まず、カナダ杯でなでしこの取ったディフェンスを分析します。
 
なでしこJAPANは今大会を通じて、コーナーキックやオフサイドが取れないゴールライン付近のセットプレーの時の対応は以下のような基本システムでした。
 
a) 相手と互角の高さを持った阪口・熊谷両選手を余らせておく。
 ゾーン的にそれぞれをニアサイドと中央に配置し、
 ゴール付近の球を原則二人で処理する。
 また、宮間選手はニアサイドのゴールポストに張り付くか、壁に立っている。
b)(背の低い)他の7選手は、ゴール付近に居る相手選手に対し、
 タイトなマンツーマンディフェンスを敷き、ヘディングで勝つことより、
 原則体を当てて
 ①相手をボールに近付けない
 ②自由に飛ばせないようにする。ボールは阪口・熊谷両選手に託す。
 
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バスケットボールの背の低いチームでも、ディフェンス・リバウンドで同じようなことをします。
マンツーマンで相手選手をブロックアウトし、ゴール付近に入れないように背負うという基本戦略をとります。
一方ゾーンディフェンスでは、マークが曖昧になり、ブロックアウトし切れず、
漏れてしまう事態が生じ易い。
簡単に言うと、同時に5人で5つの席を取り合うと、
最初どこかに集中して、1・2席空になるでしょう。あの状態です。
高さで劣るなでしこは、この戦法で、
準決勝まで大きな失態無く戦って来られました。
 
例として、ベスト16のオランダ戦後半30分、オランダのコーナーキックを鮫島選手があわや自殺点。
海堀選手が掻き出したプレーです。
FIFA-HP HIGH-LIGHT の59秒あたりからのシーン http://www.fifa.com/womensworldcup/videos/highlights/match=300269485/index.html
 
各選手タイトにマンツーマンで付いて、相手選手を飛ばしていません。
鮫島選手も相手選手を背負って、100点満点のブロックアウトをしています。
ただ、クリアーが・・・。
 
他のプレーも私なりに分析しましたが、各なでしこ選手は、ほぼ完璧に相手選手の自由を奪っていて、非常に練度が高いディフェンスをしていると言えます。
では、なぜ、決勝のアメリカ戦で破綻したのでしょう?それを次のブログに。
 
以上です。
 
 
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