クラブW杯で、サンフレッチェ広島の選手が次々と負傷で交代、
後半20分には交代枠が無くなりました。
また、カナダ女子W杯の第1戦で安藤選手が骨折した際も思ったのですが、
そもそもサッカーの交代枠が少なすぎるのである。
 
そのため、
「イエローカード1枚くらいなら、負傷退場させた方が有利」
という考え方さえ、成立してしまいそうである。
厳格に3人しか交代できない今のサッカーの国際ルールは、
世の動きに遅れているように思います。
 
1.他競技の状況
 
(1)ラグビーの交代枠
 
20年くらい前まで、交代は原則無く、けが人が出たときのみでしたが、
今は7人まで交代が出来る。
フロントロー(スクラムを最前列で組んでいる選手)に限って言えば、
交代枠を使い切った後でも、負傷による退場の際には、再登場だって出来る。
また、ノーバインドタックル(当たりに行くためだけのタックル)など
危険なタックルも禁止され、ずいぶん安全になってきています。
 
(2)アメリカンフットボールの脳震とうに対するケア
 
NFLでは、ふらついた選手の試合中の再登場はまずありえない。
選手生命を絶たれたり、引退後障害が起きる選手が多数出たからである。
 
NFL JAPAN 「NFLに大きな衝撃!元選手の脳障害発症率は一般人の2倍」
  http://www.nfljapan.com/column/59617.html
NFL JAPAN 「QBキーナムの対応に見る脳振とう問題の難しさ」
  http://www.nfljapan.com/column/71680.html
NFL JAPAN 「脳障害を研究する医師対NFL、映画『Concussion』が全米公開へ」
 
スタジアムには医師も居るし、最新の検査機器だって導入されている。
脳震とうと診断されたら、次の試合は欠場で、
チームドクターや主治医ではなく、別の医師の承認がなければ、
試合出場は許可されない。
さらに、脳震とうを起こしそうなプレーも厳しく制限されるように
なってきている。
 
2.結論
 
交代枠を3人限定を維持するなら、
①ファールを伴う負傷者の交代は、協会指定など中立の医師が認めれば、
 枠と関係なく交代可能とすべきだ。
 そうすればラフプレーも減るだろう。
 ただ、イーブンボールでの事故的な負傷や、自爆の負傷交代を認めるか否かなど
 その適応範囲は、議論の分かれるところではあると思う。
②脳震とうは医師による素早い診察によって、懸念がある選手は退場させるべきで、
 ファールの有無に関係なく、交代可能にルール改正すべきだ。
 
そもそも、負傷による危険性を軽減することは、選手たちの権利のはず。
選手会は主張すべきである。
サッカーは自由で、発展途上国でも容易に楽しめる競技だということに
囚われすぎては居ないか?
日本におけるトップチームの試合だけでも、医師の帯同と、
近隣の脳検査の出来る病院との連携を確立すべきだと、私は思う。
たとえ世界ルールに反するローカルルールだったとしても。
 
以上です
 
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