第5節1つ目、8月15日の試合で、リーグ連覇中の日テレ@ヤンマースタジアム長居。
https://www.youtube.com/watch?v=BBBB5gVyWiE

533人の観客。C大阪堺の動員能力的には約半分だが、4連勝と日テレ戦と言うことを考えれば、1/4~1/3くらいなのだろう。



 

なんと言ってもC大阪堺は開幕4連勝中。まさに台風の目。
内容的には、愛媛Lを圧倒しながら大逆転、伊賀FCとは良い勝負、新潟L・浦和は、負けの可能性の方が高かった試合だった。すべて、「おつり無し」で接戦を制してきている。
 

2年前と比べると選手のレベルが上がっていて、1部のTOPチームとも戦えている。
昨2019年の皇后杯で、I神戸にボコボコにやられたのを見て、今年も苦しいかと思っていたが、11宝田選手の「居る・居ない」で、攻撃が大きく違う。
守備面では浦和戦で、開始直後からアタッカー陣のプレスが効いていて、相手陣でボール奪取を繰り返すなどしていた。
が、浦和の11清家選手が上がって9菅澤選手との2TOPになってからは、ポストプレーを許し、押されっぱなし。約70分ほとんど耐えるだけになった。
粘って首位決戦を勝ったのは素晴らしかったが、

DF陣のマーク力・パワーなどの課題が、わかりやすく露わになった試合でもあった。


一方の日テレは躓き気味。
開幕のノジマ戦はモタモタ、マイナビ戦は圧倒できず、浦和戦は速攻以外では形にならず。
前節新潟Lは均衡で、終盤やっと2点を追いつく厳しい試合。
ずっとじっくり攻めていたが、時間に追われたことも有ってだろう、手早く攻めたのが奏功し、敗戦を免れた形。
田中選手・籾木選手の穴が、まだ埋まっていない。
だが、24木下選手が台頭しこの試合先発。新戦力が湧き出てくるのはさすが。
そこに、20阪口選手が帰ってきて、短時間ながらもFWとして出場。
年明け新チーム発表時の去就状況から、今季は無理なのかなと私は思っていたが、
20坂口選手の復帰は、なでしこJAPANにとっても明るいニュースである。


試合は日テレの大々爆勝。
ホームC大阪堺サポーターの方々は、「今日は、この辺にしといたろぉ。」と、池乃めだか師匠風の捨て台詞を吐いて、スタジアムを後にされただろう。

日テレの得点を見ると、自陣やハーフライン付近から、中・短距離のパスを繋いだ速攻がほとんど。
一度も立ち止まらずに、ゴールに至っている。
ハイ・スピードで動きながら、高い精度でパスを繋ぎ、シュートを打てる技術を持った選手が集まっているからこそ、生まれるゴールと言って良い。

C大阪堺の選手たちは、決してドリブルでぶち抜かれているわけではない。
マークを見失ったり、不必要にマークを捨ててボールマンに当たりに行ったりしていて、ゴール前でフリーのシュートを許している。
マークが余っている時・同数の時・足りない時、それぞれに別の対応が求められるのだが、それがC大阪堺の選手たちにできていないから、こんなに失点する。
また、「よく戻ってきた」と言える選手が無かったのも寂しい。

得点が離れてしまったこともあるだろうが、もうちょっと「粘り」や「意地」も見せて欲しい。

駄目出しばかりじゃ申し訳ないので、C大阪堺の良いところも。
日テレから11本敵陣内でボール奪取に成功している(独自集計:自陣ボールロストは27本)。
ビハインドになって、前掛かりにして、それなりの成果を出している。

特に1-3の状態の後半開始5分くらいは、良い場面を複数作って、あそこで点が入っていれば、試合は崩れてはいないだろう。


日テレの悪いところを言えば、浦和戦・新潟L戦同様に、速攻だけしか形にならない。
いったん攻撃が止まって、守備陣形ができあがると、チャンスさえ、ほとんど作れていない。
速攻をしのがれた前2戦と、思うようにゴールにつながったC大阪堺戦。

そういう縮図なのだろう。



得点:
 

