08月26日(土)に行われたWEリーグCUP第1節。@相模原ギオンスタジアム。

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下の表は、2022-2023リーグ戦における各選手の先発回数の総和と、出場時間の総和が、
この夏の移籍によって、どう増減したかを示したモノ。
(引退や移籍がなければ1.00。参入のC大阪は事情が異なる)

 


 

大量に選手を放出したN相模原と、参入初年度のC大阪の一戦。

N相模原は、昨期リーグ戦では後半戦に苦労して、9位まで順位を下げてしまった。
この夏に大量の退団者を出して、その中には昨シーズンのWキャプテンも含まれる。
ほとんど1からのチーム作りになりそうである。
そこに、17川島選手18榊原選手22常田選手、また、海外から帰国した13菅能選手15平國選手が入団したが、
戦力的には低下しているだろうし、コマ数的にも懸念が有って、今期は苦戦するんじゃないかと予想している。

この試合のシステムは、国内移籍組の3人を先発起用して、4-3-3。
4伊東選手19笹井選手23藤原選手のベンチスタートは、私的には意外な印象。
まあカップ戦だし、まずは、移籍組に早く馴染んでもらいたいのだろう。



C大阪は、2020年なでしこリーグで4位と大健闘。
多くの第1世代が移籍して行き、WEリーグ発足後のなでしこリーグでは、2021年3位、2022年4位。
この夏、4筒井選手・10小山選手が無事?I神戸のリースから帰ってきたし、
そこに2森中選手・11矢形選手・28脇坂選手が復帰した。
私はこの2年半、C大阪はほとんど見てきてないので、詳しいことは言えない。
もちろん、実績ベースで話をすると厳しい戦いになるのだろうが、
全体的に若いし、2種登録の育成メンバーも質が高いので、急成長する選手が出てきても、不思議ではない。楽しみなチームである。

この試合は復帰した11矢形選手・28脇坂選手が入って、4-4-2。



 

試合開始から、双方なかなか相手ゴールに迫れない戦いが続いたが、ややC大阪が押し気味で先制点を挙げる。
後半、昨年実績のある3人を投入したN相模原が盛り返し、均衡した戦いとなったが、C大阪が追加点を上げて快勝している。

シュート状況は下図の通り。



 

N相模原は、この試合はまだ試行錯誤段階という位置づけだろう。
特に前半は色々試したのだと思う。
だが、松原選手・杉田選手・石田千選手の抜けた中盤の穴は大きく、ボールが落ち着かない。
昨期、勝てなくなっても菅野監督は繋ぎに拘り続けていたので、今期のために辛抱しているのだろうと思って私は見ていたが、
多くのメンバーが入れ替わっては、辛抱に意味が有ったのか疑問。
また、元々強くない攻撃力も、中盤の支えが弱くなれば、さらに苦しい状況のようだ。

個人では、22常田選手がボール処理を誤って失点。
私が時々観戦に行く伊賀FC在籍時の印象では、堅実なプレーをしていたので、驚いた。
早く慣れて、チームや監督の信頼を得るよう挽回してもらいたいと思う。



一方のC大阪は快勝。
ただ、この試合を見る限りでは、おそらく2018年1部から落ちた時の力と同じくらいの印象。
全体的に発展途上で、局面のプレーはそこそこ出来るのだけれど、広い視野でボールを動かせる選手が居ない。特に攻撃陣は課題が多そうである。
その歪みを補うべく28脇坂選手は、攻撃にもどんどん参加していたが、
負担が大き過ぎるし、逆襲を食らった時のリスクもある。


両チームとも「今期はしんどそう」だと思う。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢。

N相模原は、マンツーマンディフェンス中心にゾーン固定配置3人。

C大阪は、2-1-3-1(+1+2)のゾーンディフェンス。5大賀選手19笹井選手にマンマークを付けた。
2018年・2020年のなでしこリーグでは、マンツーマンも見せていたが、この形のゾーンディフェンスの方が多かった。

ただ、宝田選手に頼ったものだったので、そこがどうなったかは興味あるところ。



先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

互角の範囲のマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.N相模原のコーナーキック


a)体制

キッカーは8西郡選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようだった。

・ニアへ: 4伊東選手19笹井選手
・正面からファーへ: 5大賀選手
・ニアポスト前: 9南野選手
・GK脇: 18榊原選手
・ショートコーナー: 3井上選手
・コボレ狙い: 23藤原選手
・セーフティー: 2平野選手17川島選手

b)結果概要

ポインタはYoutubeの時間。

1本目 (80:59 ポインタ1:48:52) 左CK ショートコーナー 8西郡選手3井上選手8西郡選手クロス→4伊東選手ヘディングシュート。右へ逸れてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

4伊東選手のヘディングシュートは、ボールが少し高くて叩けなかったが、フリーだったので惜しかった。
ただ、特に記載すべき様な内容でも無い。

また、1本だけだったし、それもショートコーナーだったので、

C大阪のゾーンディフェンスの内容も次回に繰り越す。

 

 



B.C大阪のコーナーキック

a)体制

キッカーは28脇坂選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 3米田選手・11矢形選手
・正面からファーへ: 4筒井選手・17中谷選手
・GK脇: 13百濃選手
・ショートコーナー: 14高和選手
・コボレ狙い: 10小山選手
・セーフティー: 8田中選手・18宮本選手

b)結果概要

ポインタはYoutubeの時間。

1本目 (11:51 ポインタ22:11) 右CK 28脇坂選手→5大賀選手ヘディングクリア。スローイン。
2本目 (16:56 ポインタ27:16) 左CK ショートコーナー 28脇坂選手→13百濃選手ドリブルin・マイナスパス→3米田選手シュート→GK池尻選手パンチング・9南野選手→11矢形選手ハンド。
3本目 (38:57 ポインタ49:17) 左CK 密集陣形 ショートコーナー 28脇坂選手→14高和選手クロス→GK池尻選手パンチング。3米田選手ファール。
4本目 (64:44 ポインタ1:32:37) 左CK 密集陣形 28脇坂選手キックミス。Gキック。
5本目 (86:15 ポインタ1:54:8) 左CK ショートコーナー 28脇坂選手→10小山選手→28脇坂選手クロス→4伊東選手クリア
⇒18宮本選手回収→28脇坂選手クロス→22白垣選手シュート→GK池尻選手キャッチ。
6本目 (91:0 ポインタ1:58:53) 左CK 時間潰し 28脇坂選手→22白垣選手コーナーキープ。Gキック。




c)全般的な印象と特記すべきプレー

6本中4本がショートコーナー。単に戻しながら、様子を見てクロスを上げるというアバウトなモノは無く、それなりに1本1本ちゃんとチームとして決めたことをやっていたので、評価する。
特に2本目 (16:56 ポインタ27:16)は惜しかったので、図にしておく。

ゴール前からコーナーに出て行った13百濃選手が、ゴールライン際をドリブルで破ったプレー。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=MjDFMAuzomIfeature=youtu.be&t=1631

13百濃選手がボールを受け取った時のトラップで、2平野選手を躱している。
リターンをするかのような足の使い方が良かったし、

28脇坂選手の動きも、2平野選手の目を奪っていると思う。


 以上です。


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