皆さん、こんにちは。大津です。


ホテル・ルワンダ。
DVDで見ました。

$大津秀一 オフィシャルブログ 「医療の一隅と、人の生を照らす」 Powered by Ameba

1994年、ルワンダ。
わずか100日間で80万人(諸説あり)
が虐殺されたというルワンダの虐殺。
その中で1000人以上を救ったホテルの
現地支配人の物語です。


映画は淡々と進みます。
必要以上に感情を盛り上げることはしない
真摯な作りに好感が持てました。

ルワンダ内にはフツ族とツチ族という2つ
の主要な民族がいます。多数派のフツ族が、
ツチ族と、そしてツチ族をかばったフツ族
を虐殺してゆく光景はとても恐ろしいもの
がありました。

映画でも描かれていますが、虐殺を扇動し
たのは現地メディア(ラジオ)でした。
ツチ族を現地語でゴキブリ呼ばわりし、
嫌悪感をかき立てるような扇動が執拗に
なされたのです。

そして集団ヒステリーに陥ったかのよう
なフツ族は、ツチ族ばかりか、それを
救おうとしたフツ族までも見境なく殺して
いったのです。虐殺は極めて「効率的」に
行われ、最初の50日で犠牲者の80%が
殺害されるという苛烈なものだったそうです。

フツ族出身の支配人は1000人以上の
ツチ族をかくまいましたから、フツ族からは
「敵」「裏切り者」扱いされ、実際何度も
殺されそうになります。悩み、苦しみながら、
それでも最後まで信念を通し、1000人以上
の命を救いました。


日本は民族紛争が激しい国ではありません
から、その点で恵まれていると思います。
先日のノルウェーの連続テロも、犯人が
反移民の思想を持っているとされます。
多民族が混在する国では日本よりはるかに
難しい複雑な事情があると思います。

日本でさえ、いじめがエスカレートして、
いじめ側が多数で、いじめられている側を
憎々しげに見つめる、等ということは
稀ならず見かけます。「生理的嫌悪感」と
いう言葉の名のもとに、罪なき人を
犯罪者のように扱うことがあるのも人間の
恐るべき一面です。

亡くなってゆかれる方の心の清澄さと
接している私からすると、嘆かわしくて
なりません。なぜそこまで嫌うのか、
なぜ隣人を愛せないのか、なぜ短絡的に
物事を善悪で決めつけるのか、と残念に
思うのです。


ホテル・ルワンダ、一度ご覧になって
人間の「愚かさ」を見つめてほしいと
思います。ただこれは遠い国の問題と
して片づけてはならない問題で、このよう
なことの芽はいかなるところにも存在する
ものですし、環境が劣悪ならば人は容易に
それに走るということを私たちは忘れては
いけないのだと思います。

一人ひとりが心の闇を見つめてゆかねば
なりません。


相変わらず暑さが続きます。
皆さんも十分お身体にはお気を付けて。
それではまた。
失礼します。