第7節1つ目、8月23日の試合で、C大阪堺@三重交通G スポーツの杜 鈴鹿。
https://www.youtube.com/watch?v=NFnpY26gpJ4


第5節・6節と日テレの攻撃が爆発したが、それにさらされた両チーム。
主に日テレの速攻にやられたのだが、両チームとも前プレスに行った選手たちが置いてきぼりになってのこと。戦術的なリスクが顕在化した。

C大阪堺は前節マイナビ戦でも5失点と厳しい状況にある。



 

伊賀FCは前節終了間際に、CB13宮迫選手が立ち上がれないまま退場するアクシデントも。
心配されたが、先発で出てきたことには安心した。
3松久保選手が先発復帰。アンカーに22鈴木選手を入れてきた。


C大阪堺は11宝田選手をCBに起用。
浦和戦で9菅澤選手・11清家選手にポストプレーを許したので、この試合では9道上選手11宝田選手で対抗すべく配置したのだろう。
FWには代わりに9野島選手が先発した。



試合は、前半はほぼ対等な戦いで、C大阪堺が効率的に決めて、リードして終わる。
だが、後半は伊賀FCが一方的に押し込んで、C大阪堺はシュート0本。
なんとか凌いでいたが、最後に10杉田選手に叩き込まれて引き分けになった。

が、C大阪堺は、「凌いだ」と言うより、マークが遅れてのファールを「見逃してもらっていた」。
PKを4・5本取られていても不思議じゃなかった。
さらに、疲れもあるのだろう、C大阪堺のプレーが、どんどん粗くなる。
でも審判がファールを取らない。
押し込んでいても、ビハインドの伊賀FCにとっては、ストレスが溜まる一方で、
報復とも取れるチャージをするし、ついにはベンチにいたコーチが、PETボトルを投げて警告をもらうまでになった。

騒動に至る程では無いとは言え、試合の雰囲気が悪化して行くのは、不快だ。

なでしこリーグは、審判に問題があっても、選手やコーチの「自制」で維持されていて、
いわゆる「民度」が高いのは素晴らしいことだ。
だが、「試合が荒れにくい」→「審判が成長しない」の図式であることも、現実なのだろう。
審判の成長は、協会が細かく・厳しく評価することによって、達成して行くべきで、
それこそ「なでしこスタイル」の有るべき形だと私は思う。



得点:

04分(03:05 ポインタ27:13) (60m正面)13宮迫選手(ヘディング・ハーフ正面)10杉田選手(55m正面)22鈴木選手(45m正面)9道上選手(35m右)5西川選手(~32小山選手7北村選手躱し・20m右サイド→10m右)10杉田選手(5m右サイド)5西川選手(クロス・8m左ポスト前)19安齋選手(ヘディング・6m右)10杉田選手(ボレーシュート)

30分(28:57 ポインタ53:4) (15m左)3松久保選手(35m左サイド)7北村選手(カット~25m左ライン際→12m左)28浜野選手(シュート)

36分(35:45 ポインタ59:51) (75m左サイド)4松原選手(45m左サイド)28浜野選手(15m右ポスト前)13矢形選手(~10m右ポスト前シュート)GK藤田選手(セーブ・7m右ポスト前)13矢形選手(シュート)

88分(87:48 ポインタ2:09:42) (ハーフ正面)13宮迫選手(13m正面)11小川選手(15m右ポスト前)10杉田選手(シュート)

~:ドリブル


 YouTube ポインタ操作 前半:+24:07、後半+41:52


その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post 
  F:Free(GKと1対1など) 


伊賀FC
08:19~,CK10:32~,14:03~,15:44~,CK20:56~,24:32~B,36:41~
FK47:06~F,48:26~F,52:55~FS,CK53:44~,CK54:16~,57:30~,60:10~,63:27~S,CK 66:55~,68:26~,78:22~,CK78:53~,FK79:52~,CK86:05~,CK91:51+~SB

C大阪堺
00:58~,15:12~,16:10~SB,30:11~SB,CK31:04~



では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。



(1)両チームのディフェンスシステム

両チームゾーンディフェンスだが、少し違う。
C大阪堺は9野島選手28浜野選手9道上選手5西川選手のマンマークに付けてきた。
伊賀FCも前節までは同様のシステムだったが、2列目が走り込む選手を捕まえる方式に変えてきている。
ラグビーのラインディフェンスのような動きで、アメリカ代表がゾーンを敷いた時も同じ形式で守っている。



ちなみに。先発選手を身長順に並べると以下のよう。
 

伊賀FC GK1藤田164
  9      2      5       3       13     8   17    10    22    19
道上 畑中 西川 松久保 宮迫 作間 森  杉田 鈴木 安齋
169   166   166    164    163   158 158  156  154   153

