7月14日のMS&ADカップ@サンガスタジアム by KYOCERA。
2021年に入って2月のShe Believes Cup(米国遠征)を、
新型コロナの影響で見送ったなでしこJAPANは、
以後、格下相手に4試合の親善試合を行って大勝。
課題が抽出できるような内容では無かった。
五輪直前に、やっと歯ごたえのあるチームとの対戦となった。
解説が大宮Vの鮫島選手。
直前に代表落ちした選手を呼ぶとは、TBSの実況アナウンサーにとって、気の毒な話。
試合前の会話で、普通にやっていても「その言い方は微妙」なところが何度かあった。
その鮫島選手に代わって左SBが予想される16宮川選手・17北村選手が、
どの程度やれるのかが、もっとも私の興味が有るところ。
また、この五輪メンバーでは、外国勢とのフィジカル勝負で対等に戦えるボランチを、高倉監督は呼ばなかった。
フィールド中央での力勝負に持ち込まれたら、どう対処するつもりなのかが、
次の注目点だった。
以下のメンバーでスタート。
なでしこJAPANはいつもの4-4-2。人選も順当な所だと思う。
オーストラリア代表は、3-4-3。
先発にCAP数が80を越える選手が7人。
4ポルキホーン選手や9フォード選手、なでしこリーグに参戦した懐かしい名も有る。
前後半の序盤でオーストラリア代表がハイプレスに来て、優位に進めたが、中盤以降なでしこJAPANが盛り返すと言う流れ。
全体を通してみれば、ほぼ互角の戦いだったと思う。
両チームのシュートの状況は、下図を参照していただきたい。
高倉体制になって、オーストラリア代表とは、アジアの試合や米国遠征で当たっているが、守勢に回る試合展開だった。
そんな相手に、互角のボール支配だったと言うことは、チームとして進歩したのだろう。
攻撃に関しては、さすがに簡単には行かなかった印象。
試合序盤で10岩渕選手や14長谷川選手がドリブルやターンで仕掛けたが、抜けないどころか、ボールを取られていた。
短いパスに依存している攻撃だけでは、このクラスの相手になると容易には崩せない。
良かったのは11田中選手。日テレ所属時の12遠藤選手との関係をそのまま使えていたのか、スムーズにボールを受けて繋いでいた。
10岩渕選手などともこの試合のように合わせられれば、本番でも期待できるかも。
守備では、前述のように気になっていたのは、左SBと両ボランチ。
①左SBは無難だった。
オーストラリア代表がロングボールでSBを攻めてこなかったので、むしろ「判らなかった」と言うべきなのだろう。
個人的には、先発16宮川選手は大きなミスは無かったし、
途中出場の17北村選手は、相手が疲れちゃっていたので、危ういシーンに遭遇せず。
だが、大問題だったのは、個人じゃ無くって、システム。
特に後半4分、5南選手が右ヘ引張られた状況で、16宮川選手がボールに対応した裏を12カーペンター選手に上がられて、ドリブルで左サイドをどんどん侵入された。
誰も対応に行かなかったシーンは大問題。この試合の1番の反省材料だと思う。
②両ボランチも無難。
ここも、オーストラリア代表がガツガツ当たって来なかったので、「判らなかった」とも言える。
最後に、日本の気候の影響。
オーストラリア代表は、1995年以降生まれの選手がほとんど居ない年齢構成で、結構厳しそうだった。
梅雨が明けていないこの時点でも辛いと言うことなのだろう。
後半はエリア内・枠内シュート無しと、精彩を欠いた。
14長谷川選手や10岩渕選手などドリブルができる選手は、相手がきつくなる時間まで待ってから、抜きに行くという考え方が良いのだと思う。
今更だけど、成宮選手(I神戸)を呼んで右サイドで切り札として使えば、左サイドの12遠藤選手と合わせて、面白かったと思うんだけれど・・。
では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。
(1)両チームのディフェンスシステム
なでしこJAPANは守備機会無し。
オーストラリア代表はゾーンディフェンスで、3人をマンマーク配置。
ゾーンディフェンスは、なでしこJAPANなど小柄なチーム対策として、
この数年やっている。
アメリカ代表なども同じ考え方。
ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。
なでしこJAPAN オーストラリア代表
4 熊谷 173 10 エグモンド 179
5 南 171 4 ポルキホーン 171
9 菅澤 169 7 ケイトリー 171
13 塩越 166 9 フォード 169
2 清水 160 2 カー (Cap.) 167
16 宮川 160 3 クーニークロス 164
7 中島 158 12 カーペンター 164
14 長谷川 156 17 サイモン 164
8 三浦 156 16 ラソ 162
10 岩渕 155 13 ヤロップ 158
GK
18 山下 170 18 マイカ 176
毎度のことながら、なでしこJAPANはやや苦しいマッチアップ関係。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
なでしこJAPAN オーストラリア代表
コーナー本数 2 0
得点(1次攻撃) 0 0
センタリング→シュート 0 0
センタリング→パス 0 0
ルーズボール 0 0
クリアー 2/0 0
キーパーパンチ 0 0
キーパーキャッチ 0 0
* フリー/競り合い
オフェンスファール 0 0
ディフェンスファール 0 0
キックミス 0 0
ショートコーナー不発 0 0
時間つぶし 0 0
直接ゴール 0 0
オウンゴール 0 0
フリーになった選手 0 0
(ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む 0 0
(成功/失敗)
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
見所の無い試合だった。
A.なでしこJAPANのコーナーキック
a)体制
キッカーは15籾木選手(左利き)、7中島選手(右利き)。
受け手は以下の体制で始まっている。
・ニアへ:6杉田選手・12遠藤選手
・正面からファー:4熊谷選手・5南選手
・GK脇: 11田中選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い:7中島選手・8三浦選手
・セーフティー:2清水選手・16宮川選手
b)結果概要
1本目 (64:08) 右CK 14籾木選手→4ポルキホーン選手ヘディングクリア
⇒16宮川選手回収・ロビング→3クーニークロス選手ヘディング。レフリータイム(怪我)。
2本目 (85:32) 左CK 7中島選手→14ケネディ選手ヘディング
⇒3宝田選手回収・シュート→10エグモンド選手ブロック→4ポルキホーン選手→16ラソ選手クリア。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
なでしこJAPANはゾーンディフェンスに対して、策は持っていなかった。
仮に持っていたとしても、この時期に公開することは無いはず。
この試合は2本だけで、特に見所は無かった。
B.オーストラリア代表のコーナーキック
攻撃機会無し。
以上です。
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【ハイライト】なでしこジャパンvsオーストラリア代表|2021 7.14 サンガスタジアムby KYOCERA MS&ADカップ2021
https://www.youtube.com/watch?v=1GxQwKhURxU
JFA_HP
なでしこジャパン オーストラリアに粘り勝ち、東京オリンピックにはずみをつける
http://www.jfa.jp/nadeshikojapan/news/00027478/
オーストラリア代表_HP(英語)
Australia's final warm-up game ahead of Tokyo 2020 has ended in a 1-0 loss to host nation Japan at Sanga Stadium in Kyoto.
https://www.footballaustralia.com.au/news/australia-fall-japan-final-olympic-warm-game