皆さん、こんにちは。大津です。



『最新医学』という雑誌の
『災害医療』特集に「惨事ストレス」
のことが記載されていました。以下、
中田敬司先生の文章の引用です。


「惨事ストレス」、英語では
CIS(Critical Incident Stress)
とは、惨事に直面した方、及びそれを
見聞きした方に起こるストレス反応と
されています。


惨事ストレスを受ける人は

1次被害者・・・・被害者・被災者

1.5次被害者・・1次被害者の家族や遺族

2次被害者・・・・目撃者や救援者(消防、
警察、自衛官、医療者、ボランティア、報道など)

3次被害者・・・・事故や災害報道を見聞きした
地域住民など

です。


災害救援者は「隠れた被災者」になりやすい
と言われています。

例えば消防・警察などは

・職業義務がある。
・職業意識、使命感、責任感が強い。
・男らしさを重んじプロ意識が強い。
・上下関係が厳しい。
・一般市民から期待されている。

ゆえに、逃げることやストレスを吐露
することが許されず、またストレスを
自分で自覚できないままでいることなど
も指摘されています。


また、惨事ストレスが起きやすい状況として
挙げられているのが、

1 悲惨な状態の遺体を扱う
  損傷の激しい遺体・自殺者など

2 子供の遺体を扱う
  自分の子供と同じ年齢の場合

3 被害者が肉親や知り合いの場合

4 本人あるいは同僚が活動中にケガ・殉職

5 十分な成果が得られない場合

6 これまで経験したことがない状態

です。



以下私が思ったことです。


この1~6を見て、岩手で共に支援活動に
あたっている皆さんや、現地でたくさん
出会った公職の方たちは1~6のほとんど
あるいは全部を満たしている場合が稀では
ないことを再認識させられます。

私が参加させて頂いている支援も、当初から、
これらの惨事ストレスに直面している
「2次被害者」を支援するという目的があり
ました。

救援し続けて来た方たちのストレスも相当な
ものがあると思います。

ストレスの予防は

・十分な休養、睡眠

・環境の整備

・災害時ストレスについての理解

・チームで救援を行うこと

・スーパービジョン(ブログ主註:熟練者が、
経験の浅い者がより良い実践ができるように
援助する過程)

・デフュージング(同註:1日の終わりに全員
が集まり、その日に体験したことを話し合うことで
ストレスを軽減するアプローチ)とデブリーフィング
(同註:任務の終わりに全員が集まり、活動中に体験
したことや感じたことを話し合うことでストレス対処
及び職場復帰後の対処を促進するアプローチ)

という方法があります。


できるだけ多くの方が、惨事ストレスから解放される
ことを願いたいと思います。


それでは皆さん、また。
失礼します。