C大阪堺 GK27西中168
 11     4     28     7      3     13     9      6   10   32
宝田 松原 浜野 北村 脇坂 矢形 野島 井上 林 小山
170   165   162  161   160  160   159   158 157 157


やや伊賀FC有利だが、差は小さく、ほぼ対等。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

              伊賀FC   C大阪堺
コーナー本数               
得点(1次攻撃)       0       


センタリング→シュート          
センタリング→パス    0/1      
ルーズボール                

クリアー          5/2      
キーパーパンチ              
キーパーキャッチ             
 * フリー/競り合い
オフェンスファール             
ディフェンスファール            
キックミス                  
ショートコーナー不発           
時間つぶし                  
直接ゴール                  
オウンゴール                  


フリーになった選手            
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む          
     (成功/失敗)



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.伊賀FC

a)体制

キッカーは10杉田選手6乃一選手。いずれも右利き。
受け手は以下のように始まった。ほぼ同じパターンで攻めていた。

・ニアへ:9道上選手3松久保選手
・正面からファー: 2畑中選手5西川選手
・GK脇: 17森選手
・ショートコーナー: ―
・コボレ狙い: 19安齋選手22鈴木選手8作間選手
・セーフティー:13宮迫選手

b)結果概要
1本目 (10:32) 左CK 10杉田選手10林選手ヘディングクロア。
2本目 (20:56) 左CK 10杉田選手GK西中選手パンチング→28浜野選手クリア。
3本目 (53:44) 右CK 6乃一選手13矢形選手ヘディングクリア。
4本目 (54:16) 右CK 6乃一選手2畑中選手ヘディング→GK西中選手17森選手ファール。 
5本目 (66:55) 左CK 10杉田選手11宝田選手ヘディングクロア。
6本目 (78:53) 左CK 10杉田選手11宝田選手ヘディングクロア。
7本目 (86:05) 左CK 10杉田選手10林選手ヘディングクロア。
8本目 (91:51+) 左CK 10杉田選手11宝田選手ヘディングクロア。24島野選手シュート・13矢形選手ブロック→13宮迫選手シュート。オーバーし、GK。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

上図のように左CKはニアサイド中心になった。
9道上選手がマークの9野島選手(交代後32小山選手)をほぼ振り切ってニアへ走れていたので、狙いたくなる10杉田選手の気持ちも解る。

が、大嶽監督がファーを狙えと盛んに叫んでおられたが、私はこっちに賛成。
C大阪堺のゾーンディフェンスを攻めるなら、GK西中選手11宝田選手の動きを制限した上で、戦力を手薄なファーに集中。

4松原選手2畑中選手が競り掛けることを中心に据え、プランを選手に示すだろう。

実際2畑中選手が競り勝った4本目が下図。
もう少しゴールに近くても良いとは思うが、狙いどころだと思う。



さて、このプレー。ボールはゴール前に浮いて、GK西中選手がパンチングするが、17森選手と接触していたために、小さくなる。それを11小川選手が押し込み、いったん主審がゴールと認めた。
しかし、線審のアピールで17森選手のファールを取ってノーゴールになる。

伊賀FCの不満が一層強くなっていくのはさておき、以下のことを思う。

①誤審である。
 

大嶽監督が「キーパーがボールに行っていない」と抗議しているが、それは違う。
17森選手は確かにGK西中選手を押している。
が、しかし、10林選手に押されてのことである。
10林選手のファール、アドバンテージ、11小川選手のゴールが正しい。
現場では難しい判断ではあるが、映像だと誤審とわかる。


やはり、審判を増やすべき。

それが出来なくても、コーナーキックやセットプレーの際は、第4審をゴール裏に行かせるなどルール改定すべきだと思う。

②C大阪堺のディフェンスの問題
 

2畑中選手のヘディングが浮いている間に、11小川選手を誰もマークしに行っていない。
いわゆる「全員ボールワォッチャー」。
ボールが自分のところに来ないと思った瞬間に、次に何をすべきか考え行動する。
このチームの守備は、一人もそれを出来ないことが、頻繁にある。


まぁ、ある程度年齢を重ねれば、出来るようになるのだろうけれど・・・。



B.C大阪堺のコーナーキック

a)体制
 

キッカーは3脇坂選手(右利き)
受け手側は、以下のようだった。

・ニアへ: 13矢形選手4松原選手
・正面からファー:11宝田選手9野島選手
・GK脇:28浜野選手
・ショートコーナー:-
・コボレ狙い: 10林選手7北村選手
・セーフティー: 6井上選手32小山選手

b)結果概要
 

1本目 (31:04) 左CK 3脇坂選手GK藤田選手28浜野選手ファール。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本だけで、ファールなので、特記すべきモノはない。

 以上です。


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