皆さん、こんにちは。大津です。
いよいよ12月ですね。
今年もあっという間です。

1年1年早いなあ・・とつぶやいていたら、
ある50代のお医者さんは、いやいや、
僕くらいになると数年まとめて過ぎるんだよ、
と仰っておりました。にんともかんとも、です。

それにしても、毎日たくさんの方に覗いて
頂いて、本当にありがとうございます。
最近は「ブログ見てますよ」と声をかけられる
ことが度々あり、「読んでくださってたんだ……」
としみじみと感謝しております。

大して楽しいことが書いてあるわけではなし、
だいたいがまじめで、文字量が多いブログで
ありますから、素直に嬉しいですね。
ブログなんてものは星の数ほどあるわけで、
時には芸能人のブログとかも差し置いて
こちらをご覧になってくださっている方が
いらっしゃるかと思うと頭が上がりません。


さて今日は、何やら意味深なタイトルを付けて
しまいましたが。

17世紀、天動説が教会を始め多くの人に
信じられていた時代に、ガリレオは地動説を
積極的に主張しました。

すごいなあと思います。普通に見れば、
空が動いているようにしか見えない。
地球が動いているなんて、感じもしないですし、
よくもまあコペルニクスやガリレオは地動説を
思いついたと思います。けれども、彼らは
物事の「本質」を突き詰めたのでしょう。

そして、ガリレオはどうなったか。
天動説を奉じるローマ教皇庁によって、
異端裁判にかけられてしまいます。
結果は、有罪。
ウィキペディアによると彼のその後は、

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 有罪が告げられたガリレオは、地球が動くという説を放棄する旨が書かれた異端誓絶文を読み上げた。その後につぶやいたとされる「それでも地球は動く」(あるいは、「それでも地球は回っている」)という言葉は有名であるが、状況から考えて発言した事実は無いと考えられている。

 ガリレオへの刑は無期刑であったが、直後に軟禁に減刑になった。しかし、フィレンツェの自宅への帰宅は認められず、その後一生、監視付きの邸宅に住まわされ、散歩のほかは外に出ることを禁じられた。すべての役職は判決と同時に剥奪された。『天文対話』は禁書目録に載せられ、1822年まで撤回されなかった。

 死後も名誉は回復されず、カトリック教徒として葬ることも許されなかった。ガリレオの庇護者のトスカーナ大公は、ガリレオを異端者として葬るのは忍びないと考え、ローマ教皇の許可が下りるまでガリレオの葬儀を延期した。しかし許可はこの時代には出ず、正式な許可に基づく埋葬は1737年3月12日(筆者註;ガリレオの没年は1642年)にフィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂で行われた。
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なおガリレオ裁判の誤りが認められ、謝罪された
のは1992年だそうです。つい最近です。
350年間、彼の名誉は回復されなかったのです。


何が言いたいかと言いますと、
物事の本質を見抜ける人間は残念ながらなかなか
多くないがゆえに、その一見常識とは相反することを
主張する者は、時に激しい弾圧を受けうるという
ことです。あるいはよくて変人に思われてしまう
かもしれない。けれども世界は、ガリレオのような、
それまでの常識を覆した存在によって少しずつ
変わって来ました。しかし、時に大きな犠牲が
払われたのです。

身近なところでも、類することはあると思います。

皆さんの中にも、「本当はこうじゃないはずだ」とか
「もしかするとこうしたほうが良いんじゃないか」とか
わかってはいても、ガリレオのようになることを恐れて
口をつぐんでいる方もいるかもしれません。
残念ながら日本も、異論を唱えて目立つ存在を好まない
ところがあるでしょう。だから、結果を予想し、面倒を
避けるために沈黙してしまう。「こんなのはおかしい
んじゃないか」と思いながら、黙ってしまうのです。
そしてそのことによって、不利益を被ってしまう人々が
いるのです。

昔ですが、本を書いたときにある友人からこう言われました。
「僕だったら、思っていても本は書かないな。それで
いろいろ言われるのは面倒だからね」と。

確かに発信をしなければ、変に誰かを刺戟することは
ないでしょう。けれども、職業人はその受け手に対して
誠実でなければいけないと思うのです。発信することで
救われる人がいるのならば、保身は二の次なのではないか
と思います。

千里の道も一歩から。まずは身の回りの職場等から
小さなことより始め、すっきりとした心で年末年始を
迎えたいものです。

2010年のラストひと月、
お互いに頑張って参りましょう!
それではまた。
失礼します。


追伸 致知にお手紙くださった加藤さん、ありがとう
ございました。とても励まされました。