一番悪かったのは、「本田選手が蹴った後、ボールを見ているだけだった」こと。
それが、私の結論なのですが、他の方々はそう思われないのですかね?
 
「思い出したくない!」と言う方も多いと思いますが、FIFAのYouTubeにも画像が有りますので、今一度見てください。
 「Nacer CHADLI – HYUNDAI GOAL OF THE TOURNAMENT – NOMINEE」
 https://youtu.be/6jVdO1Q5xPE
 
このブログを書こうと思ったのは、年末に次の記事を読んだからです。
 Yahoo!ニュース(増島みどり)
 『ベルギー戦の14秒、その絶望は4年後の希望に 5人の男たちが語る
  「あのカウンター」の真実』
 
他にも、年末のTV放送やwebコラムで、色々振り返られて、論評がされています。
 
1. 報道他一般的な意見など概要
 
日本が敗退した後、各報道は論評を出し、Web上も賑わしました。
もちろん、ベルギーの速攻は素晴らしかったと言うのが最大多数。
防げなかった理由としては下のような指摘が主になされ、
今現在でも大きくは変わっていないと思っています。
 
① このCKで日本代表は、時間をつぶして延長戦に掛けるべきだったこと。
② 本田選手が相手ゴールキーパーの守備範囲に蹴って、キャッチされたこと。
③ セーフティーの山口選手が速攻を遅らせることが出来なかったこと。
 

2. マーク関係から見る
 
私がバスケットボール経験者であるからか視点が違って、まずマーク関係を見ます。
そのため、世間の論評と違うモノが見えます。
 
そもそもの話をすれば、CKの配置時点では16山口選手がセーフティーとして
1人余っているはず。
だが、日本ゴール前では2人も足りなくなっています。
 
日本代表の問題点を、上げると以下の3点です。

① 4本田選手が蹴ってから何もしていない。:私が考える最大の問題。
 ・結果:守備が一人足りなくなった。(±0になった)
 ・私の考え方:
   7デブルイネ選手が走り出しているが、この選手はマンツーマンではなく、
   ゾーン配置の選手。マークには4本田選手が行くべき。
 ・4本田選手がすべきだったこと:走り出すこと。
   「絶対に点を取る」と思っているなら、2ndボールを狙うべきだし、
   「延長戦やむなし」と考えたのなら、帰陣すべき。
   いずれにせよ、すぐに走り出すべきで、その方向は斜め45度くらい。
   どっちの考え方でも、大きな違いは生じない。
   ボールを蹴ってからGKがキャッチするまで約2秒有るので、約10mは
   走れていたはずです。
   この10mを作らなかったのは、交代出場選手として、怠惰だと思います。
   ベルギーの数的有利が生まれた最大の原因だと思います。
    (まあ、実際問題としては、4本田選手の走力と守備力が当てになったか?
    という疑問は有るでしょうが・・・)
 ・教訓とすべきこと:キッカーは蹴ったらすぐ走る!
   GKに直接キャッチされるような位置へ蹴ったことを非難するする人は
   結構居るが、この怠惰を非難する記事や意見を私は知らない。
   また、W杯後CKを蹴った選手が、全力で走り出す姿を一向に見ない。
   日本のサッカー界は正しく学んでいないのか?と思う。
 
② 14乾選手がキック後にファーへ走って、22シャドリ選手の位置関係が変わった。
 ・結果:守備が1人足りなくなった。(-1になった)
 ・責任:監督の責任。チーム内の意思統一に問題を感じる。
   14乾選手の動きは、GKがパンチングでファーサイドへ弾くことを期待して
   のこと。
   14乾選手は、「このCKで絶対点を取る」と考えていたはず。
   この動きは「延長戦やむなし」として、下がり目の位置にいる17長谷部選手
   とは、あまりにも真逆。
 この後に、14乾選手は走り負けするが、22シャドリ選手は65分に交代起用さ
 れたので、責めるのは酷な話なのでしょう。
 
③ 10香川選手が7デブルイネ選手を捕まえようとしたが、パスを出された。
 ・結果:守備が1人足りなくなった。(-2になった)
 ・責任:16山口選手との意思疎通不良で、どちらか、あるいは、両方の不手際。
   10香川選手は帰陣中16Tアザール選手とほぼ並行で走れていたが、
   それを捨てて7デブルイネ選手へ行っている。
   全体が見えていた16山口選手からの「そのままマーク」の指示が伝わって
   いれば16Tアザール選手へのパスは無かった。
 とは言えこの意思疎通が出来ていても、数的に「-1」なので、相手のミス待ちに
 変わりは無い。
 
余談になりますが、3昌子選手は本当によく走ってくれています。この失点の中、
日本代表が誇るべきプレーだと思います。
その3昌子選手が追いかけても追いつけなかったことを悔やむインタビューも有ります。
でも、3昌子選手1人加勢しても、まだ、1人足りないのです。22シャドリ選手に追いつけても、その外側に10Eアザール選手が居るので。

以上のことを、FIFAのYouTube動画に加えて、下に図を5枚付けていますので、
そちらも見ていただいて、私の意見について検討いただければ幸いです。
 
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図-1 4本田選手が蹴った時点での配置と動き
 
① ベルギーはマンツーマン中心。ゾーン配置は7デブルイネ選手と8フェライニ
  選手の2人。
  10香川選手がショートコーナー体勢なので7デブルイネ選手はニアサイドへ
  引き出されています。
② Gk脇にいた15大迫選手が19酒井選手をブロッカーに使い、ニアサイドに
  出ようとする。
  (結果的にはこの動きがGKの守備範囲を広げてしまっている。)
③ ファーから走り込む体勢は、3昌子選手・22吉田選手。
④ Pアーク付近の14乾選手は様子見。17長谷部選手は下がり目の位置。
⑤ セーフティーの5長友選手は9ルカク選手をマーク。
  16山口選手は浮いている(余っている)状態。
イメージ 1
 

図-2 GKがキャッチした時点での各選手の位置
 
① 14乾選手はGKがパンチ(チップ)して、ファーサイドへ弾くことを期待して、
  走り込んでいる。
  ここで、22シャドリ選手との位置関係が入れ替わる。
② この時点で日本ゴールに向かって走り出しているのは7デブルイネ選手だけ。
イメージ 2
 

図-3 7デブルイネ選手がGKからボールを受けた状態
 
この時点で、14乾選手が遅れを取ったため4:5の状態とは言え、一応マーク関係はっきりしてそれぞれ対応していた。
 
  10香川選手=16Tアザール選手、5長友選手=9ルカク選手、
  16山口選手>7デブルイネ選手、14乾選手<22シャドリ選手、
  17長谷部選手>10Eアザール選手
イメージ 3
 
 
図-4 7デブルイネ選手がパスを出した状態。
 
10香川選手が7デブルイネ選手に行ってしまったので、マーク関係は以下のように
なって、2人足りなくなってしまっている。
 
  16Tアザール選手(フリー)、5長友選手=9ルカク選手、
  (16山口選手+10香川選手)>7デブルイネ選手、
  17長谷部選手>22シャドリ選手、10Eアザール選手(フリー)
イメージ 4
 
図-5 16Tアザール選手がボールを受け、パスを出した状態。
 
ベルギーは2人の数的有利なままボールを繋いでゴール。
 
  5長友選手=16Tアザール選手、17長谷部選手≦9ルカク選手
  22シャドリ選手(フリー)、10Eアザール選手(フリー)
イメージ 5
 
 
以上です。
 
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