第18節11月21日の試合で、愛媛L@味の素フィールド西が丘。
https://www.youtube.com/watch?v=y1S6ZpNoy6Y
このカードは第8節、愛媛L(1-5)日テレ。
速攻で爆勝を続けていた日テレに対し、愛媛Lが前半引いて守ったが破られ、後半攻撃的になったら良い戦いも出来たという内容。
日テレは今シーズン苦しんだ。
田中選手と籾木選手が抜けて、ポストプレーと、独特なリズムがなくなった。
相手プレスを躱して、置き去りにし、一気に攻め込むと点になるが、一旦落ち着いてしまうと停滞する。そんな戦いの中で、昨年の主力組の離脱が続いた。
14長谷川選手・8三浦選手・15宮澤選手はほぼフル回転だったが、他のメンバーは稼働率6~7割程度。
怪我から復帰した3村松選手・7中里選手、去年から台頭した17菅野選手・13松田選手、新たに24木下選手らで補ったが、チーム力は安定せず、勝負所の試合を落としてしまった。
システムも色々組み替えていたが、最近は落ち着いてきて、4-4-2(ダイヤモンド型の中盤)。
この試合は15宮澤選手と18遠藤選手の2TOP。
対する愛媛Lは、ボール保持に拘ってシーズンを戦い通した。
開幕直後は、自陣でのロストが目立ったが、徐々に慣れて攻撃も出来るようになった。
しかし、秋の後半戦に入ってからは攻撃を研究され、バックラインに離脱者も出て苦戦している。
相手に合わせて、4-1-4-1、3-4-3、4-4-2などシステムを色々替えているが、
この試合は、4-4-2。
17上野選手を前戦で起用するときのパターンで、第8節後半で良い戦いができたシステム。
試合は、引き分け。
日テレがボールを支配していたが、代わったGK21黒沢選手が、フリーキックによる先制点とオウンゴールを与えてしまった。
私のメモによると、シュート数(短距離ブロックなどを含む)20/8、枠内シュート数10/5、エリア内シュート数15/3。[日テレ/愛媛L]
日テレは後味の悪い最終戦となった。
GKが下手なことをすると試合が台無しになる。
終了間際のオウンゴールは問題外だし、
そもそも、1失点目のFKを与えたプレーは、レッドカードであるべきだった。
だが、この試合GKだけの問題じゃない。
攻撃に関する構造的問題は前述の通りだが、守備もどうだったか?
ロングフィードを17上野選手に入れられていたが、バックラインの厳しさが足りない。
離脱中の4土光選手や22石清水選手なら入れさせないだろうし、少なくとも前は向かせないだろうと思う。
一方愛媛Lはうまく守ったと思う。
抜けてくる日テレの攻撃陣に対し、ズルズル下がらず、行くべきディフェンダーが行って、大きな穴を作らなかった。特に猛攻を受け続けた前半を凌いだのは立派だった。
後半になって、ロングフィードから17上野選手と14山口選手がチャンスを作れるようになった。先制点のFKを取ったプレーは、14山口選手がスプリントで2清水選手を上回っている。やっぱり相当速い。
だが、繋ぐことに拘っているのは悪いことではないが、ビルドアップで、度々躓いていたのはいつもの通り。悪いボールの取られ方をせずに、済んだのが幸いだった。
得点:
60分 (58:03 ポインタ1:30:22) (70m右サイド)2松永選手(70m右)8松本選手(~55m右→20m左ポスト前・14山口選手・GK21黒沢選手ファール・FK)9大矢歩選手(シュート)
84分 (83:10 ポインタ1:55:27) (60m右)20阪口選手(50m右)8三浦選手(35m正面)24木下選手(25m正面)14長谷川選手(20m左ポスト前)18遠藤選手(~15m左ポスト前・シュート)
86分 (85:29 ポインタ1:57:47) (45m左)25齋原選手・23原選手(競合獲得)13松田選手(35m左)20阪口選手(25m左サイド)24木下選手(~20m左→15m左)18遠藤選手(20m左ポスト前)24木下選手(14m右)2清水選手(シュート)7西川選手(ブロックチップ4m正面)GK吉原選手(コボレ2m正面)18遠藤選手(シュート)
92+分 (91:19 ポインタ 2:03:36) (~45m左ポスト前)17菅野選手・25齋原選手(カット40m左ポスト前)17上野選手(~35m左ポスト前シュート・3m正面)GK黒沢選手(トラップミス・オウンゴール)
~:ドリブル
YouTube ポインタ 前半 +16:01 後半 +32:19
その他主なチャンス
SB:Shoot Block SC:Shoot Cut ES:Easy Save S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post
F:Free(GKと1対1など)
・日テレ
03:34~S,07:37~SB,CK10:43~,11:55~S,14:15~,17:09~S,CK23:18~,CK23:44~F_S,FK32:50~,36:02~SB,CK36:52~,39:17~SC,CK40:55~,41:44~S