02分(0:56 ポインタ15:16~) (65m正面)3村松選手(ハーフ正面)11小林選手(40m右ポスト前)9植木選手(25m右サイド)14長谷川選手(クロス・10m左ポスト前)11小林選手(胸トラップ・切り返しシュート)

07分(06:05 ポインタ20:25~) (ハーフ正面)17菅野選手(40m正面)14長谷川選手(~30m正面→20m右ポスト前)24木下選手(~10m右ポスト前・シュート)

42分(41:31 ポインタ55:50) (左CK) 17菅野選手(9m右)18筒井選手(ヘディングクリア・20m右)14長谷川選手(クロス・5m左ポスト前)4土光選手(ヘディングシュート)GK西中選手(セーブ・4m左ポスト前)4土光選手(シュート)

43分(42:18 ポインタ56:37) (70m右サイド)25田畑選手(60m右ライン際)13矢形選手(41m右゙)28浜野選手(15m左)7北村選手(~10m左ポスト前・シュート)

58分(57:14 ポインタ1:28:55) (ハーフ右サイド)11小林選手(~40m右→35m正面)24木下選手(20m右ポスト前)11小林選手(~10m右ポスト前・シュート)

60分(59:50 ポインタ1:31:31) (ハーフ正面)14長谷川選手(40m右)11小林選手(15m右サイド)15宮澤選手(10m右ポスト前)14長谷川選手(シュート)

67分(66:30 ポインタ1:38:11) (右CK)18遠藤選手(3m右ポスト前)10林選手(オウンゴール)

72分(72:32 ポインタ1:44:07) (20m右)14長谷川選手(10m右サイド)6有吉選手(5m右)15宮澤選手(8m右ポスト前)11小林選手(スルー10m正面)18遠藤選手(シュート)

76分(75:45 ポインタ1:47:20) (55m右)17菅野選手(45m右)6有吉選手(35m右)15宮澤選手(~25m右→12m正面)19遠藤選手(9m右ポスト前・シュート)

81分(80:25 ポインタ1:52:00) (65m正面)17菅野選手(35m左)11小林選手18遠藤選手11小林選手(15m右)19遠藤選手(~5m右シュート)

84分(82:54 ポインタ1:54:29) (70m右サイド)14長谷川選手(ハーフ右サイド)15宮澤選手(~40m右→20m右)11小林選手(20m右ポスト前)15宮澤選手(~15m正面→10m左) 19遠藤選手(シュート)



~:ドリブル


 YouTubeポインタ操作 前半:+14:19、後半+31:41


その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post
  F:Free(GKと1対1など)


C大阪堺
01:52~,03:33~S,26:16~,26:50~FS,CK34:32~
47:00~S,49:22~,52:06~SB,55:35~SB,63:22~,75:24~,76:45~SB,80:20~FS


日テレ
02:35~SB,09:20~F,13:02~,20:31~SB,CK21:19~,27:52~,CK31:17~,35:30~SB,39:45~S,39:37~S_P,46:10+~S
50:03~F,56:35~S,58:48~,CK62:16~,65:50~S,CK71:16~,CK90:57+~,CK92:13+~


では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。


(1)両チームのディフェンスシステム

C大阪堺は2-3-1(+2)のゾーンディフェンス。28浜野選手32小山選手4土光選手9植木選手をマンマークで付けた。
日テレは、マンツーマン中心で、3人ゾーン固定配置。
第3節浦和戦から同じ形だが、9菅澤選手も居ないのに、8三浦選手をニアポスト前に置いた。
ちょっと理由が想像できなくて、読者の方々には申し訳ない。



ちなみに。先発選手を身長順に並べると以下のよう。

C大阪堺 GK27西中168
 11     25    28     7      3    13      6   10   32    29
宝田 田畑 浜野 北村 脇坂 矢形 井上 林 小山 宮本
 170  164   162  161   160  160   158 157 157  150

日テレ GK1山下170
  4      3      9     24     2      5    11     17     14       8
土光 村松 植木 木下 清水 宮川 小林 菅野 長谷川 三浦
164   162   162  162   160  160   160   159    156    156

