い社会でも類する
ことは散見されますが)

『戦後史の正体』を読むと、しかし、それぞれの時代に
それぞれに気概がある政治家がいて、日本という国をより
まともな国にしようと努力してきた姿がよくわかります。
これらの「引きずり下ろす力」と闘って、です。なお
まともな国、というのは、どこかの国の従属国ではなくて
対等で、自立した国、という意味です。

しかしそういう政治家ほど短命であり、その逆の政治家たち
が長期政権を築いてきたこともよくわかります。
長期政権なのは理由があるのです。

本から何ヶ所か抜粋します。

ー戦後の歴史を見ると、一時期、米国に寵愛される人物がでます。しかし情勢が変化すると、米国にとって利用価値がなくなります。そのとき、かつて寵愛された人物は「米国にとって自分は大切なはずだ」と考えて、新たな流れに気づかず切られるケースがきわめて多いのです。(『戦後史の正体』p157)

ー米国が独裁者を切るときには、よく人権問題に関するNGOなどの活動を活発化させ、これに財政支援をあたえて民衆をデモに向かわせ、政権を転覆させるという手段を使います。(同)

ー現在の日本では、米軍完全撤退や有事駐留論はおろか、普天間基地ひとつ海外へ移転させるというだけで、「とんでもない暴論」とみなされてしまいます。しかし過去のこうした事例(大津注:いくつもそれらを過去検討・アプローチして来た政治家たちの例が示されています)を見ると、それが非常にかたよった議論であることがわかります。(『戦後史の正体』p162)

ー(大津注:北方領土について。係争を煽り<その方法は同書に記されています>)日本とソ連のあいだに、解決不能な紛争のタネをうめこむためでした。(『戦後史の正体』p171)

ー(大津注:短命な首相の場合)大手マスコミが連動して、それぞれの首相に反対する強力なキャンペーンを行なっています。今回、戦後七〇年の歴史をふり返ってみて、改めてマスコミが日本の政変に深く関与しているという事実を知りました。 このように米国は、好ましくないと思う日本の首相を、いくつかのシステムを駆使して排除することができます。難しいことではありません。たとえば米国の大統領が日本の首相となかなか会ってくれず、そのことを大手メディアが問題にすれば、それだけで政権はもちません。それが日本の現実なのです。(『戦後史の正体』p370)

ー(大津注:日米安保条約について)日本領土が攻撃されたとしても、米議会の承認が得られない限り、米軍は出動しないと言っているのです。(『アメリカに潰された政治家たち』p161)

ー多くの日本人は「在日米軍は日本領土を守るために日本にいる」と信じていますが、モンデール(大津注:元駐日大使)ははっきりと、アメリカには米軍を出動させる義務はないと言っているのです。(『アメリカに潰された政治家たち』p164)


この他にも瞠目させる記述に満ちています。


私は反米親中でも、親米反中でもありません。

アメリカ人も中国人もいい人がたくさんいます。
けれどもそれぞれの国にはそれぞれの「国益」があり、
それを満たすための謀略があります。それは私は
好きにはなれません。


フェースブックでも明治大学卒業のこの中国の方が
書いてらっしゃるように、
↓↓
http://www.facebook.com/hao.li.98096

記事はこちら
↓↓
http://www.facebook.com/hao.li.98096/posts/528226003869864

中国人にも今回の件を冷静に見ている方たちは
少なからずいます。いやむしろ全貌が見えている方も
中国にはたくさんいらっしゃることでしょう。

尖閣問題を煽り、反日を煽り、国家の問題に目を向けないように
させるのは、いつもの手段であり、それを中国人も良く
知っているのだと思います。

そしてこの問題がエスカレートすることに喜ぶ国と、
軍産複合体が必ずあることでしょう。


私は戦争から随分と時間が経った後に生まれた世代であり、
戦争のくびきからだいぶ逃れることが出来ているのが
私たちの世代であると思います。

右でも左でもなく。
普通に自分の国が好きで。
起こって必ず後悔する戦争などという手段に流れることなく
(戦争は起これば必ず止めたくなるのに、その悲惨さを知らない
世代が増えると安易に戦争という名を唱える危険さがあります)、
もちろんかと言って主張することは主張し、
けれども度を越した仲違いをすることは他を利することになる
ことも忘れずに、クールに主張し合えると良いと思います。
(領土問題では簡単に冷静にはなれませんが、しかしそれでは
誰かの思うツボなのかもしれません)

そしてまた、かつて葬られ続けてきた「自主」路線の政治家を
しっかり応援していかねばなりません。

『戦後史の正体』でも例えば岸信介は実は「自主」派であった
ことなど、今までの一般的な見方と違うことが様々に記されています。
重光葵を始め、闇に葬られた政治家や、一般には非難轟々の中に
辞めざるを得なかった政治家の中にも、多くの気骨ある政治家が
いたことがわかり、嬉しく思うと同時に、それらを最後まで応援でき
なかった国民へも重い課題を突き付けられていると感じました。

何でもかんでもダメと言うのは、一番ダメなのだと思います。

日本も戦後67年。
思考停止状態を止め、確固たる中道路線を歩んでゆくべきと
思いますが、そのためには私たちが垂れ流される情報を
うのみにするのではなくて、むしろ「なぜこういう情報が
流れているのか?」「なぜこう批判的に取り上げるのか?」
と疑いをもって判断してゆくことが必要なのだと思います。


それでは皆さん、また。
失礼します。