51:17~S,64:17~,CK65:11~,CK74:36~,76:39~,80:38~F,81:58~S,85:14~,CK87:48~,:~,CK88:11~,90:12+~FS,CK90:53+~,92:04+~
・愛媛L
21:48~,FK30:13~,35:12~SB
CK46:04~F,58:01~,62:55~FS,82:43~S,83:55~S
では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。
(1)両チームのディフェンスシステム
日テレはマンツーマン中心で2人のゾーン固定配置。
15宮澤選手と18遠藤選手を前戦に残した。逆襲狙いの色濃い配置。
愛媛Lもマンツーマン中心で2人のゾーン固定配置。
ショートコーナーに対し、キッカーにもマークを付けている。
ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。
日テレ GK1山下 170
18 2 5 13 15 6 17 8 14 7
遠藤 清水 宮川 松田 宮澤 有吉 菅野 三浦 長谷川 中里
167 160 160 160 160 159 159 156 156 148
愛媛L GK31吉原167
22 17 28 27 4 9 11 2 14 18
武田 上野 呉屋 筬島 鎌田 大矢歩 高橋 松永 山口 阿久根
172 166 165 161 160 160 160 159 158 157
愛媛Lの上3人が有利なマッツアップ関係。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
日テレ 愛媛L
コーナー本数 11 1
得点(1次攻撃) 0 0
センタリング→シュート 1/1 1/0
センタリング→パス 0/1 0
ルーズボール 1 0
クリアー 5/1 0
キーパーパンチ 0 0
キーパーキャッチ 1/0 0
* フリー/競り合い
オフェンスファール 0 0
ディフェンスファール 0 0
キックミス 0 0
ショートコーナー不発 0 0
時間つぶし 0 0
直接ゴール 0 0
オウンゴール 0 0
フリーになった選手 2/1 1/0
(ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む 0 0
(成功/失敗)
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
A.日テレのコーナーキック
a)体制
キッカーは17菅野選手(右利き)、18遠藤選手(左利き)。
受け手は以下の体制で始まった。走り込む位置は色々。
・ニアへ:6有吉選手・5宮川選手
・正面からファー:13松田選手・15宮澤選手
・GK脇: 7中里選手
・ショートコーナー: 18遠藤選手
・コボレ狙い: 14長谷川選手
・セーフティー: 2清水選手・8三浦選手
b)結果概要
1本目 (10:43) 左CK 17菅野選手→13松田選手ヘディングシュート。右へハズレル。
2本目 (23:18) 右CK 18遠藤選手→22武田選手ヘディングクリア。再CK。
3本目 (23:44) 右CK 18遠藤選手→7中里選手ヘディングシュート・左へハズレル
⇒6有吉選手回収→8三浦選手→17菅野選手シュート→GK吉原選手キャッチ。
4本目 (36:52) 左CK 17菅野選手→4鎌田選手ヘディング。6有吉選手遅れてファール。
5本目 (40:55) 右CK 18遠藤選手→9大矢選手ヘディング
⇒長谷川選手シュート。左へハズレル。
6本目 (65:11) 右CK 18遠藤選手→GK吉原選手キャッチ。
7本目 (74:36) 右CK 18遠藤選手→GK吉原選手→23藤根選手クリア
⇒8三浦選手回収→2清水選手→17菅野選手→18遠藤選手シュート・27筬島選手ブロック。
8本目 (87:48) 右CK 18遠藤選手→23藤根選手クリア。再CK
9本目 (88:11) 右CK 18遠藤選手→越えてGラインを割る。Gキック。
10本目 (90:53+) 右CK 18遠藤選手→17上野選手ヘディング→10山城選手ヘディング
⇒17菅野選手回収・モドシ。
11本目 (92:28+) 右CK 18遠藤選手→8三浦選手コボレ→17上野選手クリア。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
日テレのプレーには特記は無いが、愛媛Lのディフェンスについて触れておく。
やはり、ゾーン固定配置などで、3人を使って、マンツーマン要員が7人になると、
マークは難しいと思わせた。
ア)5本目 (40:55)
この試合での愛媛Lの守備の方針が明らかになったプレーでもあり、チーム内で徹底されていることを感じさせた。
常にショートコーナー体制を採る日テレに対し、愛媛Lは前述の通り、キッカーにもマークを付けている。したがって、人数的には、日テレがセーフティを1人にして、9人目を前戦に投入してくると、マークが足りなくなる。実際そうなったのがこの5本目。