11宝田選手を除けば良い勝負のマッチアップ。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

               C大阪堺   日テレ
コーナー本数                
得点(1次攻撃)              


センタリング→シュート          
センタリング→パス            
ルーズボール                 

クリアー                  3/1
キーパーパンチ              
キーパーキャッチ     1/0     1/0
 * フリー/競り合い
オフェンスファール             
ディフェンスファール            
キックミス                  
ショートコーナー不発           
時間つぶし                  
直接ゴール                  
オウンゴール                  


フリーになった選手    0/1     1/1
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む          
     (成功/失敗)


(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.C大阪堺のコーナーキック

a)体制

キッカーは3脇坂選手(右利き)。

・ニアへ:22百濃選手18筒井選手
・正面からファー: 11宝田選手28浜野選手
・GK脇: -
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 25田畑選手10林選手7北村選手13矢形選手
・セーフティー:32小山選手

b)結果概要


1本目 (34:32) 右CK 3脇坂選手GK山下選手キャッチ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本しか無かったので、特に言うべきことはない。



B.日テレのコーナーキック

a)体制
 

キッカーは17菅野選手(右利き)と18遠藤選手 (左利き)
受け手は以下のパターンで始まった。固定ではなく、色々入れ替わっていた。

・ニアへ: 11小林選手9植木選手
・正面からファー:3村松選手4土光選手
・GK脇:5宮川選手
・ショートコーナー:24木下選手
・コボレ狙い: 14長谷川選手8三浦選手
・セーフティー: 2清水選手

b)結果概要
 

1本目 (21:19) 右CK 17菅野選手13矢形選手10林選手持ち上がり。
2本目 (31:17) 左CK ショートコーナー17菅野選手24木下選手17菅野選手8三浦選手へ戻し。
3本目 (41:31) 左CK 17菅野選手18筒井選手ヘディングクリア→14長谷川選手クロス→4土光選手ヘディングシュート→GK西中選手セーブ→4土光選手シュート。GOOL。
4本目 (62:16) 右CK 18遠藤選手22百濃選手に当たる→19遠藤選手。攻撃再開。
5本目 (66:30) 右CK 18遠藤選手10林選手ヘディング。オウンゴール!
6本目 (71:16) 左CK 18遠藤選手6有吉選手ヘディングシュート。右へ逸れる。
7本目 (90:57+) 左CK 17菅野選手18筒井選手ヘディングクリア。
8本目 (CK92:13+) 左CK 17菅野選手18遠藤選手14長谷川選手クロス→18筒井選手ヘディングクリア→15宮澤選手シュート。左へ逸れる。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

今シーズン、日テレのコーナーキックは見所がない。
この試合はC大阪堺のゾーンディフェンスに対し、だいたい4選手が走り込む体勢を取ったが、マークが付いた4土光選手9植木選手は仕方が無いとしても、マークの居ない3人目・4人目がほとんど仕事をできていない。
良いプレーだったのは、6本目の6有吉選手だけ。しっかり溜めてから走り込んで、最高点でヘディングを合わせたのは、見事だった(シュートは枠外)。
普段セーフティーの選手でもやれるんだから、11小林選手3村松選手は特に見習って欲しい。

C大阪堺は、この試合、大量失点の中、コーナーキックからも2失点。
42分の3本目では、C大阪堺の守備の不徹底が露呈しました。
いったん18筒井選手がヘディングクリアしたが、その後の守備に問題。
C大阪堺はゾーンディフェンスだったので、「ラインを上げながら、間隔をそろえ、各自がマークすべき攻撃選手を明らかにする。」必要がある。
結構難しい作業だが、全員がそろってやらなければならない。
でも、C大阪堺の選手たちからは、統一意識は感じられない。
28浜野選手は早々に4土光選手を捨てているが、誰かに引き継いだ訳でもないし、誰かが拾いに行った訳でもない。
こういったところは2年前と同じで、進歩が感じられない。
このような2次攻撃や、ショートコーナーから、今後もやられそうな気配だ。




 以上です。

 

 

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