しばらくは、2018年なでしこリーグ1部チームのコーナーキックについてまとめていきます。
 
2018年からなでしこリーグ・リーグカップのMycujoo配信が始まり、
偏りはあるものの、かなり各チーム均等に観戦できるようになりました。
全試合見ているわけでは有りませんが、ピックアップして見た試合の所感と、
公式記録の集計データーなどから、まとめをしたいと思います。
 
⑴チーム・個人の得点状況
 
A.チーム得失点状況
 
公式記録を集計し、観戦した試合については一部訂正など加えて、チーム毎にまとめたのが下表です。
過去のモノ(2015年以降)は(3-11) を参照下さい。
 
ジェフLが13点と圧倒しました。ジェフLの全得点に占める割合も多く、チームの得点力不足をコーナーキックで補った形になっています。

対照的だったのが日テレとC大阪堺で無得点。
日テレは、皇后杯も含め無得点のままシーズンを終えていますが、
でも3冠なんですから良いんでしょうね・・・。
 
イメージ 1
 
 
 
B.個人成績
 
櫻本選手(ジェフL)、高瀬選手(I神戸)が抜けた得点状況。
共にファーサイドでボールを待つタイプで、櫻本選手は強いヘディング力で、高瀬選手はこぼれ球への嗅覚がさえて得点を上げている。
 
一方、菅澤選手(浦和)などニアへ走り込んで複数点取った選手はゼロ。
要因の一つとして、ゾーンディフェンスで守るチームが増えた影響があると思う。
 
1位 5点 櫻本選手(ジェフL)・高瀬選手(I神戸) 
3位 2点 田中陽子選手(ノジマ)、久保田選手(新潟L)、
      仲田選手(I神戸)、長船選手(浦和)、吉良選手(浦和)、
      千野選手(ジェフL)、浜田選手(マイナビ)

⑵トピックス
 
A.ゾーンディフェンスを使うチームが増えた
 
このブログを始めた2015年以来、マンツーマン中心で、2名または3名の
ゾーン配置というチームばかりと言って良かったが、
以下のチームがゾーンディフェンスを敷いたことを、私は確認している。
 
マイナビ・C大阪堺: シーズンを通して、ほぼゾーンディフェンス。
日テレ      : シーズン序盤~中盤はゾーンディフェンス。
F日体大     : シーズン終盤ゾーンディフェンスのことも
浦和・I神戸   : 相手チームがゴール前密集陣形を敷いたらゾーンで対応
           (この4年間同じ)
 
それぞれタイプ・コンセプトの違うゾーンで、その説明はここでは割愛するが、
完成度としては決して高くなかったように思う。
 
対する攻撃する側も、各チームともゾーン攻略策は実質2018年が初の状態
だったためか、ちゃんとスカウティングして、結果を出したのはI神戸とジェフLくらいのもの。
 
昇格してくる伊賀FCも2018年はゾーンディフェンス。
2019年はゾーンディフェンスの質も、攻撃側の対策も、1段レベルアップした
プレーを期待したい。
 
 
それに、フランスW杯では、欧米諸国など大型チームが、なでしこJAPAN
(その他、身長が低い国)に対しゾーンディフェンスを敷いてくる可能性がある。
アメリカがカナダW杯から始め、昨年スイスも踏襲してきた。
 
なでしこリーグでのゾーンディフェンスを巡る攻防の積み重ねが、本番での
大切な1点に繋がるかも知れない。特に代表選手は積極的に取り組んで欲しい。
 
 
B.シーズン当初、I神戸のショートコーナーが猛威を振るった。
 
特記すべきは、ピッチを広く使ったこと。
特に、9人目の選手、すなわち、セーフティーとして下がっている鮫島選手を上げて来て、そこからクロスなど、パターンを色々作って攻め、得点を重ねていた。

ただ、守備側の対応が進み、ラインを押し上げる際の約束事を、各チームしっかり実行できるようになって、約2ヶ月でそうそう点を取れなくなっている。
 
しかし、戦略的には面白い考え方だし、各チームの守備レベルを確実に1段
押し上げた。
そういう面でも2018年最大の戦略的・技術的なトピックスだったと言える。
 
最近なでしこJAPANの親善試合で、中島選手と鮫島選手でこのパターンを
使うようになっていた。
だが、フランスW杯用に取っておくべきで、本番までの親善試合では隠しておくべきだと思う。
 
 
C.実は田中陽子選手(ノジマ)の偉大な記録が・・・。
 
誰も書かないので、ここで書きます。
田中陽子選手は、2012年U-20W杯で、1試合に左右両足からフリーキックで
ゴールを決めたのはあまりにも有名です。
が、2018年は左右のコーナーキックから、直接ゴールをあげています。
 4月7日:AC長野戦 8分 右CK
    (Mycujooに上がっているのですが、ファイルが壊れています)
 10月6日:C大阪堺戦 17分 左CK
    https://mycujoo.tv/video/nadeshiko-league?vid=224494
 
ちなみに、今年直接入ったゴールは1080本中、ジェフL・上野選手(5月12日
田中陽子選手の計3本だけ。
 
ノジマさん、このレア感はすごいと思いませんか?
ギネス登録も可能なんじゃありませんか?
そのためにも、4月7日の貴重な映像を修復してもらいたいと思います。
 

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