こうなった時の対応を愛媛Lはちゃんと割り切っていた。
9大矢選手が、8人目の14長谷川選手と9人目の8三浦選手の両方をマークしていて、14長谷川選手の動いたので、8三浦選手を捨てて対応している。
動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=y1S6ZpNoy6Y&feature=youtu.be&t=3410
じゃ、8三浦選手を使われたら・・と考えると、11高橋選手・14山口選手の位置を見直して、8三浦選手の動きも牽制すべきなのだろう。
イ)11本目 (92:28+)
ところが、である。
5本目は先発メンバー同士の守備だったので、対応できていたが、終了間際のプレーでは混乱している。
8三浦選手がニアポスト前に入って来て、うろうろ。
それを17上野選手・23藤根選手が指さしているが、誰も対応しに行かない。
また、ファーサイドで5宮川選手のマークがいない。
約2分前の10本目時点では、リードしていた日テレは3人セーフティで、7人攻撃。
この11本目は9人攻撃と2枚違っているのだが、
そもそもキッカーに1人使ってしまっている上に、
25齋原選手と8松本選手が14長谷川選手に行っているので、
この混乱になっている。
動画:キック10秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=y1S6ZpNoy6Y&feature=youtu.be&t=7476
ゾーン固定に3人を配置する場合や、愛媛Lのようにキッカーにマークを付けると、特に終盤混乱しやすいと言うのは、1本前のブログのジェフLにも指摘した通りである。
今シーズンの日テレのコーナーキックを振り返ると、3得点。
4土光選手と6有吉選手とオウンゴール。
コーナーキックに関して、しっかり練習をしているように感じたプレーは、なかった。
昨年半ばまでは、移籍した田中選手と育休中の22石清水選手が、相互にピックプレーを使っていたが、そう言った「コンビ芸」も今年は全く見られない。
そもそも、高さが足りなくて、おそらく現時点のヘディングで最も高いのは、6有吉選手。
4土光選手は離脱中だし、20阪口選手はまだ安全運転に徹しているようだ。
他の若手は、ランニングジャンプで最高点で合わせる技術を持ち合わせていない。
167cmの18遠藤選手がキッカーをやっているのが、もったいなくて仕方が無い。
現状、自力で得点を採る力はほとんど無いと、私は思う。
B.愛媛Lのコーナーキック
a)体制
キッカーは、7西川選手(左利き)。
受け手は以下の体制。なお、日テレが15宮澤選手と18遠藤選手を前戦に残したため、セーフティーが増えている。
・ニアへ: 11高橋選手
・正面からファー: 28呉屋選手・17上野選手
・GK脇: 18阿久根選手
・ショートコーナー: 27筬島選手
・コボレ狙い: 9大矢歩選手
・セーフティー: 2松永選手・8松本選手・14山口選手
b)結果概要
1本目 (46:04) 右CK 7西川選手→28呉屋選手ヘディングシュート。左ハズレル。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
この日は1本だけで、28呉屋選手のシュートに至っているが、普通に1対1で勝っての事なので、特記するほどでもなかった。
愛媛Lのこの1年のコーナーキックを振り返ると、19佐藤選手の2得点。
ただ、愛媛Lが、リーグで最も熱心だったのではないかと思う。
チーム全体で行うプレーで、選手一人一人の動きを決める、「THE フォーメーション・プレー」を仕込んできていた。
普通そう言ったプレーは、試合の1本目に実行されることが多いのだが、このチームはそれをやらないようだ。1本目は様子見で、相手チームの守備が予想通りであることを確認してから、実行しているように思われる。
だが、動きを合わせるために練習時間も掛かるだろうから、せいぜい1試合1プレー。多くは仕込めない。
愛媛Lはコンビで行うピックプレーのようなことは見せていないので、そう言ったことが出来れば、さらに面白いと思う。
以上です。
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目次 1.概要(アメブロ版)
4-242 なでしこリーグ 愛媛L 1-5 日テレ 2020/09/07
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【公式】第18節フルマッチ:日テレ vs 愛媛L 2020プレナスなでしこリーグ1部 2020/11/21 味の素フィールド西が丘
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日テレ_HP
2020プレナスなでしこリーグ1部 第18節 - 日テレ・ベレーザ vs 愛媛FCレディース
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